硝子の町 憤怒寛容
1
「ねえ、ミュート」
ミュートは
「なに?」
「僕、ミュートに出会えてよかったよ」
「なによ、
ミュートはカラカラと笑った。
「
「いいね、
「だから、聞かないって。でも、あたしは言っとこ」
「はは、そんな
「……あたしが死んだら、お
「…………どういうこと?」
「
「……ミュートって、たまに頭おかしいよね……やだよ、そんな、めんどくさい」
「な……めんどくさいって……。
「……
「聞かない。あーあーあー。聞こえないー。あーあーあー」
ミュートの
「
「どうしたの?」
「……
「大丈夫? ……口を大きく
「これが最後の
「……そうだよ。また旅をして、おいしいものを
「……そうだね。2人で
「うん。これが
「そんなことも言ったわね。……ホントにこんな
「あ、あれ見て」
近付いて行くと
仕方がないから、そこからは歩いていくことにした。ミュートはウマスギを
「……いいの?」
「……うん。戻って来れるかも分からないから。こんなところで
ウマスギは、僕たちの
「……言葉が
ミュートの声は、
「そうだね」
それから僕たちはしばらく
地面はかなり深いところまで
「
ミュートはポツリと言って、
「……まるで、あの
「だねえ、空でも飛んでるような気分だよ……」
歩く
だけど、先に進むと、うるさいほどのカラスの鳴き声が聞こえて来た。
ミュートは
「どうしたの?」
僕の
「……まるで本物の
「よく見えるね、ミュート」
「うん、目はいいから。……みんな
「……なんなんだろう。
「笑ってる? カラスが?」
「そう聞こえない?」
「あたしは、おかわり、おかわり言ってるように聞こえるけど」
「そうかなあ?」
感じ
夕日は地に
「……なに、女の子みたいな声出してんのよ」
「う、うるさいなぁ……」
足元には、
「……
そこには小さな
「……きっと
ミュートは
「……助かるかな」
「……
「……そっか」
「……あたしたちと同じだね。……最後は
ミュートの声は少し
遠くから見えていた大きな
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