2019…2-5/27~7/19
呟怖
1番苦しむ方法で、自分がやった事と同じ方法で、もっとゆっくりじわじわ恐怖を与えながら、残された者の希望のやり方で何度も何度もそうしてこの世から消したい。
何も戻って来ない。そんな事分かってる。でも少しでも救いになるのなら。
私の目の前の悪魔がそう言って涙目の私の頭を撫でた。
2019年7月19日 9:02
#呟怖
随分鬱蒼としているわね。こんな先にマンションなんてあるの?
ねぇ、わたし、ヒールよ、こないだ買ったばっかりのCHANEL。ああ、もう、汚れるし、ねぇ、ちょっと。
たけのこ掘りに来ていたじぃちやんが見た、独り言をいいながら谷の方に1人で向かう女の話。
2019年7月18日 18:40
#呟怖
君を見かけたと噂を聞いてその2箇所に行ったよ。
噂は本当だった。
2箇所ともビルから飛び降りる君が見えた。
でも不思議なんだ。
君は1人のはずなのに、どうして全然違う場所なのに。
2019年7月13日 19:52
#呟怖
今日うちに来ない?
1年付き合ってる彼女が初めて誘ってくれた。
ここなの。と言って彼女は下を向いた。
僕は彼女に微笑んで
お邪魔します。と言って錆びて植物に侵食された扉を開く。
彼女は一糸まとわぬ姿でそこにあった。僕の後ろで扉が閉まる。
これで魂までも全ての彼女を手に入れた。
2019年7月9日 21:47
#呟怖
「やっべー父ちゃんマジ怒ってる。激おこ。俺今日は帰るわ、じゃな。また明日なー」と、友人が慌てて走り出し空に消えていった。
2019年7月9日 21:14
#呟怖
道行く人が私を殺すの。
私はもう形すらない。地面と一緒になって、全部吸い込まれ、すり潰されなくなった。
道行く人が私を殺すの。
細胞の一つ一つまで、丁寧に。
あの人は沢山の共犯者をつくったわ。道行く人はほんの小さな赤い肉の欠片が私だとは気が付かない。
2019年7月8日 22:45
#呟怖
厄災が歩みを進めて行く。
あれの望みは消える事。
だが無理だろう。
人類が滅びるまでは、あれは歩みを止められない。
人々の憎悪があれを生かすのだ、人々の破壊があれの糧なのだから。
2019年7月5日 23:05
#呟怖
ちょっといいなって思って街中で声掛けた女。とんとん拍子に付き合ってる。今日家に遊びに来ない?って言われて来たんだ。○○アパート409号室。
俺、このアパートよく知ってんだ3階建て1階に8戸。だって俺、308号室の住人だぜ?
2019年6月29日 21:30
#呟怖
なぜ僕が此処で、一瞬とはいえ死を覚悟しなければならなかったのか……分かります?
長くうねうねと動くタコの足のようなものが僕を目掛けて進んできたからですよ。
その時すぐ側の店から板前さんが柳刃包丁を振る。
ズバッ。
おお!こいつは活きがいい。さ、兄さん食べていきな。
2019年6月29日 21:19
#呟怖
この中にたくさんの顔が隠れているよ、幾つ見つけられるかな?
耳元でさっきから居ないはずの男が囁く夜道。
2019年6月29日 20:47
#呟怖
息子は何故か島という字が書けない。何故か鳥と書いてしまう。
むすめは鳥が書けない。何故か島と書いてしまう。
息子は鳥が咥えてきた未熟児だった。
むすめは島に流れ着いたトランクの中にいた。
2019年6月26日 0:14
#呟怖
「私、きれい?」
…「うん。」
「それよ!それなのよ!」
整形した口裂け女はいつしか口裂けてない女の都市伝説になった。
2019年6月26日 0:08
#呟怖
「幽体離脱ー」
…
「って、私たち全然似てないじゃんww」
「うふふっ!そうだよね笑」
「あなたまたあの子」
「子どもは誰しも見えない友人がいるって言うじゃないか」
子は1人、庭先で。
父は1人、窓際で。
2019年6月24日 23:37
#呟怖
「あれ?また来たんだ。ダメじゃん。道、迷ったの?
え、あ、もうそんな前だったっけ会ったのって。
言ったとおりだった?
そうでしょ、寿命が来たら生きたくても死んじゃうんだよ。
えぇお礼なんて言わないでよ。
それでもういいの?
うん、うん、治んないのか。
じゃあもらうね、命」
2019年6月23日 0:21
#呟怖
そこにいたの。
一人きりのはずなのに声がする。
引き出しから、扉の影から、格子窓のカーテンの裏から、得体の知らない水槽から。
そこに潜む何かから…
2019年6月22日 22:15
#呟怖
ああ、近付いてくる。
あの柵怖いんだよな。
あそこから飛び降りる電車に撥ねられるとばらばらになった遺体の一部が、必ずあそこに引っかかるんだよ。
あっ?!
