17F 兎と亀と絡繰人形 3

「恐ろしいくらい普通に終わりましたな」

「ですわね」

「だな」


 二学年全員参加の綱引きと玉入れ。ダルちゃんがノートに記録してくれている結果をゆかりん氏と勘助氏と覗き込みながら眉をうねらせる。いずれも結果はチームの総合力がそのまま出ましたといった具合。


 玉入れの順位は青組、赤組、黄組の順。


 綱引きの順位は赤組、青組、黄組の順。


 出だしこそ黄組の得点数が一番多かったが、今やそれを抜いて総合得点数一位は赤組、皆の奮闘の甲斐もあって僅差で二位が青組、黄組とは競技を重ねる毎に点差は着々と開いていっている。


 玉入れも綱引きも参加してはいたものの、解説席で自由に煎餅貪っているようにやる気薄気な黄組二学年の最高戦力、野胡桃のぐるみ風夏ふうか生徒会長が全く動かない事が原因なのだろうが、嵐の前の静けさのようで大変に不気味である。


『次の競技は午前中の最終競技となります借り物競走ッ! 参加選手は集合場所へ早急に移動をお願い致します‼︎ いやぁ会長、これまでを振り返ってオッズ通りの展開といった具合ですがいかがでしょうか?』

『昼飯どげんするっちゃかのー……鍋焼きラーメンがええぞな。おーい、あてが土鍋持って来ろ。最近買ったが生徒会室にあるぞね。そん以外はイヤじゃき』

『えぇ我ら黄組も頑張って欲しいですね。最下位を脱したいところです』


 最下位を脱したいところじゃねえよッ、不審な実況しやがって、絶対に何か仕込んでやがるッ。しかもオッズ通りとかなんだよッ。賭けてんの? 個人的賭け事ならまだしも賭博行為可だっけうちの学校? 生徒会長に至っては昼飯の事しか考えてやがらねえ‼︎ 生徒会室を私物化してやがるしッ‼︎


「……団子殿」

「は、はわっ、買収行為はなかったみたいだよっ、流石に体育委員は公平にが信条だねっ!」


 失せていたスポーツマンシップがどうやら体育委員にはあったらしい。団子殿の調査結果を聞き小さく頷き親指の爪を噛む。例え買収行為に手を出していなくても、何か考えがあるはずだ。


 借り物競走、各組から参加者九人。くじの引き直しはなし。借りられないとなれば強制三着。ある程度毎回順位がバラける事を考えれば、最悪一着を五回取らねば借り物競走で一番の得点にはならない。それも青組と赤組が足を引っ張りあっての場合だ。


「どう思うよソレガシ?」

「どうにもこうにも、何か仕込みはあるのでしょうが今はさっぱり」

「一応事前に集められそうな物は青組の休憩所に集めましたわ。くじを引いて、ある物は休憩所にいるダルカスさんやりなっちさんに言えば投げてくれますわよ」


 第一走者が位置に着き、合図と共に走り出すのを眺めながらも周囲に目を這わす。何を仕込んだ? 特別変わった所などない。くじを引くのも用意されている三つの簡素な紙の箱。休憩所には赤組達も借り物競走の為にか色々な物を持ち寄って……色々な……。


「……黄組の休憩所だけおかしくね? さっきまであんなのありましたかな?」

「応援合戦で使うんじゃないの?」


 賀東ガトー殿が凄い真っ当な意見をくれるが、絶対に使わなそうな物まで見えるんですけど? ハングライダーとか、サーフボードとかあるんですけど? まさか……まさかまさか……ッ。


『あっとこれはどうしたことでしょうかぁ? くじを引いた赤組と青組の選手が膝から崩れ落ちたぞぉ‼︎』


 わざとらしい実況を聞き肩を跳ね上げ顔を向ければ、くじを握り締めたまま膝を着いている赤組と青組の選手。黄組の選手は意気揚々と黄組の休憩所まで走って行き、その背を赤組と青組の選手の絶叫が追う。


