11F 黄金週間

 遂にこの時が来てしまったッ。友人の家にお泊まりなるイベントがそれがしの学生生活の中に存在しようとは驚きである。生まれてこの方十六年、よく考えればまともに友人の家に訪れたのは数日前にギャル氏に道場に引き摺り込まれたのが初ッ。


 初のお泊まりイベントもギャル氏の家の道場とは、深い縁を感じる。圧倒的ッ、圧倒的なそれがし得状態ッ。


 小学生の遠足の時以上のドキドキワクワクで一睡もできなかったが、全く疲労感を感じない。断言できる。今のそれがしは世界最高峰の無敵の人であるとッ。例え隕石が降って来ようが、今日からのイベントを中止にしない為ならば受け止める自信すらある。


 ただ問題が一つ。ギャル氏の家に辿り着いたのはいいのだが、道場へと入るべきなのか、家屋のインターホンを押すべきなのか。


 この二択が大きな問題だ。


 宿泊する以上遅かれ早かれギャル氏のご家族には挨拶をするべきだが、まだ来ていないクララ様とグレー氏を待って一緒に挨拶するべきか。だが、既にそれがしは着いてしまっている以上挨拶をしないのも変である。だがしかしッ、最初にエンカウントするのがギャル氏じゃなかった場合怒られる気がしないでもない。


 どっちが正解? どっちが正しい?


 頭の中をぐるぐる泳ぎ回り決め切れない二択。口元のマスクをズラし親指の爪をガジガジと噛んでいると、それがしの答えを待つより早く道場の扉が開かれる。ちょ待っ心の準備がッ⁉︎


「あれ? 姉様の彼氏さんじゃないですか。今日から来られるとは姉様から聞いてましたけど早いですね」


 開いた扉の奥に立っていたのはギャル氏の妹殿である梅園うめぞの鈴芽すずめ。揺れる黒髪のポニーテールと道着姿を目に親指を素早く口元から外し、携えている菓子折の包みを持ち直す。


「これは鈴芽殿、おはようございますですぞ。空手の朝練ですかな? 今日からご厄介になるので心ばかりの菓子折を。後でご家族達とご賞味くだされ」

「これはご丁寧にありがとうございます! 道場の前にいるなんて気合い入ってますね彼氏さん! うちの道場に通ってる子達もGWゴールデンウィーク中は稽古に使うので狭いとは思いますけど」

「全然全然! 気にしませんぞ! ただ一つ言う事があるとすればそれがしはギャル氏の彼氏殿ではなくただの友人ですな」

「えー? ただの友達が朝の五時半から道場の前に居ますか普通?」


 大きく首を傾げる鈴芽殿に合わせて首を傾げる。午前中の内には集合という話で集合時間など特別決まっていなかったのだが、流石に早過ぎただろうか? 正確には三十分くらい前からいたのだが、二択の迷宮に迷い込んでしまい地蔵のように立つ事しかできなかった。


 鈴芽殿はそれがしの差し出した菓子折の包みを受け取ると、それがしの全身を見回して小さく頷く。


「彼氏さん朝ご飯もう食べました?」

「まだですが……それよりそれがしは彼氏殿では」

「もう私は彼氏さんと呼ぶと決めました! 珍しく姉様を揶揄からかえそうだし、道場の宿泊料金代わりに協力してくださいよ!」


 強引だなおい。しかもあのギャル氏を揶揄からかうとか、髪色が違くとも鋼のような強情さからギャル氏との血の繋がりを感じる。


 道場の扉を閉めると鈴芽殿はそれがしの腕を引き家の玄関の方へと向かいそれがしを中に押し込んだ。鼻を擽る木の匂いに混じる他人の家の匂い。


 ギャル氏の家もそれがしの家同様に純和風の家屋のおかげで少しばかり気が落ち着く。


「彼氏さんもどうせなら一緒に朝食食べましょうよ。とは言えこれから作るんですけど」

「鈴芽殿が? ならそれがしも手伝いますぞ。ご厄介になりご飯まで貰うのですからそれぐらい」

「彼氏さん料理できるんですか?」

「少しばかり」


 両親が共働きであるだけに、それがしも妹も多少の料理の心得はある。異世界でこそ宿泊料金払っているだけにダルちゃんに任せていたが、偶には腕を振るうのも悪くはないだろう。何より妹が中学生になるまではそれがしがほとんど台所番だった。


