2019…1-2/24~5/22

呟怖

3年前に1度行方不明になって戻ってきた姉。1週間前に行方不明になって戻ってきた妹。両親が戻ってきた2人をむかえた時、口々に元気で良かったと言ったけど、私の目からはどちらも元気には見えないんだけど…

2019年5月22日 19:16


#呟怖

自分の限界を知りたくて、車をひたすら飛ばす。深夜の峠道、唐突に現れた眩い光。

街灯などは当然無かった。ほんの数秒の間、車と並走するようについて来て、急に目の前から消えた。はっとして速度を落とした。

そうか、そうだった。

この峠はあいつの車が谷に転落して死んだ場所だったから。

2019年5月13日 21:13


#呟怖

あの木でおじい様、あの屋根裏で近所の子ども、あの藤棚を組んだ大工、リビングのあの電灯のしたで主人が、奥の寝室で私が死んだのよ。

毎夜毎夜耳元で女が囁く。

貴方はどこで?と締めくくり。

2019年5月6日 22:49


#呟怖

昨日は30、一昨日は15、もうずっとずっと殺して回ってる。

死にたがっている人はたくさんで、私は皆に安楽な死という愛を売る。

2019年4月30日 19:37


#呟怖

あっ!あぁぁぁぁれはっ!先輩だぁあぁぁぁぁかっこいい!好きだぁあぁぁぁぁ。えっえっこっこっちに笑顔で、ちか…


ドサッ。


誰か!誰か救急車!この人、息が止まってるよ!

2019年4月25日 22:08


#呟怖

プチ、プチ、プチプチ、プチ、プチプチ、プチ、プチ、プチプチプチプチ、プチ、プチ

彼女が何かを壊している。小さくて黒くて…


男は自室の窓から向かいのアパート階下の窓を見つめてそう呟いた。


と、呟く男をドアのはめ殺しの小窓から私は覗いている。


何かを覗いている仕草の女を…

2019年4月24日 21:17


#呟怖

床下から物音。よく耳をすます。

「なもしらーぬ とおきしーまより なぁーがれつく ヤシのみひとつ」複数人の可愛らしい歌声だ。

覗き込むと何故か床下にはたくさんの椰子の実。

海辺でもないし、東北の山中にある家だと言うのに。

2019年4月15日 9:23


#呟怖

いたっ。

棘だ。

ピッ。

あ、ストッキング伝線しちゃった。棘だ。

ちっ。

血がでた。なに?あ、棘。

誰か助けて…


イバラの中で両手両足縛られた女はそう叫ぶ。


まだいいじゃない。イバラの棘で出来た傷は治るから。あんたが私に刺した言葉の棘はいつまでもグズグズ膿続けるの。

2019年4月10日 19:16


#呟怖

春色のふんわりシフォンのストール。

君のお気に入りだった。

うきうき待ち合わせたあの交差点。

君は反対の歩道にいた私に手を振っていたね。

ヒラヒラヒラヒラ。

ストールは走って来た大型トラックのタイヤに巻き込まれた君ごと。

2019年4月9日 14:22


#呟怖

「あの日もこんな橋の上でこんな闇夜でしたね」

耳元で囁くその女の声に驚きもせず

「ああ」と返事をした。

周りに人などいないというのに。

2019年4月8日 20:18


#呟怖

やっと逢えた。先に逝ってしまっていた事を知らなかったから、随分探しました。ずっと黄泉の入口で待っていました。そしたら貴方を知って居る人がきて教えてくれました。

手をとってくれるんですね…嬉しい。え?血の涙?いいえ、これは私の愛の色。

2019年4月7日 19:11


#呟怖

「あそこのなぁ、山ん中にやなぁ置いてきたあれはどうなったかいなぁ」数日前からばぁちゃんはそう繰返す。家族は戯言だと取り合わずがあまりに幾度もいうから、ばあちゃんを連れてその山ん中まで行くと、ばあちゃんは斜面に隠れるようにあった祠の扉を開けた。中から子どものミイラが…。