「食虫植物とかどこにあんだボケェッ!!!!」

「戦車は借りられねえだろッ‼︎ ご丁寧に名前まで指定されてやがるしッ‼︎」


 やったね、やりやがったねッ。黄組の休憩所にウツボカズラの鉢とM1エイブラムスの模型が置いてあるねッ。借り物はある程度条件満たせば本物じゃなくてもいい訳ねッ。黄組の選手は休憩所から借りたガスマスク手に走ってやがるしッ。確信犯だねッ。やったねッ。


「おいおい買収してねえんじゃねえのか⁉︎ 仕込みが完全に黄組寄りだぞ⁉︎」

「はわわ⁉︎ でででも物品の管理は体育委員が事前にしっかりやってたってっ」

「……なら直前にくじを増したのでは? どの箱から引こうが黄組が有利になるように、事前に用意されていた箱の中にくじを足すだけなら人員も物も場所も時間もさして必要ではないですぞ」

「ありえるッ! どうする今から訴えるか?」

「無理でしょうね。元から入っていたくじと新たに加えられたくじを選別するだけでも時間が掛かりましてよ? ただでさえ時間決められている競技の中でそれ程時間取る作業を体育委員が認めるとは思えませんわね。黄組が上手かった、それだけの話」

「ちょッ、次私の番なんだけど⁉︎ 負けるの分かってて指咥えてなきゃいけないわけ⁉︎」


 賀東殿の叫びを耳にしながら、ガジガジと親指の爪を噛み頭を回す。箱の数は三つ。おそらくどれにもくじが増されている。使う器具、道具を体育委員が準備し纏めて置いている以上、仕込むにしても明らかに怪しい動きは無理だろう。


 くじを足しただけなら……賀東殿の肩を叩き、弾き出した答えを耳打ちすれば賀東殿は勢いよく振り返る。


「は、はぁ? そんなことで大丈夫なわけ?」

「多分ですけどな。賀東殿の足なら黄組ぶち抜けますぞ。条件さえイーブンなら」

「……おっけー、信じてあげるよ」

「なに言ったんだソレガシ?」

「別にたあいないことを。箱の底近くまで手を突っ込んでくじを引いてくださいとな」


 スタートの合図と共に走り出した賀東殿の背を見つめる。箱の中に手を突っ込み、引いたくじを広げ賀東殿は数瞬突っ立っていたが、すぐに口の端を持ち上げるとそれがし達の方に振り向き、親指立てた拳を掲げ走り出した。


「なるほどですわね! 箱が今日まで体育委員に管理され持ち出されていないなら、くじを事前に足したとしても上側に集まっていて下側には元から準備されていたくじが溜まっていると。選手宣誓で誰かさんがやらかしてくれたおかげで体育委員も目を光らせていますし、くじを足しても箱を振って掻き混ぜるような目立つ行為は無理と山を張ったと。お見事!」

「応急処置的な策ですけどな。事実黄組優位に変わりはないですぞ」


 一着でゴールし此方に振り返る賀東殿に小さく手を振り、すぐにまた親指の爪を噛む。事前に用意されていたくじを引けても、黄組は関係なく一番上側にあるくじを引けば仕込んでいた己が優位なくじをどの箱からも引ける。


 さてどうするかと頭を回す中で、それならとばかりに勘助氏が指を弾く。


「問題ないぜ! ここから三人分ちょいと使わせてくれ。三つの箱にそれぞれ走ってって、くじを引く前に手を突っ込んでサラダ混ぜるみたいにくじを掻き混ぜるとしようぜ。底のくじは残すように真ん中のくじと上のくじをいい感じでさ」

