黄泉の世界へ誘われ……
その扉に入ると、森のような場所に出て、空は紫色をしていた。
そして、僕はまず、黄泉の世界という物に引かれ、
『へぇー、ここが良く小説とか、ゲームで出てくる黄泉の世界か。せっかく来れたし、色々探索してから先に進もうかな。』
と、興味本位で、この辺りを探索する事にした。
『それじゃあまずは、こっちの茂みに入って行こうかな?』
と言って、ワクワクしている様な表情で、左の方の茂みに入って行った。
『何か面白い生物居ないかな?』
と、探索したが、辺りは僕以外誰もおらず、僕は、つまんなそうな顔をしながら、歩き続けた。
すると、目の前に、急に、白い光が現れ、
僕は、何だこれ?と思いながら、その光の正体が、気になり、その光が動くのを、必死に追いかけた。すると、今度は目の前に、紫色をした、池が現れ、それを見た瞬間、その光は消えてしまった。
『何だったんだろ?今の。でも、あの光に着いてきたおかけで、元いた世界じゃ見れないものが見れたな。何かこの池にいないかな?』
と、言いながら、近くの茂みにまた入り、木の棒が無いかを探した。
そして、中々ないな。
と、思いつつ、池から少し離れた場所に向かうと、
パキ!
と言う音がしたので、下を見た。すると、2つに折れた、木の棒があった。
10cm位はあるかな?程度の小さい木の棒が見つかって、これなら池の中を探れるかな?と思ってまた池に向かい、さっき見つけた木の棒で、池の中をゴソゴソと探り始めた。
『何にも無いなぁ』
何て、手を奥の方まで突っ込んで探していると、何かむにっとしたのに触れた。
『何だろう?』
と、言いながら、池から手を出すと、
『がー!ぐるぐる!』
と、ライオンや、猫の、喉からなる様な音が聞こえてきて、紫色をしたドラゴンが池から顔を出てきた。
そして、そのドラゴンは、木の棒でつつかれた事に気が触ったのか、物凄い形相でこっちに向かって来た。
それを見て驚いた僕は、一目散に、逃げて行った。
そして、結構な距離を走って、
『もう大丈夫かな?』
と、後ろを振り返ると、後ろには、この世界に来る時に使ったドアがあった。
なので、
『あのドラゴンにびっくりして逃げてるうちに、いつの間にか戻って来てたのかな?それじゃあ随分色んな所も見た事もない生物も見れたし、そろそろ、元の世界に帰るのに必要な、四季巡りを始めようかな?』
と、言って、前へと道を歩始めた。
そして、ドアが見えなくなるくらい歩くと、
『ずっと、同じ景色が続いてるな。まぁ何となくこうなるだろうと予測はしてたけど、この景色を見るの、もう飽きて来たよ』
何て言いながら、さっきまでドラゴンから逃げていたせいもあって、はぁはぁと、息を切らし、てとぼとぼと歩いた。
そして、そこから少しして、
『もう、限界。誰も、はぁ、居ない、し、ちょっとここで、はぁ、休憩しても、いいよね?はぁ』
と、言って、その場で倒れ込み、気絶する様に寝てしまった。
この時見た、 夢の中
夢の中に入ると、僕は、桜が吹雪く中、僕の通っている学校の近くに居た。そして、黄泉の事などを完全に忘れ、何も違和感を感じずに、
『今日から新学期か』
何て言いながら、正門に入り、昇降口まで移動して、下駄箱で、上履きに履き替えて、自分の教室に向かっていた。
そして、教室に入ると、友達が近寄って来て、
『おはよう!』
と、元気良く、挨拶してきたので、
『よう』
と、返して席に座ると、その友達は、
『お前、昨日までの休み何やってた?』
と、聞かれ、僕は、
『引き篭ってゲーム』
と答えた。すると今度は、
『なんのゲーム?』
と、聞いてきたので僕は、
『幽霊の館って言うタイトルで、館に出てくる幽霊を避けつつ脱出するってゲームで、バットエンドルートに行くと、幽霊に呪い殺されて、黄泉の国に、誘われて、また最初からになるから、結構難しいんだよね。』