「にしても鈴芽殿が食事当番とは、梅園家もご両親は忙しい感じですかな?」

「そんな事ないですよ? 朝早くに道場を使っていい条件に、花嫁修行も兼ねて朝食作れって」

「鈴芽殿は……空手好きなんですな」


 ギャル氏と違ってとは言わずに言葉を切る。見たところ中学生の鈴芽殿と同様に、ギャル氏も中学生の頃はそうであったのか? 日が昇るよりも早く道場で鍛錬していたと見える鈴芽殿の熱意に舌を巻く。


「いや別に……ただ姉様に勝つのが目標なんで」

「なんという無理ゲー」


 空手別に好きじゃないのにギャル氏に勝つのが目標ってなに? 思わず声に出してしまい、これはいけないと小さな咳払いをすれば、怒る事もなく鈴芽殿は小さく笑った。鈴芽殿自身も同じように思ってでもいるのか、どこも引き攣っていない迷いない笑みにそれがしの方が気に掛かる。


 今や武神の眷属でもあるギャル氏に空手で勝つ。スマホがあればすぐバレると、前に来た時ギャル氏が言った通り軽くギャル氏の名前で調べればすぐに出た。中学生の全国大会三年間無敗で全勝だったよマジで。空手の鬼、蹴り技の姫を生み出した城。それが正にここだ。


「だから彼氏さんのこと彼氏さんて呼んでいいですよね?」


 何が『だから』なのかは知らないが、多分拒否しようがギャル氏の妹ともなれば勝手に呼ぶなもう。なのでさっさとそれは諦める。


 玄関で草履を脱ぎ荷物を置いて、少しばかり歩けばすぐに辿り着く畳敷きの大きな居間。足が短く横に長い食卓机が中央に鎮座している居間はそれがしの家によく似ている。


 飴色の箪笥たんすに混じって机の前にぽつんと座っている小さな影。背筋の伸びたその佇まいと、しわに覆われた手の姿に今は亡き爺様の姿を幻視する。


「婆様、姉様の彼氏さんがお見えになられたよ。ほら、今日からGWゴールデンウィークの間うちに泊まるっていう一人」

「ほ、本日からご厄介になりそうろう! 誠に感謝する次第に御座いますればっ、未だそれがしは精進者の身であればこそ用事を申しつけて頂ければそれがしの腕の一つや二つ」

「彼氏さん?」


 慌て正座に座り口から出るのは何とも時代錯誤な言葉の数々。いかん。緊張の所為で爺様と親父殿に刷り込まれた外に出したくない部分が出て来やがったッ。おのれ時代劇ッ、それがしの記憶の棚の中に居座りおってからにッ。


 そんなそれがしの事などまるで気にしていないのか、ギャル氏達の婆様はそれがしの方にゆっくりと顔を向けると小さく目を開き一言。


「……っ様かい?」


 なんでや。嘘だろ? それがし見てお爺ちゃんって言った? いくら何でもそれがしそこまで老けて見えねえだろ。まだ十六だぞ十六。「あー」と鈴芽殿は小さく声を上げて、正座するそれがしの肩が叩かれる。


「ごめんね彼氏さん、婆様少しボケてきててね? じゃあ婆様私達朝ご飯の支度しちゃうから」

「えーっと、失礼しますぞ」

「うむ。頑張ってくださいよ爺っ様」


 だからそれがしはお爺ちゃんじゃねえ。ギャル氏達の婆様の言葉を聞き流しながら台所に向かう。鈴芽殿が冷蔵庫を開けるので横から覗き見れば、如何にも和の食材が詰まった冷蔵庫の中身。鈴芽殿に聞こえないくらい小さく舌を打ち、手を洗ってから手を伸ばす食材は卵。


