設定
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■設定
◆時代
劇中の年表では1053年が舞台。
文化や技術レベルは、現実の1980~1990年代相当。
神器兵の製造など、一部の技術は現代以上に進んでいる。
宇宙開発は全く進んでいない。航空機の類は、一定高度に達すると何者かに撃墜されてしまっている。
測位システムは、衛星に依存しない地上型の電波測位系を使用している。
◆法石
「ユーサイト / Iusite 」と呼ばれるエネルギー鉱石。
この世界のほとんどの機械類の動力源。
採掘によってはあまり産出せず、そのほとんどがケモノの遺骸由来。
多くが金属質の黒系色だが時折緑や黄色のものが見つかる。
活性状態の法石に晒され続けると不可逆のダメージを負う。非活性または低濃度のものでも、防護なしで長く触れ続けたり、粉塵を吸い込んだりすると、健康に影響が出る可能性が高い。
◆ケモノ / Therion
人類の脅威かつ資源。
体内に「法石」を有しているモンスター。
狼サイズのケモノでも軽装甲車両の装甲に穴を開けることができるほどの爪や牙、膂力を持つ。
基本種のケモノは通常兵器でも対処は可能だが、エネルギー資源をケモノの法石に依存しているために、高火力で殲滅するという方法に頼れずにいる。
中には局所的に世界を書き換え自身の領域とする能力を持つ上位個体も確認されている。
「月の書」によると33体の最上位個体が存在し、大災害を齎すことが予言されている。これを退けることがある意味での物語の終着点ともいえるが、ケモノから採れる法石に文明が依存しているため、どうあっても戦いは終わらない。ケモノとの戦いが本当に終わったとしても、人間同士の争いが激化するだけでしかない。
物語の時代では残存する上位個体は6体だが、あらたに最上位個体に該当する個体が発生している可能性も示唆されている。
(初期段階では、通常兵器に比べ神器のほうが効果的なダメージを与えることができる、という設定だった)
◆聖女
神器兵のうち、第19番都市の「学校」出身の者を指す別称。
「神話の時代の武器に選ばれた少女たち」というイメージを利用するための政治的な色が強い。そのため、お飾りの戦力や“接待係”と考える者もいる。
風聞関係なく実態としては、聖女の出力限界値は通常の神器兵よりも高くデザインされている。事実上のエリート兵。
通常の神器兵と比べて、人間を傷つけることへの極めて高い心理障壁や忌避感を持つよう「設定」されている。
この「設定」が先天的、あるいは後天的に無効になっている者は、解体されるか特務型へ転向することになる。
一学年あたりおよそ200人が「製造」されている。1~2割程度が、実戦投入前に事故や病気などで死亡するか自殺、あるいは就役拒否。実戦投入後も、半数近くが一年以内に戦死・自死、自主引退するなど、損耗率は高い。
その反面、福利厚生はよい。
訳は「Arche-Mädchen」
◆神器兵
読みは「しんきへい」、訳は「Arche-Soldat」
発掘された神器を運用する特殊な人材で、対ケモノ戦闘員。
そのほとんどが純粋な人間ではなく、遺跡から発掘された遺伝子をもとに作られた人造人間。
当事者は自らが人造人間であることを知っているが、一般人は神器兵のことを単なるエリート兵科だと認識している。そのため、一般人が神器兵に志願することも少なくない。(ごくまれに、普通の人間が神器に適合することもある)
人造人間であることは関係者には周知の事実だが、それでも遺伝子改造された強化人間という認識に留まっている。核として発掘遺伝子を用いていることは非公開情報で、限られた関係者しかその事実を知らない。
遺伝子や聖樹(樹の遺物――情報を蓄えている。オーバーテクノロジーはこの遺物から引き出した情報を基にしている)に刻まれた前世とも呼べる記憶を持ち、その記憶に目覚めることで対応した神器を割り当てられる。ただし記憶に目覚めるといってもぼんやりとした断片的なもので、通常は人格に影響を与えることはない。
また、神器なしにも超常能力が行使できる。
この固有異能は個人の渇望と関係し、どのような能力を獲得するかランダムだったが、最新の研究では外部からある程度の方向付けが可能であることがわかっている。(しかし、聖女の場合は敢えてランダム性を強くし、外れ値を期待している)
奥の手として制限解除を持つ。その際には胸部から幻炎があがる。
この機能を開放すると神器や個人の固有能力を引き上げるが、身体や神器への負荷の上昇し、最悪の場合、神器が失われるだけでなく、周辺の環境へ影響を与える。
いわゆるリミッター解除で、「内燃法炉自己臨界」「コード108」と呼ばれる。
聖女部隊では「開花」や「心炉点火」とも呼ばれている。
幻炎の色は、出力によって赤色から紫色まで変化する。
ただし、最大出力の紫は、リミッター解除のさらに上の段階まで引き上げないと出力できない隠し機能扱い。通常は、法石で上限を引き上げることで到達できるが、適性のある一部の聖女は自力で紫まで出力を上げられる。