って、答えると、その友達は、
『ふーん。そのゲームって面白いの?』
って、聞かれ、僕は、
『まぁ、そこそこ』
って、答えた。
そして、その友達は、
『じゃ、そろそろ先生来るだろうから』
と言って、自分の席に戻って行った。
そして、それから2,3分で、先生が、
『おはようございます』
と、言いながら、入って来て、
『今日から新学期で、始業式があるからトイレを済まして廊下に並ぶように以上でお知らせ入って終わります!』
と言って、教室を出て行くと、朝話していた友達が来て、
『神里、一緒にトイレ行こうぜ』
と、言われたので、
『うん、良いよ』
と、言い、その友達と、トイレまで向かった。
そして、トイレを済ませて廊下に並ぶと、先生が来て、
『それじゃあ行くから付いてこい』
と、言われ、皆、先生が歩くのと同時に、先生の後を付いて歩き始め、僕も、その後に付いて行き、始業式を行う体育館に着くと、生徒全員分の椅子が用意されていたので、指定された席に座るとすぐに、式が始まった。
式が始まって15分後
式が終わり、先生が来て、
『今から教室に戻るので、付いてきてください』
と、言われ、付いて行って、教室まで戻ると、先生が、皆、前に立って、
『今日はここまでです。下校して下さい』
と、言われ、バッグを持ち、帰ろうとすると、後ろから、
『なぁ神里、一緒に帰ろうぜ』
と、さっきの友達に言われたので、何も用事がない僕は、
『うん。良いよ』
と答え、一緒に帰ることになった。
一緒に帰るって言ったって、何も話す事無いよな。
なんて思いながら帰り道を歩いていると、その友達が、急に
『なぁ、神里。お前がさっき言ってたゲームって、タイトルからしてホラゲーだよな?』
と、聞かれたので僕は、
『うん』
と、答えた。すると、
『まじ。それじゃあ他にもホラゲー何かやってんの?』
と、聞かれたので僕は、
『うん』
と言うと、
『マジで。じゃあさ、今日お前ん家にやりに言っても良い?』
と、言ってきたので僕は、いきなりだけど、親も居ないし…と、思い、
『良いよ』
と、答えた。
すると、その友達は、
『良いの?やったー。俺、ホラーっぽいゲーム、好きなんだよね!それじゃあ、俺はそっちだから。準備してから行くね。じゃ、また後で』
と、左の道を指さして言って、信号が青になった所で走って行った。
そして、僕は、
『ふぅー。本当は、静かにゲームしたいんだけどな…。まぁ、たまには友達と遊ぶのも良いか』
と、言いながら、ゆっくりと辺りの木々に咲き誇っている桜を見ながら歩いて帰った。
そして、鍵を開けて家の中に入り、
『ただいまー』
と、言いながら、靴を脱いで、洗面所に向かった。
『今日は友達が来るから早く支度をしないとな』
と、言いながら、ササッと手を洗い、洗面所の近くにある階段を、ダダダッと駆け上がり、自分の部屋に入ってにバックを投げ捨て、急いで部屋着に着替えた。
そして、
『まぁ、流石にまだ来ないよな』
と、言って、扉から、右側の奥端にある、にあるベッドの下からゲーム機を取り出した。
そして、
『さて、来るまでなんのゲームをしようかな?』
と、言いながら、今度は、ベッドの下からソフトを取り出し漁り始めた。
そして、
『よし、このナイトメアって言うホラゲーをやろう!』
と言って、ゲーム機にソフトを差し込んで、ゲームをスタートさせた。
『僕の名前は夢先悪夢。
今回は、僕の見た悪夢を君たちにも体験してもらうために招待したんだ。』
と、テロップが流れた。
『それじゃあまず、一つ目の夢に入って見ようか』
と、テロップが流れた瞬間に、勝手にカーソルが動き、一つ目の夢の物語が始まった。
《第1夢 廃墟に潜む影》
僕は、夜が深まる時間に、見知らぬ屋敷の中にいた。内見は、灯りとかは無く、埃っぽくて蜘蛛の巣があちらこちらに張っていて、お世辞にも綺麗とは言えない屋敷に1人。その上、肩にかかっているバッグには、何も入っていない。
