第10話 四天王討伐



さて、勢いよく飛び出したはいいが、魔王城に行く前に何とかしておきたい奴らがいる。

もちろん四天王共の事だ。魔王と四天王全員を同時に相手するのはさすがに地獄すぎる。


瞬間移動とかで魔王城に行かれてたらお手上げだったけど、アイツら今普通に俺の数百メートル後ろを走ってるから大丈夫っぽいな。

にしても足速いなぁ。流石にクロよりは遅そうだが、身体強化の魔法でも使ってるのか?

というかなんか全然攻撃してこないな・・・よし、激励煽りに行こう!


「クロ、ちょっと速度落としてくれ・・・このくらいか?じゃあこのまま後ろの奴らと同じ速さで頼む」


クロにお願いして四天王達との距離を一定に保つようにしてもらい、体の向きを後ろにする。


「よう!頑張ってるな!」


「勇者カ・・・」


「お前らって瞬間移動の魔法とか使えないの?」


「使えはするが、俺らもう魔力がスッカラカンなんだよ・・・あ、これ言っちまったらマズかったか?」


「貴方は馬鹿ですか!?」


つまり魔法とか一切使わずこの速度ってことか。マジで言ってんの?

ってか魔力切れって事は今こいつら防御魔法も使えないんだよね?

・・・あ、いい事思いついちゃった!

まずポーチから温存してたMPポーションと魔導書を取り出してっと・・・


「おい待て、待ってくれ。お前ソレで何するつもりだ?」


「え?射的しゃてき


「あの、スポーツマンシップって知ってます?」


「・・・ナニソレ」


「この人でなしぃ!」


ハッハッハッ!景品まと風情に罵倒されても痛くも痒くもないわぁ!

さあ、相手に安全圏からガンガン攻撃される理不尽をとくと味わえ!



――――――――――30分後――――――――――



すべての してんのうを たおした!


長く、苦しい戦いだった・・・!

アイツら思ってた五倍くらい粘るんだもん。何で生身で十数回爆破されても普通に走れるんだよ!

おかげでMPポーションのストックがほとんど切れてしまった。

まあ別に魔王戦で使う予定は無いからいいけどね。



とにかくこれで後顧の憂いは無くなった!

さあフィナーレといこうか!!





目覚めてから24時間8分41秒

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