どうして、むふふ、ダメなの

牛次郎

第一話(粗品ですけど)


   1


「あたしって、ちょっと、他の女性(ひと)と違ってるのかもしれない。あ、良いなって思う男性(ひと)と、出会ってしまうと、もう、たまらなく、疼くのよね。あそこの、奥が」  

 沼田鳥子は、みんなからは、トーリーって呼ばれていた。その日は仕事がおわって、西麻布の、イタリアンで、女子会。いつもの、トリオだったから、遠慮なしで、おしゃべり。メンバーは、アイコ、トミパン。三人とも、OL。アイコは、証券会社。トミパンは商事会社で、化学肥料部門を、やってる、らしいんだけど。

 わたしは、不動産会社の営業、賃貸の紹介も、やっているから。わたしは、賃貸専門なんだけど、たまには、売り物件を、成約したりもするよ。営業としては、まあまあの成績かな。

 で、わたしが、バカみたいに、本当のことをいったら。

 二人がさあ、

「トーリー、変態だよ」

 なんていうんだよ。本当は、自分たちだって、そうなっているのに、きまってるんだよ。

「変態っていうけど。じゃあ、普通って、どういうの?」

「そんなふうに、いきなり、奥が、疼いたりは、しないんじゃない?」

 トミパンが、いった。

「うん。いきなりはね」

 アイコが、トミパンに、同調して、うなずいた。

 大体、ひとつの意見にたいしては、三つのパターンがあるよね 全員賛成か、全員反対でしょ。あとは、2対1だよね。

「嘘つきだねえ。じゃあ、二人とも処女なの? 大学の新卒で、就職一年生。もう、良い、大人だよ」

 わたしがいったら、

「それはないわよ。わたしたちのトシで、処女なんていったら、ねえ」

 アイコが、トミパンに、同意を、求めた。

「うん。さすがに、それはないな。うん・・・」

「最初、痛くなかった?」

 わたしが、聞いたの。

 すると、二人とも、声をそろえて、

「そりゃあ・・・痛かったよねえ・・・」

 と、互いに、顔を見合わせて、一緒に頷きあった。

「トーリーは、どうだったの?」

 アイコが、逆に、聞いてきた。

「そりゃあ・・・ふつうの女のコだもの・・・最初は、びっくりするくらい、ガーンってなって、ショッキングに痛かったよ」

 答えるわたし。

 だって、ホントだもん。

「いくつのとき?」

 トミパンが、興味シンシンで、聞いてきた。身を乗り出していた。

「ほら。スパゲティの、ソースが、胸につくわよ」

「ああ・・・」

 と、ナフキンで、胸元を、慌ててふいた。

「高二だよ」

「ハヤッ!」

 二人が、同時にいった。

「ふつうでしょ。二人は?」

「高三・・・」

「二人とも?」

「うん」

「違わないじゃん。それが、ふつうなのよ」

「かもねえ」

「でもさ。最初は、痛いって、知ってはいたのよ」

「うん」

 とわたし。

「でも、まさか、あんなに痛いなんて、思ってもいなたかったから。チョーびっくりだったよ。オマタが、裂けるかと思ったもん」

 アイコも、正直に、告白した。

「女になるって、痛いんだなあって思ったわ」

「それは、そう!」

 と三人が、同時に、強く、頷いた。

「男性は、童貞のとき、痛くないのかしら?」

 アイコが、常日頃、思っていることを、口にだした。

「もし、痛くないんだったら、とっても不公平よね」

「たしかに、たしかに。アイコのいうとおりだわ」

「うんうん」

 三人が、頷いた。

「で、さあ。あそこの奥が疼くって・・・どういう感覚なの?」

 アイコが、トーリーに、トーリーの顔を覗き込むようにして、聞

いた。

「おんなだったら、分かるでしょ。分からないなんて、カマトトだよ。経験、何人?」

「ちょっと、分かんない」

「アイコは、もち、二桁でしょ」

「ま、ね。」

「だったら、エクスタシー、わかるよね。いくっていうことよ」

「うん。分かるよ」

「それの、浅い感じかな?」

「へえ・・・言われてみれば、分からなくはないよね・・・」

 トミパンが、心当たりを、訪ねている表情になった。

「不感症のおんなに、いくら説明しても、無駄だけどね」

「感じるよぉ」

 トミパンとアイコが、同時に口をとがらせた。

「ただね。わたしは、異常に、いきやすい、タイプみたいなんだよ」

「なるほど。なるほど・・・」

 女子会の話題は、たべもののこと。旅行。ファッション。そして、おとこのことが、

四大テーマであった。

 そして、たまに職場の愚痴である。三人には、まだ、結婚のことは、深刻な、テーマではなかった。

「結婚?・・・もう少し遊んでからで、よくなくない」