『何だ?ここ。何でこんな所にいるんだ?でも幸い、出口が僕の後ろに有るから、怖いし早く出よう』
と言って、後ろを向き、ドアノブを回して開けようとしたが、鍵が掛かって居るのかいくらガチャガチャしても、開かない。
『何でだ?』
と、手が震えながら言う僕の背後に、何かが通ったような風が来たが、
『なんだ!』
と、びっくりした様子で振り向いても誰もいない。
そして、僕は、
『こんな所でうだうだしててもここから出れる方法が見つからないだろうし、探索しなきゃ行けないのかな?』
と、顔を青くしながら言って、この見知らぬ屋敷の中へと足を踏み入れた。
『うーん、探索するとは言ったけど、どこから探索しようか?まぁ、歩いて行って、ドアがある所に入って行けば良いか』
と、言いながら、歩いて行くと、すぐ近くの、右側に、一つ目のドアを見つけた。
『それじゃあまずは、ここに入って見るか』
と、言って、ドアノブを回すと、ガチャッと言って、開いたので、中に入ってみると、物置部屋らしき場所に出た。
棚が端に置いてあって、周りには、何かを入れて、結んである袋が沢山入っていた。だが、足の踏み場はあったので、僕は、何か、棚にいいアイテムがないかな?と思って、棚にまで近寄って、見てみると、何かが書いてある紙と、沢山の、紫色の瓶が置いてあった。
まずは、紙を見ると、表と裏に何かが書いてあった。
そして、それを読んでみると、表には、
この屋敷は、今は廃墟になっているとは思うが、昔、貴族が別荘として立てた家だ。そして、その貴族は、とてもオカルト好きで、この場所に来る時は、必ずと言っていいほど、人形に髪と爪と血を入れたものや、ムカデを水に着けて、紫色の瓶に入れたものを、今、この紙が置いてあるだろう場所に飾っていた。
その上、その貴族はと言うと、玄関のドアに、からくりを仕掛け、謎を解かないと開かない様にしやがった。
なので、そいつの手によって魂が宿ってしまった私は、この、弱々しい足で、全部屋を回ったが、部屋には出られそうな場所が一つも無く、この家に閉じ込められてしまった。だから、私は、そいつと、この家を怨み続け、そいつを呪い、この家には、黒い影を、
徘徊させた。
そいつを触るとお前も影に!
と、血の滲んだ紙に書いてあった。
そして、裏には、
瓶のムカデ、直接触ると危険。蓋、開けるな。
と、書いてあった。
『なので僕は、なら、瓶ごとなら大丈夫なのかな。じゃあ、全部もって行こうかな』
と言って、一つずつ、バッグの中に入れようと、一番右端の瓶を取ると、底の方に、何か書いてあるのが透けて見えた。
なので、それをひっくり返して見ると、底には、
困って
と、書かれていた。なので、
『何だろう?これは何かのヒントなのかな?じゃあ、もしかしたら、全部の瓶の底を見れば、何か分かるかもしれない』
と、言って、次は、二つ目の瓶を取って、底を見ると、今度は、
いる人
と、書かれていた。
そして、三つ目の瓶を開けると、今度は、
が居たら、
と、書かれていた。
そして、最後の瓶には、
この瓶を、渡せ
と、書かれていた。
『えっと、じゃあ繋げると、困っている人がいたら、この瓶を渡せ。て事か。分かった。それじゃあ、瓶も回収して、ヒントを得ることが出来たし、もう少し、棚を探索したら、部屋を出るか』
と、言って、棚を見ていると、瓶が置いてあった場所に、何かが書いてあった。
『何だろう?この記号。歯車見たいなのが書いてあって、一箇所だけ、異様に歯が長いんだけど。それに全部この長いのが来てるのの向き、が違うし。もしかしたらこれも何か、関係があるのかな?取り敢えず、これと同じ様な物がある部屋を探すか』
と、言って、部屋から出て行った。
そして、僕、神里はホラーゲームをしていて、
