言うならばホラーへの小さなアンチテーゼ。
幽霊や妖怪よりも、もっとどうしようもなく恐ろしいものが人生にはある…そんな教訓をこの物語は与えてくれます。仮にそいつの名は運命とでもしておきましょうか。
コンテストのテーマは「通学路、振り向けば奴がいる」なのですが、そのお題から都市伝説や自縛霊、サイコキラー等ではなく、このような物語を紡いだ方は恐らくオンリーワンなのではないかと。センスある結末には脱帽です。
大学のサイクリングで知り合った男女。
一緒にトレーニングで遠出したりはするけど、まだまだ恋人未満な関係。
未来には希望があふれ、小さな勇気と決断が二人の人生すら塗り替える…はずでした。
運命が全てを台無しにするまでは。
残されたメッセージが本当に物悲しい。
どうしてこうなった? そう神へ問わずにはいられないほどに。
そしてその問いかけは、彼等のみならず我等万人が必ず遭遇するであろう永遠の謎なのです。
心に沁みる悲恋をお探しの貴方へ、おススメです!