それがしほオムレツでも焼きますかな」

「その感じでまさかの洋食⁉︎」

「何を言うかと思えば鈴芽殿、それがしほ洋食しか作れんぞ。フランス料理が専門ですからな」

「……嘘?」

「なんでや。フランス料理は世界三大料理の一つやぞ!」


 家に居たら和食しか食えない以上、自分で作る以外にもう道はなかった。親父殿や御袋おふくろ殿に目くじらを立てられる中で作り続けた洋食。三味線と言いフランス料理といい、それがしが反抗の中で勝ち取った数少ない自慢の一つ。その反動か妹が和食党になったのは残念だが。


「パンも焼けますぞそれがし。ただその代償で釜で白飯が炊けないですが」

「炊飯器使いましょうよそこはっ。か、彼氏さんおもしろッ。それだと味噌汁じゃ合わなさそうですね」

「出汁巻き的な味付けにするので問題ないですぞ」

「それもう卵焼き作った方が早くないですか?」


 言うなそういう事をッ! それがしの妹と同じ事言いやがって! 二人で台所に立つと妹は頑なに和食を譲らないからな。おかげでフランス料理なのに味付けは白飯に合うようになっちまったよクソがッ。


「はぁ、さてさてそれではそれがし流オムレツ作成といきましょうぞ」


 ため息と共に卵を割って容器に入れ、出汁を加えて溶いてゆく。


 泡立て器を使いよく溶いたら、ザルを使って卵液をし更に目を細かく。火を掛けた小さめのフライパンにバターを投入、バターが全て溶けたらした卵液を投入し、フライパンを揺らし表面を均一にしながら素早く掻き混ぜ放置。


 半熟になったら火から外し、事前に用意していた濡れ雑巾の上に置く。そのまま何度かフライパンを叩いて表面を均した後にフライパンに張り付いている卵の端をヘラで削ってやり、フライパンを傾けながら揺らし、ヘラで折り畳むように丸めてやれば完成。オムレツこそ料理の腕の見せどころだ。


「うわっ! これ見たことありますよホテルで! 匂いは若干卵焼きだけど!」

「一言多いですぞマジで。兎に角これで一人前。後何人前?」

「五人前だ」


 背にかかる人数を告げる声。聞いた事のない張りのある女性の声に、幼少の頃武芸十八般を押し付けてくれた鍛錬中の親父殿の声を思い起こす。背筋を小さく跳ね上げ振り返れば、鈴芽殿を大きくしたような髪を結っていない女性が一人。


 ギャル氏達の母親で間違いなく、第一声でもうそれがしの苦手なタイプだと察した。ギャル氏達の母殿は、数歩某それがしの方に歩み寄るとオムレツを覗き込みそれがしの肩を叩く。


「へぇ、貴方鍛えてるのね。この前道場で三味線を弾いていたのは貴方かな?」

「は、はい、まぁ……」

「今日も持って来た? なら夜に少し弾いてくれ酒の肴になりそうだ。その時に詳しい話を聞こうじゃないか」


 何をとは聞けず、動けずにいるとギャル氏達の母殿は居間の方へと戻って行く。やべえ怖いよッ、詳しい事って絶対異世界に行ってていなかった三日間の事だ。


 友人の家にお泊まりイベントが嬉し過ぎてすっかり失念していたッ。もうここに踏み入ってしまったという事は逃げ場のない裁判所と同じ。血の気の引いてゆくそれがしの顔を鈴芽殿の笑顔が覗き込んでくる。笑ってんじゃねえッ!