「そうなると赤組、黄組より早く箱まで走り辿り着けなければ意味ないですわね。一つの箱を狙われ続ければその策も無意味」

「次は胡麻さんでその次は俺だぜ? 問題ない。あと一人分先に着けた奴が混ぜてくれれば、条件は対等に戻る。ただそうなると最後の方の奴らに掛かってきちまうんだが」


 第九走者はゆかりん氏、最後はそれがし。ゆかりん氏と目配せして小さく頷く。勘助氏が言うのと同じ、問題ない。スタート地点へと向かって行く団子殿や勘助氏を見送りながら少しばかり呼吸を整える。


 宣言通り、団子殿も勘助氏も一番にそれぞれ別の箱に駆け寄りくじを掻き混ぜくじを引く。団子殿こそ三着だったが、勘助氏はくじを混ぜる時間があったにも関わらずちゃっかり一着を取っていた。それより少しの間最後の箱を混ぜるまでに時間は掛かったが、これまでの七回、一着の数はそれぞれ黄組が三つで赤組青組二つづつ。


 ゆかりん氏とそれがしが黄組より先にゴールし、一度も一着取らせなければ、それで黄組は終了ゲームセットだ。


 無論それだけでもなく──────。


「あらあらレンレンさんがお相手とは相手に不足はありませんわね? わたくし様とソレガシさんが一着を取れば赤組とも得点数ひっくり返りますわ! 負ける気は微塵もなくってよ?」

「ゆかりんには悪いけどあーしも負ける気皆無だし……ソレガシはソレガシだから相手にもなんないだろうしね」

それがしが勝てない理由の適当具合に草…………ギャル氏ー、ギャル氏無視ですかなぁ?」


 完全にそれがし透明人間状態ですね。ぷいっとそっぽ向いて全然こっち向いてくれないし。いつもの調子で話し掛けられてもそれはそれで困惑するが、何と言うかいささか寂しい。


 スタート位置に着いたギャル氏はもう振り返ってはくれず、小さく肩を落とせば視界の端で揺れる白い髪。グレー氏かと思ったが、その位置の低さに目を瞬く。


「……ずみー氏」

「ハロハロ〜同志! 同志と勝負すんのさり気初めてだよな〜って。あちきも緊張するぜ〜」


 借り物競走が始まった時こそ見当たらなかったのにいつの間に隣に。ずみー氏に落としていた顔がスタートの合図に引き戻される。少しダボついたジャージ姿がずみー氏に全く似合っていないのはさて置き、予想外の対戦相手に少しばかり動揺してしまう。


「同志は誰が勝つと思うよこの第八戦」

「……ゆかりん氏」

「……そっか〜、セイレーンって言うと思ったけど……そっかそっか〜」


 自己完結するように何度も小さく頷くずみー氏に目を落とす。どんな答えを弾き出したのか知らないが、この第八戦はギャル氏が勝つ可能性がそれほど高いとでも言うのか? 眉をひそめれば、前を向いたままずみー氏が「あっ」と小さな声を漏らす。


 前に差し戻した顔の先。くじを開いたままギャル氏は突っ立ち動かない。黄組の用意した鬼畜くじでも引いたのか、黄色っぽい瞳が宙をしばらく泳ぐと、


「……ふぁ?」


 それがしに僅かばかりの時間突き立てられ、身動ぎもせずに腕を垂れ下げると諦めたように赤組の休憩所へと足を動かす。借り物を借りられないと見ての棄権。


 何故だ?


 首を僅かに傾げれば、右手で目の上に手をかざし目を細めていたずみー氏が隣でぽつりと呟く。


「…………フェイスマスクみてえだぜ。セイレーンの引いたくじ」

「そのピンポイントなくじ入れたの誰ぞ」


 それがしは持ってるけど普通持ってねえだろ。黄組の仕込んだくじかは知らないが、それがしの持つフェイスマスクは元はギャル氏がくれた物。違う組同士とは言え借り物競走。ルールを逸脱しない以上はそれがしは物ぐらい貸すのだが。


 一つ言いたい。個人攻撃みたいなくじを入れんじゃねえ。だいたい持って来てんの黄組もフェイスマスク?


