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「それって何かの冗談?」
僕たちはお互いに名乗り合った――僕はその場でもらった名前だけど――後、日が落ちてからも、暗くて何も見えなくなるまで歩き続けた。今夜は
これからの予定を話し
それを聞いたミュートの反応がさっきの言葉というわけだ。
「いや、本当なんだ」
「いくら
「なんて説明したらいいのかな」
「投げ付けるなり、
ミュートは
うーん、やっぱり
「えっと、まずね」
「うん?」
「この
「ていうか、食事のときぐらい
「それができないっていうか……」
「何よ? はっきりしなさいよ!」
「中身がないんだ」
「そんなわけ……うわ!」
僕は顔のバイザーをパカッと
「えっ? 中身ないじゃん!」
「うん」
「うんじゃない! 心臓に悪いわ!」
ミュートは頭の回転が速いのか、
「ごめん、驚かせて……」
「いいけど……これってどうなってんの?」
「うーん」
「あ、ごめんね。聞いちゃいけなかった?」
「いや、そんなことない。ただ信じてもらえるか分からなくて」
「いいから話しなよ」
「うん。この
「
ミュートの顔は心なしか青ざめているようだった。
「だって……生き物を生きたまま魔石にすることはできないはずでしょ……。人間の、それも
「それが分からないんだ」
「分からない? 好きでそうなったわけじゃないのね?」
「
「……いや、
「まぁなんとかね。それで僕はある人を探してるんだ。この身体のことを知るために」
「魔女ね」
「どうして分かったの?」
「そりゃあ、そんなことできるのはこの
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