「私も聞きたいなー!」

「おいやめろ馬鹿ッ、五人前ですぞ後五人前さっさと作っちゃいましょう」


 夜までにまだ時間はある。それまでにギャル氏と共謀して言い訳を考えるしかないッ。今は兎に角オムレツだッ、胃袋を掌握するのだ! 少しでも点数を稼ぎ夜の裁判イベントの難易度を下げろ‼︎


 そうしてできたオムレツは、我ながらなかなかの出来。のはずであるが、「それじゃあ運んじゃいましょう!」と元気の良い鈴芽殿の言葉を合図に冷や汗が噴き出す。


 嬉しイベントが地獄イベントに変貌しやがったッ。


 何故某それがしは一人だけ料理漫画のバトルシーンみたいな一幕を演じなければならないのかッ。ギャル氏達の婆様はいいとしても、両親が待っていると思われる居間は戦場も同じ。「プシィッ」と一度息を吐いて思考回路を切り替えて後ろ髪引く想いを引き千切る。


「お待たせしましたぞ!」

「ようこそ我が家へ泥棒猫くん」


 居間に料理を手に飛び出せば、間髪入れずに返ってくる野太い声。食卓机に肘を付き、顔の前で手を組んでいる眼鏡を掛けた男が一人。言わずもがなギャル氏達の父親で間違いない。泥棒猫とは穏やかじゃないと笑顔を凍り付かせたままオムレツを食卓机の上に並べれば、男は続けて口を開く。


「娘はやらんぞッ」

「いや別にいりませんけど」

「ん?」

「ん?」


 二人揃って首を傾げてオムレツを並べ終えたので屈めていた身を起こす。


「聞き間違いかな? 今いらないと聞こえたのだが?」

「いや、そう言いましたぞ確かに」

「ん?」

「ん?」


 今一度二人揃って首を捻っていると、ギャル氏の家族最後の一人と言うか、ギャル氏本人がようやくヨタヨタと居間に向けて歩いて来る。


 「おーはー」と口遊くちずさむギャル氏は、結われていない青い髪とファンシーなパジャマを揺らし、眠たげに目元を擦っている。挨拶しようと手を挙げるその刹那、ヒビ割れた傷跡を走り抜ける悪寒。その悪寒を追うように顎の下に手を伸ばし、下から打ち上げられるギャル氏達の親父殿の拳を掴み取る。


「なにッ⁉︎ そこまでして我が娘の寝起き姿が見たいと言うのか⁉︎ 我が拳を受け止めるとはッ、おのれ何奴ッ⁉︎ 」

「貴殿の娘殿の友達ですぞ。GWゴールデンウィークの間お世話になります。ギャル氏の寝起き姿とか見たいか見たくないかで言えば……残念ながら凄く見たい」

「きっさまぁぁぁぁッ‼︎ 私の娘は美人だろ! 母さんに似たからな‼︎」

「禿同。美人なのは間違いないでしょうな」

「見る目があるじゃないか! だがああ見えて眼鏡を掛けると私にも少し似ているのが自慢だ‼︎ ファッションだからと言って伊達眼鏡を偶に掛けてくれる我が娘の優しさよ‼︎ 君とは気が合いそうだが娘を見るその目が気に入らないッ‼︎」

「いやその理屈はおかしいですぞ。って言うか問答無用で拳振り過ぎな件について⁉︎ 客に対する態度じゃねえですな⁉︎ それがしなにもしてないのにこれとか大草原不可避⁉︎」

「ならば避けるなぁッ‼︎ 見た目に反してちょこまかと蜚蠊ゴキブリか貴様は‼︎ 合わせて六日間も娘と消えていて何もないだと‼︎ 紳士だな君は、なら親父の拳骨も受け入れたまえ‼︎」

「言ってる事が無茶苦茶過ぎるッ⁉︎」


 それがしを追い繰り出される拳の数々。ギャル氏の親父殿も空手をやっているのか知らないが、鋭い拳が当たるのは勘弁と畳敷きの床に身を崩し落とすそれがしの頭部を狙い蹴りが迫る。畳の上を這いずり背中で回り振り上げた足で蹴りを迎撃する。