「おとこって、恋愛中と、結婚後って、ガラって変わるっていうじゃない。もう、お前は、俺のもの的な、雰囲気になるらしいよ」

「それって、パス」

 アイコが、手を振って、唾でも、吐きそうな、顔をした。


          *


 まあ、なんていうのかな。可もなく不可もなしっていう、日常ですわ。お給料も、ふつうなみだしね。

 ただ、毎日の通勤がね。チョーめんどいよね。と思っているトーリーでした。

 でもさ、その通勤で、

「あ、この男(ひと)、チョーいいかも」

 という男性に出会ったりもする、楽しみもあるからね。

 でも、そういう男性って、次の駅で、

「おはよう!・・・」

 なんて、「らしい、おんな」が、乗ってくるんだよね。

 チッ! って、おなかの中で、舌打ち。

だからって、捨てたたものじゃい、一日が、はじまった。

賃貸のお客で、

「ぼく、独り者なんで、あんまり大きな部屋は、いらないんだけど。そうかといって、ワンルームっていうのも嫌だなあ。港区が希望なんだけど、予算的には、高くなっても、仕方がないかなって、考えてるんだけど」

 という人が来たのよ。

 これが、もう、ズッキンをこえている。モロ、例の場所に、

「あ・・・」

 というカンジで、きました。

 だって、デリケート・ゾーンが、濡れたの、自分で分かったもの。

(こんなことって、アリなんだ・・・)

「現地案内だけど」

 主任が言った。すかさず、

「わたしが、ご案内します」

 っていっちゃた。それも、大声で。

 で、声が、喉に引っかかって、思わず噎せてしまったよ。

 主任に、

「大丈夫か?」

 と聞かれたけど、

「だ、大丈夫です。資料取ってきます」

 事務所の中を走った。

 主任が、「む?・・・」という顔になっていたけど、

(そんなの、カンケーねえ!)

 というカンジで、あります。

 だって、大チャンスじゃん。これを、手放すバカはないわよ。

(タイプ、タイプ・・・絶対にスキだからね!)

 資料を抱えて、応接セットに、

「どうぞ。下話しましょう。港区で、ワンルームではなく、少し広めのお部屋、ですね。うちの会社、港区に強いんです」

 と、ニッコリ、ニコちゃん。

「それは、そうでしょう。南青山に事務所が、あるくらいだから。僕も、そう思って、おたくに、きたんです」

「ありがとうございます。ええと、お部屋なんですけど。ベッドルームが、ひとつあったほうが、よろしいんですよね」

「そうだね」

「それとDKと、リビングということでしょうか?」

「広さにも、よるけどね」

「そ、そうですね」

 と答えながら、手早く、条件にあった、間取りの図面を、選びだした。

 5,6件の物件を見せて、

「全部、ほとんど、新築同様です」

 言い添えた。

「それは良い。これはという物件から見せてください」

「はい。いま、会社のクルマだしますので・・・」

 と案内のしたくに入った。


 トーリーは、ルンルン丸で、退社後、アイコと、二人で、新宿で、あった。迷ったあげく、結局は、また、イタリアン。

 トーリーは、ルンルンな感じを、ひた隠しにしていたが、アイコには、それも分かってしまった。

 トミパンは、かわいそうに、残業だというので、

「LINEで、仕事じゃ、しかたないよね」

 と、送った。自分たちだって、残業はあった。世の中、そんなに甘くはないのである。

 仕事と、どう、折り合いをつけて、自分の時間を、楽しむかというのは、彼女たちにしても、重要な、テーマであった。三人とも、実家をでていた。ひとり暮らしであった。

 三人とも、ひとつの、鉄則を守っていた。

「オトコは絶対に、自分の部屋には入れない」

 ということであった。その辺のディフェンスは、しっかりしていた。

「だって、そこを、おろそかにしたら。ノーパンで、表歩いているのと一緒じゃん」

 という、テツガクに基づいている。

「絶対。なにかあったね」

 アイコが、疑惑のまなざしで、

「白状(ゲロ)しなよ。誰にもいわないから」

 これくらい、信用のおけない言葉はなかった。

 一週間後には、

「ね、ねえ。知ってる? トーリー、同棲はじめたんだってよ」

「うっそー! 相手は?」

「そこんとこは、口が堅いのよ」

 という話になって、返ってくるのは、明らかだよ。

 噂を、打ち消すことぐらい、パワーが必要なことはなかった。

 なにしろ、一度ついた、火は、よういに消えないのよね。

 いっそのこと、

「ああ、彼とのことね。もう、別れたわ」

 と言ったほうが、早く、火は消える。

「ハヤッ!」

 と、多分みんなは、思うだろう。

(それで、いいのよ。もともと、なんにもないんだもの)