『ふー、今の所はまだ、そこまで怖くないな』
と、言っていると、玄関の方から、
ピンポーン。
と言う音が鳴り響いた。なので僕は、データのセーブをしてから、
『はーい!』
と、言って、階段を降り、ドアを開けると、
『やぁ。約束通り来たぜ』
と、友達が言って来たので、
『うん。じゃあ上がってどうぞ』
と言うと、
『うん。お邪魔しまーす』
と言って入って来た。そして、僕は、
『部屋は2階だから』
と、言って自分の部屋に案内すると、その友達は、
『何だこのナイトメアってゲーム。面白そうじゃん』
と、言われたので僕は、
『いや。流石にこのゲームはさっきやり始めたばっかだし、自分でクリアしたいからやらせないよ』
と言ったら、
『うん。分かった。それじゃあさ、俺がやってもいいホラゲーある?』
と、聞かれたので僕は、
『うん。ここにあるよ』
と言って、さっきベッドの近くに置いて、
『ナイトメア』と言うゲームを取り出した箱を指さした。
『そこの箱に入ってるから自由に見ていいよ』
と、言うと
『うん』
と言って、ガサガサと、漁り始めた。
そして、
『このゲームをやろうかな?』
と言ったので、
『じゃあちょっと待ってね』
と言って、その箱の近くに置いであるゲーム機を取って、
『セーブしたから大丈夫だよね?』
と、ブツブツと、呟きながら、ホームに戻ってナイトメアと言うゲームのソフトを取り出して、その友達がやりたいと言った、ソフトと入れ替え、その友達に渡すと、
『よし、ありがとう。さて、プレイを始めるか』
と言ってプレイを始めた。
そして、プレイを始めてから1時間くらい経つと、その友達は、時計を見て、
『じゃあそろそろ12時だし、帰るよ』
と、言われたので、
『うん。分かった。それじゃあ散歩がてらさっき別れたあの交差点まで送ってやるよ』
と言うと、
『マジで?ありがとう』
と、言ったので、
『じゃあ行こうか』
と言って、立ち上がると、その友達も、
『うん』
と言って立ち上がり、部屋を出て、階段を降り、玄関から外に出た。
そして、さっきと同じ道を歩き、交差点まで着くと、
『今度また、お前ん家に行ってもいい?』
と聞かれたので、
『程々になら』
と答えると、
『やったー。じゃあまた来るからね。じゃ、また明日、学校で』
と言って、信号が青になった瞬間に走って帰って行った。
そして、その友達が見えなくなった所で歩き出し、
『さて、帰ってナイトメアの続きでもするか』
と言って、ゆっくりと家に帰った。
そして、家に着くと、鍵を締めて、二階に駆け上がり、自分の部屋に入って、ゲーム機のソフトを『ナイトメア』に入れ替え、プレイの続きを始めた。
《神里とホラーゲームの世界》
《第一夢廃墟に潜む影》
そして、部屋から出て行くと、今いる場所と反対側の壁に、影がすごい数集まっていた。
『何であそこに影があんな集まってるんだろう?何かあるのかな?でも、影を触るとダメらしいし、何か通る方法無いかな?まぁ、これは後で考えるとして、他の場所を探索するか。そしたら何か分かるかもしれないし』
と言って、その場所を無視して、廊下を道なりに進むと、正面に扉が出てきた。なので、入れないかと思って、ドアノブを回すが、開かなかった。
『開かないのか。でも、ここ以外に探索出来る所なんてあったけ?でも開かないしまた元の場所に戻るか』
と言って、戻った。
『もしかしたら別の場所に移動したから影が居なくなるかなと思ったんだがな。しゃあない。どこ行けば良いか分からんし、危険覚悟であの影の所に突っ込むか』
と言って突っ込んで行くと、案の定影となって消えてしまった。
BADEND1『呪い』
復活ミッション『黄泉の国を攻略せよ』
起きると僕は、知らない場所にいた。
『あれ、さっき僕は、影の呪いで死んだはずじゃ?で、ここはどこだ?』
と言っていると、空から急に、赤い色をした紙が降って来た。
