【5】
弟は、私たちの家から電車で4駅のところに住んでる叔母さんと一緒にプレゼント計画を考えてくれたらしい。叔母さん夫婦の子供、つまり私たちの従弟も、弟と同じサッカーチームに入っている関係で、よく弟の送り迎えをしてくれたり、たまに弟が叔母さんの家に泊まったりする。
弟が買ってくれたお菓子を2人で分け合って一緒に食べながら、弟の話を聞いていた私は、叔母さんの家から別な校区の中学校に通う、というプランを思いついた。私立に受からなかったのだから公立に行くしかないけど、校区を変えることは不可能ではない。実を言うとそのまま同じ小学校の生徒も通うことになるであろう地元の公立中に進学することも、もうそれほど嫌でもないのだけど、心機一転という意味ではこれくらいやった方が面白い。叔母さんは、多分承知してくれるだろうと思う。
私は、かなめ先生に手紙を書こうと思った。直接住所を調べることはできないだろうけど、塾を通してかなめ先生に手紙を渡してもらうことはできるかもしれない。
「友希さんは、今、何を考えてるの?」
今だったら、この言葉に応えられる。そんな気がした。あの人がそれをどう受け取るかはわからないけど、それでも私は、あの人に応えたいんだ。
告解 垣内玲 @r_kakiuchi_0921
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