「オーッホッホ! やりましたわよぉ‼︎ 後は全てをたくしましたわソレガシさん‼︎」

「ハードル走でもないのにハードル上げる意味」


 最後の競技は最後の競技でも、これ『午前中』の最後の競技なんすよ。まだ半分あるんすよ。最終決戦はまだ大分先。しれっと危な気なく一着を取り高笑いしているゆかりん氏に苦笑を返し、スタート位置へと足を運ぶ。


 隣に並ぶずみー氏と、名も知らぬ黄組の生徒。とは言え最後の第九走。これで黄組が一着を取らねば計算が狂うからか、威圧的な表情を浮かべている。赤組最後の走者がずみー氏なのは意外だが、普通に考えれば陸上部などの足に自信がある者だろう。黄組はおそらくそのタイプのはず。


 スタートの合図であるピストルの音が鳴り響き、ずみー氏を置き去りに黄組の第九走者と並び箱を目指してひた走る。ほとんど黄組の選手と同時に箱の前まで走り寄り、手を深く突っ込み掴むはなるべく底にある白いくじ。


 横でくじを開く音が響き、「くそっ」と吐き出される呟き。黄組は仕込んだくじを引けていないッ! ならば後はそれがしの引いたくじ次第! 黄組の鬼畜くじ以外を引けばイケるッ‼︎



『生徒会長の土鍋』

「ファァァァァアアッ⁉︎ 意味不ッ⁉︎ 個人攻撃禁止にしろやッ⁉︎」



 よりにもよって黄組最高戦力から鍋を借りろは大草原ッ⁉︎ 元からあったくじ⁉︎ 黄組の仕込み⁉︎ どっちだ⁉︎ いやどっちでもいいッ‼︎ この際形振なりふり構ってはいられんッ‼︎


 崩れそうな体を持ち上げて実況解説席に向けて走る。椅子に座り、借り物競走始まる前に持って来いなどと言っていた土鍋を目の前の簡素な机に置く生徒会長の前へと。


 掛ける四角い眼鏡を光らせている実況者はガン無視し、緩めのジャージに生徒会長と描かれた腕章を右腕に巻き。薄っすらと色素薄いのか、赤毛や金毛、茶毛、白髪とグラデーション掛かった長い黒髪を揺らしギザギザした歯を覗かせながら見上げてくる会長殿を見下ろす。


「会長殿鍋貸してくだされ」

「イヤじゃき」

「ですよねー」

『あぁぁぁぁっとお断りだぁぁぁぁッ‼︎』


 うるせえな‼︎ 一々実況しなくていいんだよ‼︎ 時間がないんだよ時間がッ‼︎ 興味なさげにあっちに行けと手で払ってくる会長殿に唸り声を返し拳を握り掲げれば、先程と打って変わって、ギザギザした歯が覗く口をひん曲げて深い笑みを浮かべると、会長殿は椅子を倒す勢いで音を立てて立ち上がる。


短気なはしかい男じゃき、おまんはあてにもうおじかんぞね? わんぱくわりことし坊主は嫌いちゃあねいが。馬鹿馬鹿しいあやかしいことこそまっことしょう楽しまんといけんぞね。時勢に応じて自分を変革せい。こじゃんと人おっては埋もれんだけじゃき。ん〜? おまんは目暗めとろ放蕩者ろっぽうぜよ? えいが?海ん溺れるよぼる偏屈者いのつちや? そいが渡る船頭ぞね?芯に響かん くすぐったいこそばい拳はいらん。叩いてみちゅうき。あてを捕まえられるとこまえるぞね? 久々が飢えたかつえる挑戦者じゃき。来よう」

「な、なんて?」


 なに言ってんのこの人? 満面の笑みで超怖い。これでどうやって会長選勝ったの? 異世界の人? 翻訳魔法誰か使ってくれッ。ただ、話の中で少なからず分かる部分がある。癪だけどありがとう爺様。時代劇観まくったおかげで誰ぞの名言口遊んでるのは分かるわ。