2019年6月12日 7:08
#呟怖
息子は靴を脱いで椅子に上がり正座し車窓をみつめている。各駅停車の電車。
「あれ?この駅停らないんだ」
と息子。
「駅?」「うん、ホームに沢山人いたんだ、制服のお姉ちゃん、かいしゃいんの人とか、」
「へぇ?」そんな駅あったかな…
「き、さ、ラ、ず って書いてあったよ」
2019年6月9日 6:40
#呟怖
チータチータッタタタタチータチータッタタタタ
少し調子の外れた手回しオルガンを妙に機械的な動きの腐乱したピエロが回す。
腐乱したピエロなんて初めて見た。手を繋いた両親の顔を見上げると、酷く混乱した表情で父は慌てて警察に電話していた。母は遊園地のスタッフを探して、僕は…¿
2019年6月7日 10:16
#呟怖
また、来てしまいましたね。
ここには来ない方がいいと_え?勝手にきてしまう?
はて…
!
あ、まずい!あの空はこの世とあの世の境目。だから、あれほど…
い、や、これはこちらの話。
2019年6月5日 23:38
#呟怖
「間に合ってよかった」
「よかったんですか?まだゆっくり出来たろうに」
「いや、あなたとの将棋の勝敗がはっきりしないままの方が気持ち悪いですからね」
「飽きるまで指しますか」
「時間はたっぷりですからな」
2人の老人の快活な笑いを背に、僕は死国行き列車の車窓から景色を眺めた。
2019年6月5日 9:38
#呟怖
破れ障子の向こうから、暖かい光がさし、除くと炬燵に美味しそうな鍋がくつくつとにえている。
細い薪の火が消えるとたちまち全て消え去った。
親のない子は裸足の足で汚れた着物と煤けた顔で、再び薪に火を灯した。
2019年6月4日 19:07
#呟怖
君は変わらないね。
そう?あなたもかわってないわよ。
いや、腹もでたし、髪も薄くなってさ。
うふふ、いいじゃないの。
だって、その目、全然変わらない。
遠く離れた川向う、キラキラ光るのは水面ばかりではない。足のぼやけたキラキラ光る君はもう数十年、姿変わらず。美し少女。
2019年6月4日 19:01
#呟怖
興味本位で入った廃ホテル。部屋の黒電話がなった──。
「お食事の準備が出来ました」
そう言えばあいつどこいった?
2019年6月4日 18:50
#呟怖
あら、お久しぶりねぇ。
若返ったわね。ほんとに随分若返ったわ。あ、ああ、そうか、あなたこちら側にきたのね。お祝い、しなくちゃね!
そう言って、僕が60年通い続けたBARのママは60年、いや、もっと前からか、変わらぬ姿のままカウンター奥に消えた。
これからも楽しく呑めそうだ。
2019年5月31日 21:47
#呟怖
ジジッジジ…
3…5…1…
男の低い声が、ノイズまみれで聴こえてくる。
スイッチは入ってない、
チャンネルも合わせてない
俺は身の回りのものをまとめ貴重品をもち、近所の高台の広場の真ん中に簡易テントとこのラジオを持って出かけた。
1時間後、スマホがけたたましく地震の予知を知らせた
2019年5月30日 19:28
#呟怖
針をあげましょう。あなたの細胞の数、あなたの生きてきた年数、あなたが生きるはずの未来でおこる幸せの数。あなたが生み出すはずだった数々にも。
針の全てを、あなたを奪った奴にまずは目玉、舌先、爪の間、歯茎、耳穴。頭もめくって痛覚の神経に。
優しいあなた 少しでもその魂安らかに
2019年5月30日 18:52
#呟怖
坂の上から白いワンピースの君が降りてくる。
殺したはずの君が。
2019年5月30日 18:14
#呟怖
顔は元には戻らない。
何も無いから皆目のやり場に困るだろうからこうするよりしかたがない。
2019年5月29日 22:46
#呟怖
ああ、やっとついた。
このご時世節約しないと、霊力ったってただじゃないし、お賽銭だけでは神とて不安だよ。
まぁ、家族、住まいがあるだけで充分幸せかぁ。
ただいま~
2019年5月28日 23:37
#呟怖
幼稚園の近くに落ちていた、多分あやとり用の毛糸。まだ新しい。落としたてだ。無くしたと泣いている子がいるかもと幼稚園へ届けに行った。
園の門は鎖が巻き付けられていた。張り紙。
廃園。
園庭の遊具、園庭、砂場覆い尽くすように毛糸が落ち積もっていた。
2019年5月27日 20:57
呟怖 シ シノ ユウコ @sinoyumachi3
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