最終話 次元の狭間:邪



『転送を実行します』


さあ行く――ってもう着いたわ。

なるほど、魔法陣とかの派手な演出は無い感じか。効率的で好感が持てますね!

それで目の前にいるこのおっさんが邪神なのかな?


「チッ!女神風情がなんと厄介な奴を・・・!」


「はい確定!」


ヒノキの剣を即座に抜刀っ!隙だらけだぜ馬鹿がぁ!まずは一撃ぃ!


ザンッ!


「グフゥ!?わ、我は・・・まだ・・・」


目指せ三分・・・あれ、なんか邪神消えたんだけど?


『ワールドマスター〖女神〗より個体名〖勇者〗へ通話要求。要求に応じますか?』


ア、ハイ・・・はい?通話?


『勇者様!悪しき神を滅してくださりありがとうございました!これでこの世界は救われました!』


ゆうしゃは じゃしんを たおした




・・・・・・え?マジ?



――――――――――5分後――――――――――



女神様から今回の件の裏側を大体教えてもらった。


「なるほど、つまり邪神は俺が魔王を倒すたびに弱体化していたと」


『そうです。世界の時間を戻す際に毎回対価として莫大なエネルギーを要求されますから』


いやだからってワンパンは無いだろ。ギガントゴーレムより弱いじゃねぇか。


『あとお察しの通り、世界をリセットしていたのも邪神です』


「やっぱりですか。ちなみになぜ邪神はひたすら時間を戻すだけだったんですか?ちょくで俺を殺せばよかったのに」


『おそらく勇者様の心が折れるのを待っていたのかと。貴方様への直接干渉は私がなんとしても妨害しますしね』


「ハハハ、そんな事で心が折れるわけないのに。邪神も馬鹿ですね~」


『いや、普通は折れると思いますよ?』


それはつまり俺が異常だと?断固として反論する。


『それで、勇者様は今後どうしますか?』


「今後、とは」


『元の世界に戻りますか?それともこの世界で生きていきますか?』


あ~、異世界召喚とかでよくある二択ね。さてどうするか。


「ちなみに俺、今ちょっとこここの世界に来る前の記憶あんまりないんですけど」


『あ、それは私が記憶を取り上げていただけなので元に戻せますよ。勇者様にホームシックになられると困りますからね』


ありゃ、この女神様思ったよりバイオレンスだわ。


「じゃあ元の世界で」


『了解です。じゃあもう転送しますね。あとお礼の品を後程のちほど送りますので』


「分かりました」




さあ帰ろう愛しのわが家へ!

俺、帰ったらまずドラ〇エとか買ってRTAするんだ・・・!






『・・・あれ?どうやるんだっけ。確かここをこう――』


『リセットします』


は?



――――――――――完――――――――――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔王討伐タイムアタック! 北村 進 @kitamura2525

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