ちなみに、「聖女」の内蔵法石出力は、通常の神器兵のおよそ3倍。そのため、最悪の奥の手として「生きた法石爆弾」となれる。
・新型神器兵
新型神器兵は通常の神器兵の2倍の出力。
安定性と能力のバランスをとったデザインがされている。
異能は、チーム内での連携を想定したスキルを獲得するように設計されている。
強力な神器と適合しなかった者も一定水準で戦えるような設計となっている。
過負荷時の制御が容易で、臨界による自爆が複雑な手順や条件を踏まずに可能。新型は「聖女」以上に自爆を戦術に組み込んでいる。
◆神器
読みは「しんき」
発掘された遺物の中でも、武器としての性質が強いもの。
それぞれが固有の特性や機能を持ち、使い手を選ぶ特殊な道具。
その機能も、切れ味が異常によかったり、異常なまでに頑丈だったりなどから、天候を変化させてしまうようなものまで様々。
◆第19番都市
「聖都」「ヴァイスブルク」などとも呼ばれる街。
星形の壁が周囲を囲んでいる。
街の中心部には神話時代からあるとされる塔が建ち、その足元には聖堂がある。この塔と大聖堂が「聖都」と呼ばれる由縁。
東西南北に十字状に伸びる大型道路、南北に縦断する運河、環状鉄道路線、旧市街の路面電車、壁外にある空港や河川港と接続する貨物用の鉄道が伝統的な交通手段。近年では、地下鉄の路線が拡大中。
都市部を囲む壁の高さは60~70メートルほど。
数キロメートルおきに観測塔が壁上に築かれているほか、対空機関砲を備えた射撃塔も設置されている。壁の内部は一部が倉庫として利用されている。
壁外には何重もの副壁や防御施設が配置されている。
(ちなみに、壁内の規模感は東京23区。)
主壁の出入り口は東西南北の4か所の陸路と南北の水路。そこに張り出すように壁外地区が形成されている。壁外とはいうものの主壁のような高い壁がないだけで、周囲は10~20メートルほどの壁に囲まれている。
壁外地区の出入り口には監視塔と検問所がある。この検問所からさらに1キロほど離れた場所にも検問があり、検問と検問を繋ぐ道路にはフェンスが設置されている。この緩衝地帯には数キロメートルおきに監視塔が設置されている。
南東部に大きな空港と空港へ接続する河川港があるほか、北西部にも小さな空港がある。空港も10メートルほどの壁と、さらに外周をフェンスで囲まれている。空港地帯は、居住区や商業施設を備えており、小さな都市となっている。
「師団」や「聖女」の部隊が警備として派遣されている。戦車が1両、装甲戦闘車が数台のほか、機関砲が防衛砲として設置されている。
/外郭要塞
壁外外周の防御施設。主壁から約10キロ離れた地点と15キロ離れた地点に築かれた要塞群。
210ミリ砲、155ミリ砲が配備されているほか、多連装ロケット砲も置かれている。
要塞は「く」の字型で、3か所に主砲台が設置。周囲を10メートルの壁で囲まれ、堀によりさらに守りを固めている。
要塞自体の防衛砲として35ミリ機関砲の砲台や重機関銃塔が外縁に置かれている。
「く」の内側には「師団」や「聖女」の駐在する駐屯地があり、このエリアは5メートルの壁やフェンスで囲まれている。
◆学校 / Schule
神器兵を育成する施設。
この施設で生まれる神器兵は少女だけのため「聖女」と呼ばれている。
都市の東地区に位置し、周囲を森に囲まれている。
敷地内には、宿舎や教育用の学校棟、訓練施設のほか、図書館や演劇ホールなどの文化施設も設置されている。小規模な商業施設もあり、小さな街といえる。
別の都市に技術協力した姉妹校がある。
◆師団
第19番都市直属の軍事組織。いわば都市軍。
直轄の神器兵訓練施設を持ち、自前で神器兵の製造と教育が可能。
「学校」との最大の違いは、装甲戦力や航空戦力を有する軍事組織であること。
「学校」とは協力関係にある。「学校」出身の「聖女」も所属しているほか、師団所属の神器兵や戦闘員も「学校」へ派遣されていたりする。
「学校」が輸送に使っている回転翼機も、師団所有のもの。
◆イリアシュタット / Yliastadt
第19番都市の西方500キロメートルほどの地点にある都市。
都市の壁外西北側に、100年前の戦争時に投下された法石爆弾の爆心地がある。爆弾の影響によって生まれた巨大な法石塊は、戦争と平和の象徴として残されている。
東方に緑地と湿地が広がる。緑地と湿地は都市と同程度の大きさで川の一部は都市にも流れ込んでいる。この領域はイリアシュタットに属すると見做されている。
主要産業は観光業。
◆ルクシュテルン
Lukstern / Luxternの表記ゆれがある。
「学校」から技術提供を受けた神器兵養成校。
第26番・第41番連合都市にある。
臙脂色の制服と戦闘服が特徴的。
“本校”ともいえる「学校」への対抗心が強い。
――
◆武器
・二五式戦術刀
神器兵以外にも扱えるように遺物の技術を利用して作られた汎用神器。
特殊機能は無いが、同形状の通常の刀剣に比べて性能が高い。
二五式の名のとおり、1025年に正式化され、小改良を続けながら配備されていた。物語時点では、すでに正式装備からは外れた非標準武器ではあるものの、「学校」では教練・儀礼用武器として使われているおり、一部の「聖女」は実戦でも用いている。
刀身が黒いことから「黒刀」とも呼ばれている。
・08式短型騎兵銃
リルが使用している旧式のライフル。
8×57mm弾を使うボルトアクションライフル。
旧式の88式小銃を原型とする88式騎兵銃の短縮バージョンと認識されているが厳密には違い、はじめから短いスタイルの新型として開発された。慣習的に騎兵銃と名称がつけられた。K08k、08kとも呼ばれる。
物語時の年代である1053年には旧式化しており、多くの個体が儀仗用や訓練用となっている。一部が予備の近距離簡易狙撃銃として扱われている。
小型種や中型種などはバイタルを抜くことができれば、一撃で屠るだけの威力はある。
(名前から類推できるようにKarabiner98kが元ネタ)
・37式6.7×50mm猟兵小銃 / JG37
神器兵向けの自動ライフルで、2バーストの射撃方式がある。
20発の箱型弾倉が使える。
ガスオぺーレーションとショートリコイルが合わさったような独特な機構。
銃身長はおよそ370mm、全長は約800mmとかなり小型。重さも3キロ台と軽量。
銃剣は使えない。
初期型は木製ストックとハンドガードだったが、中期以降は樹脂パーツに変更されている。後期型はフラットトップレール、ハンドガードの三面レール化などもされている。
「聖女」部隊の主力銃として配備されてきたが、より新しい自動ライフルへの置き換えが進んでいる。しかし、依然として特殊な近距離火力武器や支援火器として独特な立ち位置にある。
・MP4‐2s
パルサティラが好んで使っている銃。
「学校」が開発した聖女用の装備。1050年に採用された最新型の特殊用途銃。
10×25mm弾を使用する。115mmの短銃身、毎分1000発の発射速度、刺突向けのスパイク付きハイダーなど、超近距離に特化している。
26発の複列弾倉と40発の複複列弾倉が用意されている。
・StG30
G4とも。
都市内で最も広く使われている現役の正式採用銃。6.7×50mm弾を使う。
固定銃床(無印、A2)と折り畳み銃床(A1、A3、K)のモデルがある。
銃身長、450mm、全長1020mm。
より対人に特化した低反動、低伸弾道の小口径高速弾が開発・試験中。
・48式A1 / S
9.3×44mm弾を使うライフル。G48やMP48とも呼ばれる。
近距離戦での打撃力に特化した性能。銃としての性能の高いブルパップ方式モデルA1と、神器兵の戦い方に合わせた短銃身モデルStG48の二種類がある。
試作や最初期モデルはStG30と同じ弾倉を使っていたが、混在を避けるためと動作安定性を高めるため、形状が変更された。
「師団」の車両護衛隊員や「学校」の警備、支援職の「聖女」へ優先的に配備されている。
・支給拳銃
「聖女」の拳銃。
自動拳銃と回転弾倉式の二種類から選べる。
回転弾倉式のほうが比較的人気が高い。その理由はグリップの自由度が高いから。手のサイズの問題もあるが、材質やデザインなどで「かわいく」できるのが、少女にはよいポイントらしい。
どちらも使用弾薬は10mm。
自動式のほうは装弾数8発。シングルアクション。銃身長は102mm。
リボルバーのほうは装弾数6発。銃身長は102mm。ハンマーの根元部分に位置するリリースレバーを押すとスイングアウトできる。
・対資材銃
20mm弾を使う大口径ライフル。左側面に弾倉を挿すレイアウト。
破壊する“資材”には、神器兵も含まれている。
・法石弾 / Depleted Iusite ammunition
劣化法石弾。
法石を精製した際の残渣物をさらに精製したものを弾芯に用いた特殊弾。
略称はDIあるいはDIA。
ケモノに命中すると体組織や体液中の法石粒子と反応し、命中部位を中心に鉱石化させる。
体内に弾頭が侵入しさえすれば、バイタルを破壊しなくとも確実にダメージを与えられるため、扱いづらい神器の代わりにメインや補助として使う神器兵もいる。
加工時や着弾時に燃焼しやすく、その際に発生する微細粒子が環境や人体に悪影響を及ぼす可能性がある。
弾芯の加工が現行の技術では難しい。また、完成した弾頭の使用期限が短いため、使用頻度の高い歩兵用小銃や機銃弾にしか大きく採用はされていない。
鉛や鉄よりも脆く軽いため、弾体の素材としてもあまり優秀とはいえず、法石弾は通常弾に比べ、射程が短く、対物火力に劣る。
・法石爆弾
濃縮された法石と劣化法石をコアに使った反応爆弾。
爆心から一定の範囲は半永久的に汚染される。
汚染領域からは法石が産出されるようになる。また、ケモノをはじめとした災害の発生源にもなると考えられている。
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