 トーリーは、すました感じの、気分になった。

「今日のお客さん、たまんなかった」

 トーリーが、アイコに笑顔で、言った。

「それって、嫌な客っていう顔していないよね」

「モチ。テレビの再放送で、なんとか仕掛人っていう、時代劇やっていたのしってる?」

「ああ、日曜日の昼間だったから、わたしも、見てたよ」

「そこにさあ、三味線やって出てくるでしょ」

「ああ、凄い色男。わたしも、好きなタイプだよ」

 アイコが、話に乗ってきた。

「まったく、同じタイプなのよ。背は、高いし。何だろう。世の中には、こういう人もいるんだ、って思ったよ」

「で?」

「仕事だもの。お部屋、ご案内したわよ」

「で、で・・・」

 アイコが、急激に、身を乗り出してきた。

「二番目に、内見した部屋で、制約よ」

「やったじゃん」

「勝負は、これからよ」

「うん、うん。そうよね。これからよね。カーテンつけたり。お掃除手伝ったり。やること、たくさんあるじゃない」

「勝負下着。新品買う!」

「トーリー、絶対に落としなよ!」

「モチロン!」

「チャンスは、ベッドメイクのときだね」 

 アイコが、自分のことのように、興奮していた。


         2


 部屋は南向きの、1LDKであった。引っ越しのことから、掃除、カーテンの取り付けまで、しっかりと、手伝って。

 いよいよ、ベッドメイクの、瞬間がきたのよ。

「うわー! 綺麗なお部屋になりましたね」

「いやあ。キミのおかげだよ。オトコはこういうこと、にがてだからさ・・・」

「あのう・・・」

「え?」

「申しあげても、いいですか?」

「なに?」

「こんなに、立派なお部屋をかりていただくと、もれなく、粗品がついてくるんですけど・・・」

「ほう。粗品ね。なにかな?」

 すかさず、トーリーが言った。

「わたしです!」

 ベッドルームでのことである。

 ベッドメイクも、済んでいた。

「!・・・」

 三味線やが、びっくりした。

 三味線やの名は、小泉幡夫(こいずみ・はたお)といった。二十八歳であった。独身である。

「どうぞ。遠慮なく。抱いてください」

「そ、そんな、キ、キミ・・・」

「いいんです。粗品ですから。失礼して、服を脱ぎます」

 とトーリーが、上着と、スカートを、脱いでいった。

 トーリーは、服を脱ぐと、粗品どころの、騒ぎではなかった。

 ブラジャーは、確実にFカップだろう。それなのに、ウエストは、しっかりと、くびれていた。そして、ヒップは張っていた。背も170センチはあった。

 顔はハーフっぽい顔立ちであったが、純日本製であった。東京生まれである。なろうと思えば、タレントにもなれた。事実、何度かスカウトもされていた。

 しかし、表に、でたがりの、タイプでは、なかったのである。

(でも、やるときは、やる!)

 幡夫が、

「ゴクン」

と、唾をのみこんだ。

トーリーが、立ったままで、ズイッ、と一歩、前に進んだ。

「い、いいんですか?」

 幡夫が、さすがに、たじろいだ。

「はい・・・ただ、優しく・・・ね」

「分かった・・・」

 幡夫も、一歩、前にすすんだ。ゆっくりと、左手を、トーリーの、ウエストに回してきた。

「粗品どころか、最優良品だよ」

 といって、唇をあわせてきた。幡夫の口臭からは、ニコチンの匂いがしなかった。

 幡夫が、これも、がっついた、感じではなく、ソフトに、トーリーの唇を、割って、舌を、差し込んできた。勿論、トーリーは、受け入れた。

 幡夫が、舌を、巧みにからめてきた。おとなの、接吻であった。

(甘い・・・)

 とトーリーは、うっとりとした。

 トーリーは、自分でも、感じやすい体質だと、友達にも、宣言しているほどである。

(来たわ!)

