17
建物の
今までの
冷たい夜風が吹いて残っていた
ミュートは浅く激しく息をしながら全身に力を込め、歯を痛めるほど
オルダとハックが
ミュートの
――オルダはそこまで速く空を飛べない、ミュートの魔石なら当てられる――
――ハックは
――僕とハックの
――だって、あれは僕の身体で、僕のものなんだから――
――いくらあいつが魔法使いだろうと、僕の身体とそこまで強く
――その
――……もしかしたら……――
「あんたら!」
べらべらと
「見なさい」
そう言ってミュートは2人に腕を伸ばし、手に持つ物を
「これは
言うが早いか、ミュートは魔石を地面に
「あんたはこれで、
「……はっ、だからどうしたってんだ、てめえ自分の
「そうよ。目くらまし? そんなの私たちに必要ないわ。むしろ必要なのはあなたの方なん……」
「それともう一つ」
「あ?」「はい?」
「あたしは2つの魔石を同時に投げられる。1つのときと同じスピードで、それも正確な
ミュートは右手に2つの魔石を
「……もしかしたら……これでお別れかもだね。今までありがとう。バイバイミュート」、そんなサンデーの言葉が、ミュートの頭の中を何度も
ミュートは
「……なんであんなのを、好きになっちゃったんだろ」
深く長い
左足を踏み込み、
右手を大きく引き、
サンデーへの愛を込めて、
全身を投げ出すように、
全力の全力で魔石をぶん投げた。
「すかしてんじゃねえ! クソ
放たれた魔石は2人に
ハック自身一番分かっていた、この身体はかりそめのものだと、……なにせ
ハックのありようはそれくらい不安定だった。それも
ハックは自分可愛さに、
ハックはオルダに腕を伸ばし
ハックは胸を押さえながら声にならない声を上げ、ゆっくりと地面に落ち、
「……ハック?」
戻って来たオルダが
「……サンデー?」
ミュートの声もオルダと
2人の少女の
「………………僕は、いったい……」
その言葉を聞いた
背年の浮かべる表情を
「……ハック、ハック……
オルダは子供のように泣きじゃくり始めた。
オルダの頭はもう
そして
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