第六章十八話「因果応報」(最終話)

1999年、私は、自分の野望を阻止するため、

過去の私が異界と、この世界を繋げるのを止めた。

今の私は少女の姿のため、姿こそ異なるが、過去の私は、私の正体に気付いた。

過去を変えたところで、私は消えない。そもそもそうでないなら歴史改変をしようともしない。

過去の私のほとんどの能力は、私の能力で相殺できる。

例えば、何億通りものあらゆる未来を予知することができるが、未来を知る者や歴史改変能力をできる者がいれば、予知通りに進まない。

能力を相殺された過去の私は、私の言葉に応じると思っていた。


しかし、過去の私は、私と歩に攻撃を開始した。

過去の私は、まだこの世界を満喫していないのだから、当然と言えば当然か……

過去の私は、異界から六十三体の魔物のコアを取り出すと、

ネロ・ドレーク・フリードリヒ2世・チンギスハンの魂塊の中に十五体ずつのコアを入れていき、

残る蛇と山羊とライオンを自分の中に入れていく。

未来で私の分身を傷付けたときの戦況の再現か……私の記憶を読んだのだろう……あのときは蛇・山羊・ライオンは砕けていたが……過去の私がそれを手にしたとなると……

詰んだな……


過去の私の言葉に従い、一斉攻撃が開始される。

が、歩の言葉によりネロたちの動きが止まる。

過去の私は、歩とネロたちの絆を知らない。

ネロたちが振り返り、過去の私を攻撃する。

私もそれに加わり、過去の私の能力を封じ込める。

隙が生じたところに、歩が飛び出し、渡していた特別な魂塊の中に、過去の私を封じ込める。

もう少し、過去の私との戦いも楽しみたかったが

サブタイトルに最終話と書いた以上、ここで終わらせたいんだ。


私は、歩に別れを告げると、ネロたちと魔物のコアを連れ、別の世界へと旅立った。


1999年7月……

この世界では、

貴方方の知る歴史通り、

ノストラダムスの大予言通とは異なり……

この世界の歴史では、

恐怖の大王は出現しなかった。

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(作者が無計画なせいで)この世界は終わった @FUKUIKOTARO

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