二夜目の1

二夜


重たい頭をそっと抱え

僕は旅に出ました


ブルーシートに溜まった水溜まりを踏み


じんわりと滲む泥水に

何を思うでしょうか


帰り道の途中 畑に大きな岩があり昔はてっぺんに

登ってははしゃぎ笑っていました


チャンバラごっこも

自転車の練習も

お線香の匂いも


全てが今ここにあります


受け入れ難い事実に

背中を叩かれ

前を向き


明日を迎えては

あの冬の日の

鼻を刺す様な

冬の鋭い風に

僕は何を思うのでしょうか


中学生の時のことです

同学年の女子が

白血病で亡くなりました


その子とは特段仲が良いわけではありませんでしたが

今でも覚えています


人間は何時か

死を迎える

その時泣いてくれる人が

居たら嬉しいなと

そう強く思います


そして無関心な

人も居るのです


死ぬことに否定的な

人も居ます


だか僕は

一番近くで泣いてあげたいのです


だからこそ

その人の終わりを

見届けたいのです


刻みつけて

刻みつけられて


呑み込んで

その人が


混濁


濁り 首の骨の鈍痛に

私は 何者ですか


この髪の毛も

足の指の隙間も


瞳の奥の

か細い神経に


切り離したいと

風が

肋骨


臭ってきます

風と共に


この部屋の匂いは

立ち込めて居ます


歩道の声と

線路の擦れと


呼吸音


泣き出したいのに

涙は落ちず


声となり動きとなり

または指先に宿り


ずりずりと背中を伝います


夜に見る雲は赤みを帯びていますね


本当に頭が重たい

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