 かつて日本の未来を描いた日本きっての革命児の一人。


「……竜馬ですかな?」

「ほぅ分かる?『竜馬がゆく』は愛読書が一つぜよ。知っちょうねや? 退屈は敵じゃき」


 嬉しそうに骨を鳴らし拳を握る会長殿との取り合わせの酷さよ。この人下手したら学校で一番喧嘩っ早いんじゃないの? ギャル氏も理不尽な時あるが、会長殿も中々酷い。だがしかしッ、それがしもここで引く訳にはいかない。会長殿がやる気なら、競り勝てれば土鍋を借りられるはずだ。


 会長殿を見つめたまま握った右拳を振り上げる。


「やらいでかッ‼︎ じゃぁぁぁぁんけぇぇぇぇんッ‼︎」

「へ? は? いやっ」

「ぽん」


 会長殿はグー。それがしはパー。勝敗は決したッ‼︎ 誰が何と言おうが決したのだッ‼︎ 体育祭の借り物競走中に殴り合いなどノーサンキューッ‼︎


それがしの勝ちですぞ! 鍋借りまーす!」

「ず、ずるぞね‼︎ 待ちーや馬鹿者べこのかあッ‼︎」

「負け犬の遠吠え乙」


 付き合ってられるか‼︎ それがしはもう土鍋借りてくぞ‼︎ ガシッと会長殿の目の前にある土鍋を掴んだ途端、ジリジリとした痛みが両手を襲う。よく見たら土鍋の下にもうカセットコンロセットされてるじゃあ〜りませんか。「空焚き中ぞね」と微笑を浮かべる会長殿に引きった口端を向け、土鍋を掴んだまま身をひるがえす。


「ちゃはは! 火傷も気にせんちや! おまんは本物の馬鹿者べこのかあぜよ‼︎」


 炎冠ヒートクラウンの炎の中より全然マシだ‼︎ と、自分に言い聞かせ背後で会長殿の絶叫混じった爆笑が響く中ゴールに向けて足を出す。一歩、二本。


『ここで入柿いりがき選手が一着でゴォォォルッ‼︎』

「うそぉ」


 

 ──────ガシャリッ。



「あてのおニューの土鍋ちゃんがぁぁぁぁッ⁉︎」


 くじを引いてすぐに走り取って来たのか、一枚の紙を手にゴールに佇むずみー氏がそれがしに振り向く。握る紙を見ても何のお題のくじを引いたのかさっぱり分からず呆然と佇むそれがしの目の前を通り過ぎる手前でずみー氏はぴたりと足を止める。


「順番くる間にね、グラウンドにある物全部スケッチしておいて、その紙赤組の皆にそれぞれ持たせちゃったりしてたんだよね。めちゃんこ裏技的だけど。黄組よか優しいだろう? まぁさ、そのさ、あちきも勝ちたいんだよね今回は。だからさ、同志はあちきが美術館に連れてっちゃうぜ〜!」


 微笑み走り去って行くずみー氏の背を見送り、火傷した親指を持ち上げ舐める。ずみー氏と美術館とは楽しそうではある。友人からの折角の誘い、本当なら断る事もなくご一緒したいが、体育祭で賭けられては負ける訳にはいかない。


 この火傷は意外だなんだとずみー氏を甘く見たそれがしへのむくいだ。


 午前中の競技を全て終え、現在の総合順位は変わらず赤組、青組、黄組の順。


 午前中以上に午後は突っ走らなければ追い付けない。騎馬戦に棒倒し、男女混合リレーと負けてはならない勝負ばかりが控えている。


 身をひるがえし、長い髪をうねらせそれがしのすぐ背後に立っていた会長殿を目に笑顔を向け、今一度身をひるがえし全力をもって突っ走る。


『はい、では昼休憩です』


 昼休憩どころかこのままじゃ食べ物の恨みに祟られて永久にお休みしちまうよぉッ!!!!



 

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