ここは 黄泉ぞ ここを出た くば そこの
暗号 解け
と、書いてあった。
そして、
『て事は、実際に影にやられて、復活したければここの謎を解けって事か。いいじゃない。やってやるよ』
と、状況を理解し、この紫色の空で、木が大量に生えているこの、黄泉?という場所を探索する事にした。
『それじゃあまず、真っ直ぐ進んで見るか』
と言って進んで行くと、その先に進めないようにか、柵が設置されていて、その柵には、4つの数字が書いてある南京錠が掛かっていた。
『えっと、この南京錠を解くための暗号を探せって事かな?で、記号は、左から順番に、数字の1、2、3、4。か。取り敢えず、これを覚えて置いて、これを解くためのヒントを探すか。これ以上真っ直ぐは行けないから、取り敢えず、元の位置に戻って、そこからこの木がいっぱい生えてる茂みに入って行こうかな?』
と言って、元来た道を戻って、左側の茂みに入ると、
『うーん、まだ何も無いな。もうちょい奥に進んで見るか』
と、言って、進んで行くと、黄色っぽい光が見えた。
『何だあれ?』
と、言ってそこまで行くと、その光は、僕から逃げるように動くので、
『待って!』
と言って、追い掛けて行くと、紫色のため池に着いて、その光は消えてしまった。
『何だ?ここ』
と、言って、そのため池の中を覗くと、
『何だ?この赤っぽい物は』
と、赤っぽい何かを見つけた。そして、それを見つけた瞬間に、ため池の奥の方にある茂みから、ガサガサっと言う音が聞こえ、
『何だ?』
と、言いながら、顔をあげて見ると、そこには、赤いドラゴン?がいた。そして、そのドラゴンは、
『グォォォー!』
と、威嚇をしながら追い掛けて来たので僕は、焦ってため池に背を向けて、一直線に逃げた。そして、ため池から、結構離れた地点で、後ろを向くと、もうドラゴンは追っては来てなかったので、ほっと、胸をなでおろした。
そして、周りを見渡す限り広がる木や草の中をどう歩くかを考え始めた。
『うーん、どうするかな?戻るとしたら、多分、左側からこっちに来たから、こっちの方向を歩けば、着くと思うけど……。でも、別の場所を探索するかも迷うんだよな。まぁひとまず、右側に進もうかな』
と言って、右側に進んで行くと、茂みを抜ける事が出来た。
『ふぅー、やっと開けた所に出れた…。さて、これからどうするかな?』
と、言って、疲れた様子で肩を落とし、
『とりあえず、さっきの鉄格子の所とは反対の場所に行くか。』
と言って、とぼとぼと歩いた。すると、数メートル歩いた先の、真ん中辺りに、一箇所だけ、怪しげに、土が盛り上がっていた。
『何だ?あそこだけ土が盛り上がってるぞ。掘ってみるか?いや、でも罠かもしれないし、こんな知らない場所で誰がいるかも分からない場所で無闇に行動するのもな…。』
と言って、この土を調べるかを迷っていた。そして、最終的には、
『よし、何も分かっていない状況で、いかにも怪しいものがあったら調べるのは大切だよな。もしかしたらヒントが入っているかもしれないし!もし罠だとか罠じゃないとか、気にしてたら何も出来ないし!』
と言って、その場所に座り、手で掘り始めた。
『結構土を掘るの、大変だな。あー!また爪に入った!なんで知らぬ間にこんな場所にいて、こんな事をしなきゃなんだよ!』
なんて、文句を言いながら掘っていると、
カンッ、と何かが当たったような音がしたので、
『何だ?』
と言って、もう少し掘り進めると、中から、金庫と、土で汚れた紙がでてきた。そして、その金庫には、ダイヤルが着いており、その周りには、上から右を通る順に、12、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、で、また12の、12桁の数字が書かれていた。
『何だか時計の配置に似ているな』
