7
「ねえ、サンデー。起きてる?」
夜中、ミュートに声を掛けられた。
「うん。起きてるよ」
僕は
「うるさくて、眠れない?」
「まぁね」
とミュートは窓の外を見たまま
「ダリ君が心配?」
その問い掛けに、ミュートは反応を
「あたし
「そんなことないよ」
「あたしに、なにができるわけでもないのに」
今度は僕が黙る番だった。言葉を探す。でも赤い光が
「ねぇ、ミュート?」
「なぁに」
「どうしてミュートは命に
「誰だってそうだよ」
それはそうかもしれない。でも団長やダリ君と命の
「ねぇサンデー」
「なに?」
「あんな木ない方がよかったのかな」
「それはそうだよ」
「じゃなくて最初から」
「最初から?」
「うん。そうだったなら。ダリは
「そう、なのかな」
「でも、
「ん、……うん、そうだね」
「どっちが正解なのかな」
「分からない、でも」
「うん」
「眠って、朝になったら、思い付くかもしれない」
ミュートはこちらに顔を向けて、
「そうかもね」
何故か、ミュートの姿が、ダリ君とダブって見えたような気がした。
翌朝、ミュートは昨夜の落ち込みが嘘だったように
朝食を
外に出るとやはり町は
僕たちは団長の
町の中央の広場は昨日に
忙しくて話を聞いてはもらえないだろうと思いながらも、僕たちは団長を探すことにした。なんだか
2人で建物の壁にもたれて、
「これって、ダリの
「どうだろ? これだけのこと1人でできるかな? それも
「
「んー、うん、
「そうだね。……
「ちょっと気まずいよね……」
いつの間にか、日が
「おい!」
突然、後ろから大声で声を掛けられる。振り向くと、
「ダリ!」
ミュートが
「聞いて!」
ダリ君も
「日が落ちる前にこの町から離れて!」
「なに言って……!」
ミュートはダリ君に
「来ないで!」
ダリ君は
「朝からのあれは、君の
「そうだよ! 今日で祭りを終わらせる! だから2人は逃げて!」
「ダメ! 絶対殺される!」
「殺されないよ! そのための
「いいから、やめて!」
「今日の終わりに、この町の祭りを終わらせる」
「
「僕はやるよ! もし、この町から出ていかなかったら!
「いいから、落ち着いて……!」
「
「どういうことよ!?」
「……話を聞いてくれて……、嬉しかったよ! さよなら!」
そう言い残し、ダリ君は
「待って!」
ミュートと僕は
「無理だよ。追い付けない」
「でも……!」
ミュートはこちらに振り返り、強い目を向けた。だけどすぐに肩を落として目を
「夜まで待とう。ダリ君を止めるんだ」
「いいの?」
「多分、止めたってミュートは1人でも行っちゃいそうだし。それに僕だって止めたいから」
「そっか。でも、
「分かんない。でも」
「でも?」
「行かなきゃもっと
「うん!」
僕たちはダリ君との
僕たちは
だけど、広場に着いた瞬間、僕たちはその場に
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