 それも、思い切り。こんなのって、滅多にないよ。デリケートゾーンが、緩んでいくよ。

 で、参っちゃうくらいに、濡れている。

(腰にきてるわ・・・立ってられないよ・・・)

 幡夫は、トーリーの舌を、吸っていった。かと、思うと、口の中を、ゆるやかに、味わうように、幡夫の舌で、舐め回していった。そして、トーリーの舌を、甘噛みした。

 それが、もろに、効いた。デリケート・ゾーンの、奥が疼いて、「ジンッ!」と音がした。

 それなのに、幡夫たら、トーリーの、太腿と太腿の間に、自分の足を、差し込んできてきた。そして、それだけじゃないの。自分の太腿を、ゆっくと、密着させて、グラインドさせていくの。

(これって、凄く効くの・・・だって、女の門の、敏感な、呼びリンに、当たって、擦れるんですもの。これだけで、腰が、砕けそう・・・で、乳房を、ゆっくり揉んでくるの。ブラの上から・・・乳首立っちゃう!)

 ともかく、すごいテク。わたし、思わず、声をだしてしまった。

 そのまま、ベッドのうえに寝かされた。

「いいのかい?」

 幡夫が、聞いてきた。

「うん」

 言葉が終わらない先に、ブラのホックが外された。もう、乳首、立ってる。その乳首を、憎いほど、やわらかく吸うの。

「ああ・・・」

 無理よ。声が出ちゃう。そうしながら、幡夫が、素早く、服と、スラックスを、脱ぎすてて、ショーツ一つになった。

 分かる。幡夫もエレクトしているのが。

 この瞬間って、求めることが、一直線なのよね。お互いに。

 トーリー、幡夫に、しがみついた。

幡夫が、トーリーの体の右側に横になって寝た。半身は起き上がってる。

この体制って、トーリーの体を、かまう気なんだわ。

それも、お指で、

(やっぱり、お指が・・・デリケート・ゾーンの谷間を、なぞるようにして)

 そのときに、

(ヤダ)

 ピチョ・・・

 おつゆの音が、鳴ってしまった。それだけでも、恥ずかしいのに、幡夫ったら、耳もとで、囁いたのよ。

「キミの、体の音が鳴っているよ。恥ずかしそうな、音だね」

 そんな言い方ってある。

「ああ・・・そんな、恥ずかしい、いいかた、しないで・・・」

「もっと、なぞりあげてみようか。キミの敏感な部分が、堅くなって、とんがっているもの。ほら、ここだよ」

 といって、クリットを、つまんできた。

「あっ!・・・そこ、急所なの・・・」

 思わず言ってしまいました。

 ここは、誰だって、感じるわよね。海老反りかけた。

「キミは、敏感なんだね」

 もう、見抜かれてしまった。

 クッリットを、ゆっくり、回してくるの。それも、わざと、外側だけなのよ。これって微妙に、苛つかられるのよ。焦れてくるのね。

(もっと、核心を触って!)

 てなっちゃわない? わたしはなるよ。

 思わず、幡夫の股間に手を伸ばした。いつのまにか、ショーツも脱いでいて。屹立しているものを、生で、握ってしまった。堅い上に、熱い。

(これが、入るんだわ)

 みんな、そう、思わない?

 と、彼がクリットの外側ではなくて、内側の、最高に感じる部分を、グッと、圧を加えて刺激を、してきた。

「あっ!――」

 のけぞってしまった。

 それなのに、別のお指で、屹立しているものが、入るはずの洞穴に。

 ズボッ!・・・突き入れを、行ってきたの。トーリー、

「イヤッ!・・・」

 って、いっちゃた。

「痛かった?」

「大丈夫。いきなりなったから」

「じゃあ、こっちだったら」

 自分の握らせているものを、さらに強めに、握らせてきた。

「・・・」

 なにもいえっこないじゃん。

すると、トーリーの顔を、屹立しているものの方に、押しつけたの。咥えさせるのよ。

「フェラするのね」

「うん。いやかい?」

「いいよ」

 含んでやった。

 幡夫のもの、かなり、巨大。姿も立派なのよ。エラが張っていて。

 これは、ピストンのときには、往復で、ヒダを、刺激してくると思う。ヤバイのに、出会ってしまった、感じですよ。

 幡夫が、トーリーの股のあいだに、体を入れてきました。

「ねえ・・・粗品ちゃんを、大事に、やさいく、扱ってくると、約束してくれる?」

「勿論。トーリーは、大切な、めったいない、最良の粗品なちゃんだからな」

 といいながら、そろりと、熱く、堅くなったものを門の、入り口にあてがってきた。トーリーはこの瞬間に、

(勝った!)

