第2話 後編
最悪だ。。。
凛さんとその存在を知らない妹である結衣。
絶対に会わせてはいけない。
そう決心した5分後、2人は出会ってしまった。
「あ、あのな。
「キョウくんとお付き合いさせていただいています」
上手く誤魔化してと合図を送ったつもりだったが、凛は完璧にその逆をついた。
「へぇ〜。おにいに彼女か〜。へぇ〜」
不敵な笑みを浮かべている結衣を見て俺の頭の中には最悪の流れが浮かんだ。
「おにい、ちょっと電話してくる。着いたって連絡しないと」
「おい。ちょっとまて。一つだけ約束しろ。絶対に凛さんのことをお母さんに話すな」
「なんで〜?素晴らしいことじゃん。彼女できただなんて。家族で祝わないと」
「それはまた時期が来たら話すつもりだ。だが、今話す必要は無い。だから、伝えるな。そうしなければ晩飯にキノコ入れるぞ」
「うぅ。わ、わかったよ」
結衣がキノコが小さい時から食べれないのを知っていた俺はキノコを盾にしてこの秘密を守った。
ああ、キノコ様。助かりました。
そんなことを考えていると、凛が「ご飯できたよ」と声をかけてきた。
今日の夜ご飯は俺の大好きな肉じゃがだった。
「結衣。明日は何するんだ?ここら辺は何も遊ぶところもないぞ。あと、俺は午前中は学校あるから」
「え!?そうなの?私てっきりおにいがどっか連れていってくれるのかと・・・」
「んなわけあるか。俺だって遊ばないからここら辺で遊べるところをそもそも知らん」
「凛さんは?」
「私は明日休みだよ。大学もないし、バイトもない」
「え、そうなの?じゃあ、一緒にどっか行かない?」
「いいね。いい機会だしどっか遊びに行こうか」
「おにいは来れないらしいから女子会だね」
「そうだね。じゃあ、明日行くところ探してみよ」
そう言って2人は明日遊ぶ場所を探していた。
案外仲が良さそうで良かった。
まぁ、凛さんは意外と軽い体質だし、結衣はコミュニケーション能力高いし。
逆に合わない方がおかしいか。
冷静な分析を終えたところ、お母さんから連絡があった。
『そういえば、結衣。宿題が結構残ってたはずだから手伝ってあげて。隠してバックに詰め込んでおいたから』
「・・・・・・おい、結衣」
「なに?おにい。もしかしておにいも行きたかった?」
「違う。お前バックの中を確認してみろ」
「なんでよ。バックに何が.......」
結衣は見てはいけないものを見てしまったような顔をして何事も無かったように続けた。
「おにい。そろそろ眠いから寝るね。あー明日楽しみだな!」
「待て。そのバックの中に入ってるものを出して席に座れ。」
「キョウくん?急にどうしたの?」
「凛さん、すいません。明日もしかしたら遊びに行けないかもしれません」
「どうして?」
「こいつ、宿題をほったらかす為にここに来たんです。でも。そのことをお母さんが気づいてバックに宿題を入れたそうなんですけど」
そういって、バックをひっくり返すと中から6冊のノートがでてきた。
「結衣。これが終わるまで明日は遊び禁止だ。外出もな。」
「はい..............」
観念したのか結衣は大人しく席につき宿題を始めた。
俺と凛の2人がかりで教えた結果、全ての宿題は12時前に終わった。
「よし、終わったな。これで明日遊びに行っていいからな」
「や、やった〜」
結衣はヘロヘロになりながら喜んでいる。
「そろそろ寝るね」と凛は自分の部屋に帰って行った。
「俺達もそろそろ寝るか」
「私はどこで寝るの?」
「俺のベットを使え。俺はリビングに布団を引いて寝る」
「それ、風邪ひかない?一緒にベットで寝ればいいのに」
「お前でかくなったんだから無理だろ」
「はいはい。じゃあ、おやすみなさい」
「おう、おやすみ」
朝、目覚めると君が隣にいる。 ケーワイのイチ @ichi__ky
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。朝、目覚めると君が隣にいる。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます