第2話 誕生祭
「・・お・・・おい!大丈夫か!ノア!」
意識がゆっくりと覚醒していく
目を開けると父セタスがノアの抱き抱えていた
「んっ…ちち…うえ?」
ノアがそう発するとセタスはノアを思いっきり抱きしめる
「やっと…やっと…起きたかノア…お前が急に倒れて心配したんだぞ!」
「???」
ノアは自分の身に何があったのか、セタスから教えられた
☆★☆★
ノアが膝をつきお祈りを始めてすぐ、ノアの身体中に淡い光の粒子が現れた
マイロンの話では神からの恩寵が強い場合になる現象だと言う
ただ、通常現れる時よりも早く、更に光の量が多かった
そしてそこから一時間が経っても光が消えない
おかしな出来事が起きセタス達がオロオロしているとヒュッと一瞬で粒子が消える
そして粒子が消えると同時にノアはその場で体勢を崩し倒れてしまった
☆★☆★
ガタンゴトン
ノアは母ノエリアの膝の上に乗せられ頭を撫でられている
息子の中でも特に可愛らしいノアを溺愛しているノエリアはノアが倒れたと聞いて以降ずっとノアに張り付き、周りから見れば過保護過ぎる程にべたべたしている
「母上!僕はもう大丈夫ですから」
「もう何言ってるの!さっき倒れたばかりなんだから今日一日は母に甘えなさい!」
ノエリアは頬を膨らませプンプンしながら話す
そんな姿を見て向かいに座るセタスは腕を組みうんうんと頷く
ノアは少し恥ずかしがりながらわかりました…と呟いた
★☆★☆
ガヤガヤ…ガヤガヤ…
夜になりフローレス家の庭には大勢の人が集まりパーティーが始まっていた
ここに集まっている人達はフローレス領内にある村の村長や領専属の商人、そして父、母の元パーティメンバーである
皆ノアの誕生日を祝う為に集まっていた
「みんな!今日は三番目の息子であるノアの8歳の誕生祭に集まってくれて感謝している!今日は無礼講で楽しんでくれ!」
セタスが壇上に上がりそう発言すると会場からワァァァァ!っと歓声があがり更に会場が盛り上がる
「さて、本日の主役である我が息子、ノアは先程教会から神からの恩寵を受けて帰ってきた。そして教会で今まで見た事がない程の出来事が起こった!」
そこからマイロンも壇上に上がり教会での出来事を話し始める
話し終えると会場から驚きの声があがる
「本来、スキルの事を聞くのはご法度だが、今回は例外が多過ぎた…その事を踏まえ、我が息子ノアのユニークスキルを発表させようと思う!だが、スキルの内容までは発表はしない!
ではノアよ!皆の前で発表しなさい」
セタスに言われノアはゆっくりと壇上に上がる
ノアはすぅーと息を吸い話し始める
「皆様、本日は僕ノア=フローレスの誕生祭にお集まりいただき誠に有難うございます
本日、僕は教会にて神の恩寵を受けました。更に創造神ライシャ様よりスキルを戴く事が出来ました」
創造神ライシャの名前が出た事に周囲がざわざわとし始める
「そして僕はライシャ様からユニークスキルを三つ授かりました。スキルは弱体、能力視、強肉弱食です。まだ分からない事だらけの僕ですがご指導ご鞭撻して戴けると幸いです」
ぺこりとお辞儀をし壇上から退場すると大きな歓声が上がる
それと同時にノアの元に集まる人達がいた
それは父、母の元パーティメンバー達であった
「ねぇねぇノア君!三つって凄くない?一つでもあれば凄い事なのに!もう少し大きくなったらアニカお姉ちゃんとパーティ組もうか?」
そういいノアの顔に頬擦りしながら猫耳をピクピクさせるアニカ
アニカは親達の元パーティメンバーで猫の獣人で魔法使いである
今でも現役冒険者で今はソロで活躍している
冒険者ランクは上から二番目の白金級
二つ名は【高速の殲滅】
あるクエストにて起きたスタンピードで迫り来るモンスター達を一つの魔法で消し飛ばした出来事から名付けられた
「ちょっとアニカ!うちの可愛い可愛いノアを危険な事に巻き込まないの!アンタとパーティ組んだら死んじゃうじゃない!」
アニカの背中をポカポカ叩きながら話すノエリア
そんな二人を宥めるセタス
「まあまあ、二人共落ち着きなさい。ノアも困っているだろう?それにアニカにはそのうちノアの家庭教師をしてもらう話ではないか。今からそんな感じではノアの身が持たんぞ?」
そう話すと二人共むむっと唸りながら押し黙る
ノアはアニカが家庭教師になると今始めて聞いた為、驚いた表情をしていた
あるスキルを使うとステータスが最弱になるけど組み合わせ次第では最強? y@siron @yasiron
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