といいつつ土で汚れた紙を見ると、そこには、
14、18、20、22。
と、書かれていた。
そして、
『もしかして、本当に時計の数字と同じなのか?だとすると、ここで合わせるのは、2、6、8、10。だな』
と言って、ダイヤルを合わせると、カチッ!と言う音が鳴り響き、扉を開けることが出来た。そして、金庫の中を覗くと中には、紙が一枚入っていた。
『何だこれ?また紙?』
と、言って見ると、そこには、
その金庫のダイヤルに合わせた
数字を全て足して割れ。
そうすれば下界に戻るために
必要な数字の前半は分かるであろう。
と、書いてあった。
『ふーん。分かった。それじゃあこれくらい簡単だし、やって見るか』
と言って、
『えっと、2と、6と、8と、10を足すと26だから、それを割ると、…13だな!』
と、言って答えを出し、
『とりあえずここの謎は解けたし、もう少し探索しようかな?今度はどこら辺に行こうか?』
と言いながら、また、茂みの方に入って行くと、さっきまでは、何もいなかったのに、上に、大きな紫と青が混ざったような色合いをしている鳥が飛んでいた。
『何だあれ?見た事ないな。まぁ、それはそうか。ここは僕が元いた世界じゃないみたいだし。てか、あの鳥、何か持ってない?』
と言いながら、目を凝らしてよーく見ると、その鳥は、足を開き、それを落とした。なので追いかけると、そこにはまた、1枚の紙が落ちていた。
『また紙かよ。今度は何が書いてあるんだ?』
と言って見ると、そこには、
さっき足した数字を今度は
足した分だけ引け
それが下界へ続く後半の数字に
なるだろう。
と、書いてあった。
『そうか。これを解いて、あの柵にあった南京錠に、合わせれば、元の世界に帰れるんだな!そうしたら、まず、この紙を持って、あの柵のあった場所まで行くか』
と言って、まずは、また入った茂みを抜け、さっきとは逆方向に歩いていった。そして、
『ふぅー、やっぱり、意外と近いな。ここまで。やっぱここのマップ、あまり広くないのかな?まぁでも、もうこの場所から出られるから、どうでもいいんだけどね。』
と、目的地の柵があるところに着いたので、こんなことを言いながら、南京錠の数字を揃えて開けようとしたが、いくらダイヤルを動かそうとしても動かない。そして、ようやく出れると思っていたのにまだ出られないことが分かると、次第に口が悪くなって行った。
『これで、空くんじゃなかったのかよ!クソが!』
と、少しの間、こんな調子でこの南京錠に、キレ、殴るなどして八つ当たりをしていたが、ようやく正気に戻り、
『でも、きっと動かなかったのには理由があるんだろうな。錆びてるのかな。こんな所でキレてても仕方ないし、今度は錆が取れるやつを探しに行くか』
と言って、また茂みの方に入って行った。
『また茂みに入ったけど、何かあるかな?』
と言いつつ歩いて、行くと、一番最初に茂みに入った時のような、黄色い光がまた見えた。
『あの光って、最初に茂みに入った時に紫のため池があって、そこからドラゴンが出て来た所に導いたやつだよな?また僕をあそこまで行かせる気か?』
と言って、今度はそれを無視してずっと真っ直ぐ歩いた。だが、
『うーん、何も無いな。もしかして、あの光に導かれた場所に、何かあるのかな?』
と考えざる負えないくらい、どこを探索しても何も無かった。なので、
『しょうが無い。もう1回、あの場所に行ってみるか!』
と言って、さっきの場所に戻り、光の導く通りに進んで行くと、やはり紫のため池のところに着いたが、始めてきた時にいた、ドラゴンの姿は何処にも無かった。
『あれ?始めてきた時にいた、ドラゴンは?もしかして、僕があのドラゴンに追いかけられたから、そいつは帰れなくなって別の場所にいるのかな?まぁ、とりあえずそれは置いといて、あの光がここにまた導いたんだから、ここになにかあるんだろう!』