 と思った。トーリーの目的は、なによりも、まず、幡夫を、手に入れる、ことだったのである。

 その瞬間が、近づいていたのであった。

 押し当てられた、その感触は、生々しく硬度のあるもので、そのくせトーリーには、強い必要性を感じるものであった。ある要請をトーリーは持った。それは、

(欲しい)

 という欲求と、

(早く・・・)

 焦りに似た感触であった。それは、迎えたがる性質をもっていた。

 とても、上等なご馳走の、香りを嗅がされて、なかなか、口に入れられない、もどかしさを、伴っていた。

 それなのに、幡夫ったら、入り口の周辺を、池の周りを散歩して、錦鯉が優雅に泳ぐのを、観察するように、熱く、堅い先端で、ねっとりと、こねりだしたのよ。幡夫の先端部は、それはもう、見事なもので、艶というのかしら、テカテカと照りがあって、色彩的にも、文句のつけようがない、使い込み感がある。

で、憎たらしいの。

「欲しいかい?・・・」

って、耳元で、囁くように、いうのよ。

(負けたくない)

っていう気持ちは、あるんだけど、

ダメ。おんなの限界よ。抵抗できないの。

ついに、あのひとこと、

「ほ、欲しい・・・早く・・・」

言っていまいましたよ。

そうしたら、幡夫の奴、

「どうして欲しいの」

で、聞くじゃない。こねながらよ。

「い、入れて!」

「どこに?」

これって、卑怯よね。言わせるつもりなのよ。部位の名称を。決定的な、呼称でしょう。

「あ、あそこに・・・」

これだけでも、相当に恥ずかしいのに、

「それじゃ、わからないよ」

「恥ずかしいところに」

「ダメ。それでも、わからない。具体的にいってごらん」

 そして、先端の、それも、先っちょを、

 グッ・・・

 ご挿入してきた。

「あっ・・・そこ!・・・お○んこよ。・・・もっと、深く!」

いってしまった。敗北よね。おんなとして。

「それを、いっちゃあおしめえよ」

的な、ね。

「こうかい」

幡夫、ズコーン!

て、超挿入。

「ああ」

トーリー、思わず、悶絶。

白目になって、ズリ上がった。だって、あれは、普通じゃないわ。ビッグサイズなの。

黒人なみ、とは言わないけど、それの、二周り、小さくしたぐらいの、サイズなの。

ズリ上がらない女(ひと)がいる方が不思議よぉ。

「あれを、平気で、受け入れる女(ひと)って、相当のブカマ○なんじゃない?」 

 後になって、アイコに報告した。 

 それほど、幡夫のナニは、巨根だったのである。

 挿入後は、お決まりの、注挿よね。

 これが、ハンパなかった。

「壊れる!」

 と、トーリーは、ジタバタして叫んだ。

 そして、忙しかった。

 だって、一番奥の、急に、医学用語つかっちゃうけど、『膣蓋(ちつがい)』と、『ウテルス』に、ずんずん、来るんだよ。

(そして、腰ごとで、回された)

 トーリーは、頭の中が、真っ赤になったり、真っ白になって、うわごと

のように、「いく!・・・また、いっちゃう」を、連発していたのでありました。

しっかり、幡夫に、しがみついていたのは、言うまでもなかった。


          *


「もうダメよ。離れられないよぉ。参った」

 イタリアン(イタめし屋ともいうのかな)の店内で、ナキを入れているトーリーに、アイコが、

「そんなことしていたら、トーリー、ブカマ○になっちゃうよ」

 と親身になって、心配をした。

「うん。分かってる。でもね。終わってから、彼が、言ったのよ」

「なんて?」

「僕が、独身なのは、これのせいなんだよ。一度、手あわせした、女性は、僕の巨根で、壊されちゃうって、去ってしまうんだよ。だから、まだ独り暮らし。事業の方は、一応、成功したんだけどね」

「なんの、事業?」

「IT系。ソリューション、サイト提供『ソレイイね』っていうのやって、成功してるの」

「うーん。条件は最高で、うふふ・・・なんだけどね。ブカマ○にされるのはね。今後の人生、限定されちゃうよ」


教訓 『♪ 人生いろいろ。サイズもいろいろ ♬』


                           第一話(完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

どうして、むふふ、ダメなの 牛次郎 @gyujirou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る