 開いた距離。構えるギャル氏達の親父殿を前に、『六歩シックスステップ』で体勢を戻し軽く跳んで立ち上がる。ステップを踏んでいつでも床に飛び込める形がアップデートされた戦闘法の構え。


「見慣れぬ動きだな。流派は?」


 横合いから投げ掛けられるギャル氏の母親殿の言葉。ステップを踏む足を止め、口元を覆う黒マスクを剥ぎ取った。


「りゅ、流派? ……我流」

「ほう面白い。では次聞くまでに名を付けておけ。でなければ紹介しづらいだろう?」

「……だ、誰にですかな?」

「か、母さんッ⁉︎ 気に入ったのかこいつがッ⁉︎ 駄目だ駄目だッ‼︎ お父さんは許しませんよ‼︎」

「あなた。座れ、朝食の時間だ。埃が立つ」

「はい」


 座るのかよッ‼︎ 弱いなギャル氏達の親父殿ッ‼︎ バリバリ殴っておいていそいそ座ってんじゃねえ‼︎


 深く大きなため息を吐くと共に肩を落とせば、それがしの膝が畳に落ちる。おかしいぞ? 肩に置かれた手がそれがしの体を押し潰して来やがるんだけど? めっちゃ痛いんだけど? 骨が軋んでんだけど?


「……ソレガシ? これはアレ、あーしがまだ寝ぼけてんだけ? 夢だとしたら萎えみパなくてガンギレそうなんだけど? なんで朝からアンタが家の居間にいんわけ? だいたいなんで着物なわけ?」

「ふっ、何を言うかと思えば笑止。休日での集いッ、私服のセンスが問われるのは明白ッ! が、よく考えるとそれがし休日に友人と遊んだ事がなかったのと改造学ラン以外にまともな服がなかった事に気付いた結果、妹に意見を聞いたらこうなっただけぞ‼︎ 「兄者はやっぱり着物じゃろう」などと、聞く人選ミスったわ‼︎ よく考えるとあいつ普段着物しか着てねえ‼︎」

「いや阿国ちゃんのセンスは悪くないっしょ。ソレガシに似合ってるしエモい……じゃないっつーのッ‼︎ 誤魔化してんじゃねえし‼︎」

「痛い痛い痛いッ⁉︎ 痛たたたたたッ⁉︎ 肩がッ⁉︎ 肩が千切れるッ⁉︎ ヘルプミー⁉︎ ヘルプミー⁉︎ ヘルプ……っ、って言ってんのに誰も助けてくれねえ⁉︎」


 素知らぬ顔で味噌汁をすすっているギャル氏の婆様とギャル氏の母親殿。よく見るとギャル氏の親父殿の肩が小さく震えている。この野郎笑ってんじゃねえぞ‼︎ 助けろや‼︎


 唯一味噌汁の碗を手に持ち首を傾げている鈴芽殿に目を向ければ、何か考えているのか天井を少しの間見上げ、顔を戻すと同時に笑った。


「あっ! あー! そのセンスどこかで見たことあると思ったら彼氏さん阿国ちゃんのお兄さんだったんだ‼︎ 私同じクラスで、お世話になってまーす!」

「妹のクラスメイツッ⁉︎ うぅそぉだぁぁぁぁああああッ⁉︎」

「うっさいソレガシッ‼︎」

「うるさいのは二人共だ。座れ、オムレツが冷める」

「「……はい」」


 刃のような鋭い目を突き刺され、ギャル氏といそいそ食卓机の前に座る。唯一のミスはギャル氏達の親父殿の隣に座ってしまった事だ。こいつ肘打ちで食事の邪魔して来やがるッ。


 居た堪れない朝食を終えて洗い物を終えれば、ニッコリ笑うパジャマから運動着に着替えたギャル氏に肩を叩かれ、無言で道場まで引き摺られた。その後の事は思い出したくもない。クララ様とグレー氏が来るまで地獄を見た。

 

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