なんて言いながら、片っ端から土を掘って行くと、土の中に、5つの赤い丸の印が書いてあった。まず、南東に一つ目、南に2つ目、ため池の両隣に3つ目と、4つ目、最後は、ため池の前に5つ目が書かれていた。それを見つけた僕は、
『この方向って、3、4、5つ目以外、俺が何かを見つけた場所だよな?もしかして、この場所にも何かがあるのか?』
と、言って、まずは、ため池の中を探索し始めた。まずは、やばそうな色をしているが、別に触っても大丈夫だろう。と言う多分、ため池の中を探索する道具を探すのの、面倒くささから来ているだろう自信から、素手で手を突っ込んで、なにか無いかと、探索を始めた。すると、底の方に、錆を拭き取るための洗剤が入ったボトルがあった。
『まじか。こんなところから、こんなものが見つかるなんて……。分かりずらい所に大事な物を隠したな。ここの管理人は。もっと分かりやすい所に置いてくれれば良いのに』
なんて、文句を言いつつ、
『じゃあ今度は、ため池の左側の方を探索してみるか』
と言って、印があった付近の土を掘ると、今度は雑巾が出てきた。
『多分、これで、南京錠の錆を拭き落とせって事なんだろうな。で、最後の印はなんだろう?』
と、疑問を口にして今度は右側を掘ると、
銀色の鍵が出てきた。
『なんの鍵だ?これ。まぁ、とりあえず必要な物は揃ったっぽいし、また、あの柵のある場所に戻るか』
と言って、さっきから歩きっぱなしで疲れたのか、背伸びをしてから柵の場所まで向かった。
『えっと、着いたからとりあえず、南京錠を手に持って、洗剤をかけるか』
と言って、洗剤のキャップを開け、南京錠を手に持ち、洗剤を掛けると、ジュワーと音が鳴り、サビが少しづつ、水っぽくなって行った。そして、少し待ってから、今度は雑巾を取り出し、その洗剤を拭き取り、錆取りは終わった。
『よし、これでようやっと、この場所から出ることが出来る!』
と、ウキウキな気分で南京錠のダイヤルに、
『えっと、確か前半が、1、3で、後半が、2、2だったかな?』
と言って、数字を合わせた。すると、カチッと言って南京錠が外れ、今度は柵を開ける鍵穴が出てきた。
『セキュリティ管理、凄いなここ。南京錠を取ったら鍵穴が出てくる所なんて、見た事ないよ。まぁ、別にさっきの場所で鍵を見つけたから良いけどさ、』
と言って、さっき拾った鍵を取り出し、鍵穴に差し込んで、クルッ、と、回した。すると、ガチャッ、と言ったので、今度こそ開いたか?と思い、柵に手を当てて押すと、ギーッ、と音が鳴って、開けることが出来たので、
『最後の鍵穴、錆びてないか心配だったけど、錆びてなくて良かった。それに、ようやくここから出ることが出来る!』
と、喜び泣いて、脱出のための一歩を踏み出した。
この後、また影の出る屋敷
を探索する事をすっかり忘れて。
《復活ミッション完了》
《:貴族の家から脱出せよ!開始》
僕は、貴族の家の、物置部屋の前で、目が覚めた。
『こ……こ……は、そうだ。僕は、この家にいたんだ!そして、影が集まっている所に突っ込んで、その後ろにある扉に入ろうとしたら黄泉の国に誘われたんだ!て事は、今度はここから脱出しなきゃかよ。面倒臭いし、怖いな』
と、グチグチと文句を言って、
『しゃあない!早くこんなところから、脱出してやる!』
と、少しばかりのやる気を見せて、考え始めた。
『えっと、まず、多分、あの影が集まってるところにある扉に入ったら、何かがあるんだろうな。あそこを守ってるんだろうし、でも、どうやって、あの影を消せばいいんだろう?』
と僕は、物置部屋の前に位置する影の集まりを少し睨みながら見た。そして、少しの間、黙り込んで考えていると、
