第11話 魔王城
――――――――――1時間後――――――――――
さあ着いたぜ魔王城!
ここでクロともお別れだ。
「ここまでありがとな!」
「ブルルルッ」
『頑張れよ~』的な感じの鳴き声を背に魔王城に侵入する。
この城は本丸と二つの塔で構成されている。
そして魔王と戦うためには、まず二つの塔をそれぞれ守っている『阿』と『吽』から鍵を二つ奪取し、本丸への扉を開かないといけない。
ただそれすると時間かかるから、今回も本丸の窓から侵入する。
まずは壁を登って屋根の上に・・・
「本当に勇者来たぞ!」
「お命頂戴いたす!」
・・・あ~、
――――――――――20分後――――――――――
さて、阿吽は倒したからいざ突――いや、ちょっと待て。なんか嫌な予感した。
ポーチから取り出した空のMPポーション瓶を投げ、窓を割る。
その瞬間、窓からレーザービームみたいな魔法が飛び出した。怖っ!?
にしても、やっぱり俺の行動はバレてるっぽいな。
四天王達の時から薄々そんな気はしていたが、阿吽の
・・・えっと、これ何で俺の動きがバレてるか考えないといけない感じ?
う~ん、頭使うのめんどいんだけどなぁ。まあしょうがないか。
全ては次のアタックに生かすためっ!
取り敢えず別の窓を割ってフェイントをかけ、最初の窓から本丸に入る。
するとまた一発魔法を無駄打ちした魔王が苦々しげに睨んできた。ザマァッ!!
「なあ、一つ聞いていいか?」
「・・・なんだ」
「さっきの阿吽と四天王達のことなんだが・・・誰に入れ知恵された?」
「教えるわけがないだろう?」
「そうか」
奴の言い方的に、とりあえず誰かに入れ知恵されたのは確実か。
簡単に鎌かけに引っかかってくれて助かった。魔王のくせに駆け引き弱いよなコイツ。
後は誰が入れ知恵したのかだが・・・心当たりねぇんだよなこれが。
俺がどんな動きをするか分かるのは、俺が魔王討伐を何回も繰り返している事を知っている奴だけのはず。
でもそんな奴は俺と天の神様ぐらいしか・・・ん?神?
「まさか魔神・・・いや、悪い神だから邪神か?」
「・・・っ!」
はいビンゴォ!分かりやすい反応をありがとう!
あ~スッキリした!じゃあ戦いますか!
え?邪神はどうするのかって?どうしようもないだろそんな奴。
たぶん女神様が何とかしてくれるんじゃない?女神が実在するかは知らんけど。
――――――――――1時間後――――――――――
「ぐわあああぁぁぁぁあ!!」
なんか魔王が凄く強化されてた。
見たことない魔法をちょいちょい使うし、攻撃すっげぇ重いし、第四形態とかあったし・・・邪神さん、ハッスルしすぎっす。
おかげで10分で終わらせる予定がこんなに時間がかかってしまった。まあどっちにしろベストタイムだから別にいいけどさ。
さて、そろそろリセットされる頃かな?
『リセットしま・・・
お?
『ワールドマスター〖女神〗から申請・・・了承。これより個体名〖勇者〗を〖次元の狭間:邪〗に転送します』
おお?
『ワールドマスター〖女神〗より個体名〖勇者〗へメッセージを送信・・・開示します』
おおお?
『勇者様。貴方を諸悪の根源である邪神の下へ送ります。どうか・・・彼の者を
うおー!やっとループから解放されたぁ!
任せてくだい女神様!今なら邪神だろうがなんだろうが、カップ麺出来上がるより早くしばいてやりますよぉ!
目覚めてから26時間31分27秒
魔王討伐タイム
26時間27分42秒83 ベストタイム更新!
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