なんだかなあ、といいますか

 いろいろなことを片づけています。いつもおんなじようなこと言っちゃうんですけれど、でも、こんどこそこんどこそ、いろいろと、片づきそうです。ほんとうにぎゅっと詰まっていたのはたぶん、来週あたりでいったん終わり……あとは残ったことやほかのことを、十二月や、一月にかけて。

 師走、という月の名前が、いまさらながらになるほどー、なんてそんな日々です。


 新刊の感想をいただいておりまして、ありがたいかぎりです。買ってくださったかた、お手にとってくださったかた、読んでくださったかた、感想をお伝えいただいたりお書きくださったかた。ほんとうにありがとうございます。


 上に書いたこととはとくに関係のないことで、あれなんですが。

 最近、ふんわりと思うことがありまして。

 よく、こう、「法律の知識を知っておいたほうがいい」とか「法律の知識を学校で教えておいたほうがいい」とか、言ったりするじゃないですか。

 私あれがずっとぴんときていなくて、でも、近頃すごくぴんときました。

 法律についてのすくなくとも基礎的な知識って、たしかに生きるうえで強い。


 私は法学部でもなく、法律関係の資格をもっているわけでもなく(すごく厳密にいえば、社会科と公民科の教員免許を取得見込みでありますので、中高生の方々に教えることができる程度の心得はあると思いますが)、法律関係の仕事ができるわけもなく、ぜんぜんそういうのに詳しくないなとずっと思っていたのですが。最近思うのは、もちろんそれは専門的な知識などはないのですけれど、たぶん、これは、社会で生きるうえの、日常英会話……ならぬ、日常法律の知識、ならば、たぶん、ほんとにたぶんですけれど、あるのかもしれないなっていうことです。こういう問題はここに相談しろとか、こういう問題はこの法律の範疇だとか、そういう感じで。

 それってなぜだろうと思ってみましたら、たぶん、父が法律関係の仕事をやっているからなんですよね。そこに比べると、もちろん、比べるべくもないといいますか、私はまったく知識が少ないわけですが、でもやっぱり、下地のようなものはあったんだと思います。

 あとやっぱり法律関係で悩んだら、とりあえず父に連絡して訊くっていうのは、むかしもいまもわりとありますしね……その結果、「へええ!」みたいになることも多く、たぶん、それが巷でいう、「法律の基礎知識」ってことなのかもしれないなあ、と思います。

 思えば親(両親、どちらも)の仕事のもつ専門性で助けられたことって、いままでの人生で多かったです。まあべつになにかコネとかがあったとか、そういうのはまったくないんですけれどね……あくまでもその専門性で、相談に乗ってもらったり、話をしたり、といいますか。


 私は苦手なことも極端にできないことも多く、自分が望んでも、それがなかなかうまくいかない、できないことがけっこう多いです。そういった「理不尽に、恵まれない」ことがたくさんあるのですが、同時にこういう、「理不尽に、恵まれた」ことに対して、自覚的になる必要があるのかな、などと思ったりします。最近。むかしはそれは傲慢だと思っていたのですけれどもね、いまはなんというか、それを認めないのも、またある種の、別種の傲慢な気がする。

 先日読んだ、哲学者の中村義道のエッセイに、「理不尽に恵まれた」という表現が(たしか)ありまして、その影響をけっこう受けているかも……です。


 私がここで書いたようなことがもしほんとうに「法律の基礎知識」なのだとしたら、たしかにそれは、学校で教えたりしてなるべく「理不尽ではなく」、みなが知れるようになったほうがいいのかもしれません。でも、わかりません。私がいま言ったような程度の「法律の基礎知識」は、ほんとうは社会基準で見ればてんで当たり前のような、問題にもならないようなことなのかもしれませんので。そのあたりを知るためにじゃあまあなにが必要かっていうと、社会のこととか、社会の普通を知ること……しかし今年はほんとうにコロナでそれがやりづらかった一年でも、ありましたねえ。とかとか。などと!


(2020年12月5日 8:47)

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