ネコの気持ちになるですよ!

「うー頭痛っ」

 頭に何故痛いのか訊いてみると続々と昨日の記憶が蘇ってくる。隣で寝息を立てて眠る美女の寝顔を眺めて口角が上がってしまう。優さん抱いたんだった。優さんのイクところを思い出すとゾクゾクしてきた。よし、起きたことだしもう一回戦!

 眠る美女には口づけでおはようを。とその前に歯磨きしとこ…臭うって言われたら死ぬし。




 さて気を取り直して。顔を近づけた瞬間、優さんの目が開いた。

「うわあああ!!」

 美女は私を跳ねのけてシーツに包まって全裸の私と自身の身体で目線を往復させる。三往復ほどして状況を理解したのか私に一つだけ訊いた。

「…………ヤった?」

「昨夜はお楽しみでしたね♪」

 まあ私が一方的に愉しんだだけなのですが。

「………あああぁぁぁ………まじかぁぁ………」

「覚えてません?」

「うーん………あー………あぁー………ヤられた………」

「じゃあ思い出せるようにもう一度再現しましょうか?…こんな風に…」

 昨夜と同じように優さんの股を開いて秘部に舌を滑らせる。

「ううっバカっ!わかったから!ちょやめっ」

 優さんは本気で抵抗してきた。ああけどこれも興奮するし舌を止められない。

 また昨日と同じように太腿を腕で抱えて固定して舐め続けると次第に優さんも観念したのか腕の力を緩めて身を任せてきた。二回イッたかな?ってところで休憩することにした。




「思い出しました?」

「あー、うん、完璧に」

 優さんは枕に顔を埋めたまま答えた。

「あー私振られたんだった、あはは」

「…」

 そういえばそうだった。かなりショックを受けているみたいだけどその気持ちは一人に固執することのできない私にはよくわからない。セフレが一人減ったみたいな感じかな?それならまた見つければいいし、好みの子とならまた同じ気持ち良さを見つけることができるのに。     

一人だけを愛せる人間のことはよくわからない。けれど、落ち込んでいる美女とのセックスは一層興奮するし、傷ついたココロを私のカラダで癒していることを強く実感できて最高だ。抱くまでが大変そうだった優さんをあっさり気持ちよく抱けたことを元カレさんには感謝します。

「はあ…ああもうどうしよっかな…」

「セックスすればいいと思いますよ」

 辛いときは快楽に従えと多分ばあちゃんも言っていた気がする。

「くっ、あははっ、何それ、ほんと綾ちゃんブレないねっ」

 初めて見せた優さんの太陽のような笑顔が私を見つめてくれる。

「じゃあもっとエッチしていろいろ忘れよっかな、私元々レズだし、男なんて無理だったんだよね」

 そういうと私の上に覆いかぶさって優しく唇を重ねて…噛んできた。

「痛っ」

 驚いて痛いと声が出たけれど甘噛みだった。というか、あれ、これ攻められてる?私ネコ役?

「ちょ優さっん私ネコ無理っ無理だからっ」

 私を無視して次は舌を入れてくる。反撃するために舌で応戦しようとするけれど、優さんの歯で噛み止められた。さながら真剣白刃取り。優さんの口内に私の舌は届かない。

 優さんのディープキスは昨夜の寂しい女の子が自分を求めさせてくるような優しく積極的なものとは似て非なるもので、強い攻めが相手を気持ちよくさせるためのものだった。私のわずかな反応を見てイイ所を攻めてくる。舌先を吸ってくる感覚がなんとも気持ち良い。そういえば優さんも王子だった。そりゃ上手いはずだ。

 優さんに私の秘部に触れられる。

「お~凄い濡れてんね」

「ちょ、実況しないでくださいよっ」

 優さんは音を立てて私の秘部で舌を這わせる。唾液と愛液が混ざりあう音が響き快楽が昇ってくる。

「優さんっもうっ」

「まだイっちゃダメ、一緒にイこ?」

 そういうと優さんは自分の秘部を私の秘部にぴったりとくっつけた。

「はぁっ、動くね?」

 最初はゆっくりと優さんの腰が動いて気持ちいいところが擦れ合う。速度が上がるにつれて花弁同士が擦れ合ういやらしい音が大きく響く。身体の密着率が高くて上で腰を動かす優さんも気持ちよさそうにしている。

「ああっ、はあ、優さん、キスして」

「いいよ、んっ」

 テクニシャンの舌が私の口内を弄り回した後、再び花弁が擦り合う。めしべとめしべが混ざり合って、私たちの境界線が消えていく音とともに絶頂に達した。私が二度イったタイミングで優さんの腰が痙攣した。優さんも絶頂に達したようだ。




「今まで攻められた中で一番気持ち良かったかもです…」

「えへ、そう?一番とか言われると嬉しいな、綾ちゃんも上手かったよ」

 正直、レズ風俗で働く前はネコなんて死んでも無理だったけど、沙織さんに優さん、プロの方達は上手過ぎるテクの虜になってしまった。これが俗に言う快楽堕ちってやつですね。

「綾ちゃん優しいし気持ち良かったし元気でてきた、今日もがんばろっ」

 気が付くと時計の針は三時を指していた。これから出勤して、今宵も迷えるお姫様をエスコートする。その為にキングダムへ向かう。




「綾ちゃん、また、たまにでいいからエッチしよーよ」

「毎日でもいいですよっ、あと私、本名は綾香って言うんです、だから、今度からは綾香って呼んでくださいね?」

 笑顔で言うと優さんは私の名前を囁いてキスしてくれた。久しぶりだな、この感覚。こう思うのは何か私らしくないけれど、恋人みたい。

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女の子を抱くのが趣味なので仕事にしました。 @Yui_Asah1212

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