オスカー・ワイルドのことば

Man is least himself when he talks in his own person. Give him a mask, and he will tell you the truth.


 今日、勉強していたら、オスカー・ワイルド(Oscar Wilde)の、このような言葉に出会いました。


 ひたすら勉強をしていて、誇張ではなく朝から晩までずっと勉強をしていたりします。「勉強をしすぎて頭が悪くなるんじゃないか」だなんて、まあ、そんなことたぶん、ほんとうはありえないんでしょうけれど、でもそんなことを思ったりする。

 必要に駆られた勉強はいつでもこんな感じ、なのかもしれません。


 私は学生のころ……というかいまも学生なので、正確には中高生のころですかね、比較的勉強ができました。そのなかでも英語はよくできまして、一生懸命やっていました。そのあたりは、すこし前にカクヨムの「センター試験の英語でたぶんその年の満点くらい取って、いまアラサーになってみて、よかったなって思うことをいくつか。(なお受験には惨敗しました)URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054891180779」ってエッセイ作品に書いた通りなんですけれども、もうそれはほんとうにひたすら、やっていました。でもこのタイトルにもある通り、第一志望の学部には受かっていません。


 なんというんですかね。頭の悪さ、といっては語弊があるかもしれませんが、鈍さ、といいますか。まっしぐらにひたすらにどんどんやる、ということは私はできるのですが、じゃあたとえば上のエッセイにある通りそれで第一志望の学部に進めなかったり、全体的なことができなかったり、俯瞰的な視点をもてなかったり、と、視野が狭いというんですかね、こう、なんでしょう。そういうのが、やっぱり鈍さに通じるものな気がするんですが、そういうものを、自分自身に対してふと感じることがあります。


 そういうのはだんだん改善されてきておりまして、それはそういうところを変えたいと願って、そのようにしたからなんでしょうけれど、でもやっぱりそれでもいまも、そのへんは不得手なんでしょうし、だからでしょうかね、「こんなに勉強して頭が悪くならないのかなあ」とか、思ったりするもんなんですねえ、と。


 もちろんそれって結果的に、あとで振り返ればいわゆる「伸びてる」ときなんですよ。それは勉強の経験上、理屈としては、わかります。頭ではわかってるってやつですね。でもその渦中にいるとやっぱりそれが、信じられない。なかなかに。「こんなに勉強をして頭が悪くなる」なんて、書き出してみればよくわかんないことをぼんやりとでもけっこう本気で思いながら、ひたすら目の前のことにばかり向かっていたりする。なんか、鈍さみたいなものを、感じながら抱えながら。


 でもなんというんですかね。そういうときにたとえば冒頭で書いた、ことばとか、文章とかに出会うと、「あっ」と、なったりするんです。ふっ、となったり、というか。

 べつになにかが強く結びつくわけではありません。それこそ、物語のようには。


 でも「こういうものに出会うためにそうだよなあ、勉強してるってとこもあるんだ」って、思いなおせたり、するんですよね。私がいま勉強しているのは、英語だけではないですが、英語にかんして言えば、「ああやっぱ英語好きだなあ」とも、思えたりしますし。


 英語は、いくら学んでも、世界には英語のネイティブがいるという、そういう分野な気がします。私はまったく国際的ではない生活を送っているので、「なんだかなあ」ってときもあります。でも、なんか、やっぱり、それはそれなんですよね。オスカー・ワイルドの言葉にそのままふれられるだけで、英語、世界基準で見たら圧倒的に拙くたって、やっててよかったと。思ったり。しませんか。しませんかね。私は、こういうふうに、「英語で英語にふれたとき」が、すごく好きです。そしてそのときだけは、鈍くもなく狭くもなく、ただ純粋に、「それ」にふれているんですよね。勉強って、やっぱり、「それ」にふれることなんだっておもう。それでも、やっぱり、たいがいの私の勉強は鈍いし狭いんですけどもね。


(2020年12月6日 21:00)

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