第9話 vs.四天王オールスターズ



一先ず言葉による話し合いをば・・・


「ねえ、なんでここにいんの?君達自分の城から出れないって聞いてるんだけど」


「教えると思うか?」


「だよねぇ。ちなみに何のためにココに――」


「もちろん貴方を倒すためです」


なるほど。向こうさんは話し合い袋叩きをご所望か。


「スポーツマンシップって知ってる?」


「‘‘風‘‘の前でそれを言うのかお前」


おっと、般若の面みたいな顔になりましたね風の四天王さん。綺麗な顔が台無しっすよ?

あ、ちょ、風撃ってこないで。うわ、水も来た!回避ぃ!?



――――――――――1時間後――――――――――



諸君は、人生の内で何回マグマと津波と竜巻と隕石を一緒くたにぶつけられたことがあるだろうか。

俺?もう数えきれないくらいかな!(半ギレ)


「四対一は卑怯だろうがぁぁあ!!」


「いやな?俺らもこれは流石に無いわぁって思ってるがよぉ・・・」


「魔王様から直々に命令されてしまいましたからねぇ・・・というか、だいぶ粘りますね貴方」


「・・・ちょっと可哀そうとか思っちゃった」


「ご愁傷さまデス」


「憐れんでくれるんならその殺意マシマシの攻撃やめてくれます!?」


「「「「無理」」」」


デスヨネチキショー!

しゃあねぇ、もう意地だ!何をしてでも耐えてやるぅ!



――――――――――2時間後――――――――――



まさかタイムアタック中にこんなに耐久戦するとは思わなかった。

しっかしもう限界だ。壁際の俺を完全包囲した四天王共が、それぞれ必殺技の用意してるし。

誰かは倒せるかと思ったが、そう上手くはいかないよなぁ。今回はベストタイム諦めるしかないかぁ・・・。


「・・・お前はよく頑張ったよ」


「雑魚と呼んだことを謝罪しましょう。貴方は紛れもない勇者だ」


「そんなに強いなら私とちゃんと戦って欲しかった」


「もう少しで魔力切れテタ・・・称賛スル」


「お前らに褒められてもそんなに嬉しくねぇよ」


「ちょっと嬉しいのかよ」


だって四天王全員に強さを褒められたんだぞ?そんなの嬉しくなっちゃうじゃん。


「最期に一つだけ聞いていいか?」


「なんだ?」


「なんでお前ら自分の城から出れてんの?」


それはココに着いて最初に思った疑問だ。俺が今まで繰り返してきた中で、四天王が城から出たことなど一度も無い。

よって、もしこの前提が簡単に崩れるようなモノならまた一からチャートを組み立てなきゃいけなくなる。

だから出来ればこれだけは教えてほしいんだけど・・・。

とか考えてると、四天王全員から頷き+アイコンタクトを送られた火の四天王が口を開いた。


「魔蘇の玉を全て壊したからだ」


「・・・へ?マジ?」


じゃあ何?君達自分の主人の命綱をぶった切ってここに来たの?

いやでもさっき魔王に命じられてとか言ってたな・・・魔王さん、自分の命をオールインですっ!

てかこれ一番時間を喰う四天王巡りをもうしなくていいからベスト行けるくね?

・・・こうしちゃいらんねぇ!タイムアタック再開だぁ!

まずはここからの脱出!


「これなーんだ」


「っ!転移結晶!?」


備えあれば憂いなしってなぁ!


「グッバイエブリワン!」


「撃てっ!!!」


目の前にオーバーキル気味の攻撃が展開された瞬間俺の視界が切り替わる。

よし、ちゃんとクロの上に転移地点登録できてたようだな!


「クロ!魔王城まで全速力!」


「ブルルル・・・!」


待ってろよベストタイム!今からお前を迎えに行ってやるからな!





目覚めてから23時間31分58秒

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