2019年3月31日 15:05


#呟怖

さぁこれでいい、首から上が真希、胴体は沙織、右腕は香織、左腕は紀子、臀部は雅乃、右足は鹿乃、左足は、…あれ誰がいないんだ?ああ、自分が足りないひとりか…。

2019年3月31日 10:51


#呟怖

「もー、たっくんったら、おじぃちゃんの箱庭イタズラしてっ!あっ首だけ?カラダどこかしら?!あー、もう、たくま!!こっちきてごめんなさいしなさい!」


首だけの死体がある街で見つかった。

2019年3月31日 10:45


#呟怖

雪解けはとうとうなかったな。

君と僕の諍いは君の行方不明で幕引き。

まぁ僕にとっては君は行方不明なんかじゃないけど。

2019年3月28日 9:38


#呟怖

蔓草が首をもたげる先に小さな頭蓋骨。

虚ろな黒い2つの穴はまっすぐと僕をみている。

2019年3月28日 9:35


#呟怖

鏡に映る箪笥の抽斗はいつも少し開いている。

化粧をしながらその少し開いた抽斗を何気に視界に入るその抽斗は

振り返れば閉まっている。

2019年3月28日 9:31


#呟怖

最近さぁ~あ、歳なのかなぁ、虫さされの後がさぁ黒く残るのよォ、気が付いたらこんなに。今年は蚊が多かったのかしらねー。


オレにはその黒い跡は小さな動物の足跡に見えた。ネズミ?ハムスター?

君は子どもの頃酷いことしてたから…


そう言えばあんたも首が黒いわね、手形みたいに刺されて

2019年3月27日 8:28


#呟怖

君の手を離してしまった事が僕の人生最大のあやまちだった。

わざとじゃないよ、うん。

わざとなんかじゃない!

やめろ、やめてくれ、やめ、わ、あ、ああぁあ


同じことしただけよ…私もわざとじゃあないわ。ふふっふふふ。

2019年3月27日 8:19


#呟怖

ダァンダァンダァン。

深夜、静けさが全てを包む団地からそんな音が響く。

音はかなり大きく辺りを震わせていたのに、団地のまどにはあかりすら灯らない。

まぁ当たり前か…

此処は廃団地…自殺にはもってこいな場所。

ちなみに今は人が入れないように辺りはフェンスで囲まれている。

残響だ。

2019年3月25日 21:22


#呟怖

ぼんやりと旅行鞄を持ったまま辺りを眺めた。

私はどこに行けば良かったかな?

手がかりがないかと鞄を開ける。

ぞわわわわっと目の前に顔の沢山付いた黒いモヤがたちこめた。

口が動く。

お前みたいなろくでなしは地獄行きだよ。と。

2019年3月25日 12:14


#呟怖

確かに此処は、幾度も通って来た路のはずであった。だが、こんなものあったっけ?

あ、それともなんかイベントか?しかし、路の真ん中にもあるからな、邪魔だろ、手首から先が沢山落ちているなんてさ。

2019年3月24日 9:06


#呟怖

ふふふ、やーっとあなたと二人きり。嬉しいなぁ。

その大きな体、大きな手、どれだけこの時を待っていたろうか。

その眼も好きよ、濁りを帯びてもね。

2019年3月21日 23:49


#呟怖

私は長い間、鳥居から中だけで暮らしてきたのだけれど、最近だァれもこないしね、外ってどうなった?人、いなくなっちゃった?ってふと気になったの。でも、外にあれがあるからさ、出られないと思ってたけど、見に行ったら朽ちていたのよ、うん、鳥居ね。で、あなたが久々にあった人だったの。

2019年3月21日 23:45


#呟怖

隣人なんて居ない。

だってここ

墓地だし、墓石だし、壺の中だし。

2019年3月21日 23:37


#呟怖

私の運命の赤い糸。

私の半身。

もう寂しくない。

あとは1人になるだけ。

マスクの下の光る牙はその為についているの。

2019年3月17日 14:52


#呟怖

昨日凄く部屋が揺れてこの岩?が壁を壊したの。

もうずっと2人で長いこと外の空気?には触れてなかったのね、

ずぅっとほら、この上も下も横もコンクリートだったから、だから外の空気は…食べ物が沢山蠢いて居る匂いがして嬉しかったの。 2019年2月24日 23:39

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