20
「勝負ありだね。お願い、ミュートの
僕はオルダとの
「
オルダは僕に向かって右手をかざした。うごめく指の
「動かないで! そこまでよ!」
僕の後ろからミュートの
僕たちが近付いてもオルダは座ったままで、
僕たちを殺そうとした相手だ、ああしなきゃ僕たちは殺されていたと思う、……でも、僕たちは、この子が一番悲しむことをしたんだ、この子に取って一番大切なものを
「もう勝負は付いたわ。おとなしく
「お願い、話を聞いて」
僕たちの言葉にオルダは反応を示さず、ただ泣くばかりだった。
「ほら! 顔を上げなさい!!」
「……ミュート、そんなに強く言わなくても」
「はぁあ?
「いや、違うよ、だって、泣いてるしさ……」
「は! これだから男は!」
「ちょっと待って、それは
「うっさい!」
「本当に
オルダは顔を下げたままそう言った。
「ホントさ、羨ましい。生きたいのに死にたいよ。私も
この星を
恋に
「ちょ、ちょっと、なにわけ分かんないこと言ってんのよ……! いいからあたしたちの話を……」
オルダはやっと顔を上げてくれた。でもミュートを見上げるその表情は
「……今赤ちゃんが
オルダは両手の指を子供のようにいっぱいに広げると、地面に手の平を押し付けた。
「みんな潰れろ、みんなみんな、みんなみんなみんな、全部全部潰れちゃえ……!!」
オルダは子供の
あまりの揺れに立っていられなくて、僕はしゃがみ込んで地面に手を付いた。ミュートは
「あんた、
「
ミュートの問い掛けにオルダは
「みんなで一つになるの。みんなで
そしてオルダは笑い始めた。
「 は はは はははは ははは はは ははははは! はははは はははははは! 」
笑い声はどんどん大きくなっていき、それに合わせるように地面の揺れも
地面に
「……ちょっと落ち着いて!」
というミュートの声も。
「大好き」
「話を聞いて……!」
という僕の声も。
「愛してる」
オルダは
地面が
「ふ ふふ ははは ハックが殺される世界なんて あは あははは ありえない ふは そんなの 潰れろ 潰れろ
オルダの悲鳴のような笑い声と、大地の
本当に
こんなの最低最悪の
星が潰れるなんて、そんな
「……こりゃ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます