王国最強なのに何故か仲間を助けられません。救えません。

@unomiya_aruto

第1話 プロローグ

7年前


あぁ、まただ。また救えなかった。どうして、どうして、いつもいつも俺は大切な仲間を救えないんだ。仲間を信じても自分を信じても結局結果は決まっている。救えないと。




「ゴメンな、サリ。俺のせいで」そう泣きながら言った




「泣くな。ザハ。お前のせいじゃない」苦しそうに言った。今すぐ息を引き取りそうなくらい儚く。




「何言ってんだよ。俺のせいだろ。助けるって約束したのに、俺はまた助けられなかった。俺が弱いから」早口で泣きながら言った。




「お前は・・・つよ・・・い。・・・が・・・んば・・・・・・れよ」そう言って息を引き取った。




「おい、おい!サリ!嘘だよな!おい!返事しろよ!」強く揺すりながら口にしたが返事はなかった。




「ハハッ。ハハハッハハッハハッハッハァ。そうだよな。俺は強いよな。ありがとうなサリ。俺頑張るよ。」そう言いながら拳に力を入れて覚悟を決めた。


もう誰も救わないと助けないと。助けられない救えないで嫌な思いや悲しい思いをするなら端からそんなことをしないと誓ったのだった。






そうこれはそんな悲しく辛く苦しい彼の、ザハズ・イシュルの物語である。










時は戻り、ここオアリザ王国は、あの7年前がうそのようにとても平和になっていた。それは全てザハのおかげだった。今では彼はこの国の英雄と言われていた。あまり良く思わないものも居るが、そんなのは極わずかで、後輩や仲間からはよく慕われ、尊敬される人になっていた。ここ1,2年軍事力や領土、財力とも力を増している。ただ、この国にも驚異がまだ残っている。それは1番の領土を持つザバラス大国。この世界の半分ほどの領土を持っている。そんな国が攻めてきたらオアリザ王国は潰れるだろうと思っているものは少なくない。ただ1度も攻められたことがないためみんなは攻められないとそう思い込んでいる。

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