二夜目の2

私は

死にたいわけでも

殺したいわけでも

殺されたいわけでも


詰まるところ


命を絶ちたい


その事に対して

何を思っている訳ではなく

と云うとさも適当に生きている様に聞こえますが

そうではなく


いいや 確かに

死に対する思いや

志しは持ち合わせては

おりますが

そうでもなく


私は唯

許されたいのです


これは

一般的な承認欲求とは

異なり

自分を認めてもらう

では無く

僕が傷つけてしまった

と云う行為を

認めて欲しいのです


そして

その気持は鏡合わせのように

僕の人格に現れているのです


それが僕なのです


侍や罪人が出家し

坊主として

今迄の罪を償う様に

僕は今の僕に成りました


ただ 僕と云う人間は

その傍らで

僕と同じ様に

心の奥底に秘める

芯の部分をさらけ出し

苦悩し狂乱して

露出した甘く濡れた

芯を観察して

味見して

あわよくば

この手の中に納めたい

そんな心の持ち主

なのです


但し其れは美しく無ければ

嫌気が刺します

全くの他人ならば

本当に近寄らないでほしい


ただ それが貴女や友人ならば僕は両手を拡げて

抱きかかえ

その鋭い刃で刺されることを望みます


でもそれでは飽きられてしまうわ


どうしましょう

ならば私も同じ様に

抱き寄せたままに

肋骨を避け

心臓を突き刺します

そうすれば


あらでもその時 手元にナイフが無ければどうしましょう


ならばキスマークを着けるように首元を噛みちぎりましょう


それもダメなら手で首の骨を折ろうかしら


でもそんなことをしてくれる人は居ませんでした


僕の周りの人は

生きていることで精一杯

他人にどうしたいなんて

気持ちは無いのです


されたいばかり

されたいばかり

言いなり

言いなり


だから私は今

貴女にこの気持ちを

ぶつけようと思います

これがきっかけに

なってくれれば嬉しいです


殺し合いましょう

殺し合い続けましょう


そして最後に果てて

ふたりで居なくなれたら

どんなに幸せでしょうか


嘘つきですね

私は最初と言っている事が

裏返ってしまった


それもこれも

許し合える人間だからこそ

と云うのが前提なのか

合点がいきました


私は嘘つきじゃないみたいです


ということですが

これは手紙として成立するのでしょうか

僕なりの文章となると

こうなってしまうので

許してくださいませ


文通なんてしたことが

無かったので本当に

手探りと言いますか

したいことをした

と言いますかな感じになってしまいました


お返事待ってます

本当にこれでいいのか


友人より

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文通その1 荼八 十吾 @toya_jugo

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