桜斎さんの詩はほんとうに、音楽のよう。軽快なリズム、ふくらむ想像、メロディーの哀愁、終わりを惜しむ寂寥。少年のファンタジーは現実に息づいているし、光の園は陰までもが賑やかしく、ガラスの要塞ははち切れそうな想いに満ちている。世界のとてつもない美を凝縮し、それでいながら声高に叫んだり力を振るったりもしない、静かで優しい詩が私を魅了して今もやまない音楽であり続けています。あなたが美しい音楽を愛する人ならば、自分の心の風景をきっとここでも見つけられるはずです。