この屋敷は、今は廃墟になっているとは思うが、昔、貴族が別荘として立てた家だ。そして、その貴族は、とてもオカルト好きで、この場所に来る時は、必ずと言っていいほど、人形に髪と爪と血を入れたものや、ムカデを水に着けて、紫色の瓶に入れたものを、今、この紙が置いてあるだろう場所に飾っていた。
その上、その貴族はと言うと、玄関のドアに、からくりを仕掛け、謎を解かないと開かない様にしやがった。
なので、そいつの手によって魂が宿ってしまった私は、この、弱々しい足で、全部屋を回ったが、部屋には出られそうな場所が一つも無く、この家に閉じ込められてしまった。だから、私は、そいつと、この家を怨み続け、そいつを呪い、この家には、黒い影を、
徘徊させた。
と、物置部屋の棚に置いてあった紙に書いてあったのを思い出した。
『もしかしたら、この物置部屋に影の呪いを掛けた張本人がいるかもしれない!』
と、希望を胸に、自分の後ろにあるドアを、ギィーと、開け、物置部屋に入った。
『多分、あの紙に書いてあった貴族が、その人形を飾っていた。ってかいてあったから、多分、分かりずらいところに置くとは思えないんだよね。でも、その人形が自分で別のところに隠れたのかもしれないし……』
なんて、ブツブツと、呟き、考えながら、まず、一番居そうな袋の中を探索すると、そこに、それらしき人形が入っていた。
『うぉー、早速見つけちゃったよ。さて、たしか魂が宿ったとか書いてあったから、何か、喋れるかな?ねぇ、君。あのさ、脱出したいから、影の呪い解除してくれない?』
と、話しかけたが、反応はなく、
『もしかして、ずっと袋の中に入ってたのかな?それなら地縛霊としてここら辺にいれば、こうなるのも納得がいくんだが……。となると、紙に書いて頼んでみるか』
と言って、棚から初めに入った時に読んだ紙を取りだし、その人形の近くに置いて、書こうとしたが、
『ダメだ。ペンが無い。どうしよう』
と、ペンが無いことに気付き、考え込んでしまった。そして、考え込んでいると、また、ある事を思い出した。
『そう言えば、バッグの中に、ムカデの入った瓶を入れたよね。あれを使えば、書けるかもしれない。』
と言って、バッグから紫色の瓶を取り出し、
『確か、ムカデは歯から毒を注入するけどは自体が毒を出していないから大丈夫だよね?』
と、少し怖いと思いながら、瓶を開けて、ムカデを取り出し、ムカデの歯を1本抜いて、それで自分の指を傷付けて血を出した。
『いっつ!』
と、自然と声が出たが、
『よし、これ、で、書ける』
と、痛みを我慢して、紙に血を滲ませながら、
ここから出してあげるから、
この影の呪いを、解除
して下さい。
と、書いた。すると、何処からか、
『えっ、僕を外に出してくれるの?じゃあ、呪い解除する!』
と言う声が聞こえてきたので、言葉が伝わった!と、安堵し、ムカデを瓶に戻して、バッグに入れてから、物置部屋を出た。すると、
『ねぇ、君の指、痛そうだね。治してあげようか?ここから出してもらえるお礼に』
と言う声が聞こえ、僕は、
『本当、良いの?じゃあお願い!』
と言った。すると、
『分かった。それじゃあ行くよ。それ!』
と言うと、その傷の部分が緑色に光り、その光が消えると共に、傷は無くなった。
『凄い。傷が消えてる!』
と、驚きの声をあげると、
『すごいでしょ!これは僕の魔術の1つ何だ』
と言われ。
『そうなんだ』
と答えると、
『そんな事より、影を消したから、あの扉の中に、入れると思うよ』
と言われ、前にある扉を見ると、
『本当に影が消えてる!これでやっとこの部屋に入れる!』
と言って、その場所まで歩き、ギィー、と、扉を開け、中に入った。すると、中には、4つの、歯車が宙に浮いていた。その上、瓶が置いてあった棚に描いてあったのと同じく、歯車の角の1箇所だけが、異様に長かった。
『もしかして、あの絵の所ってここ?でも、あの絵と長い部分の向きが違うよなぁ……もしかして、その向きを合わせると、何かが起きるのかな?でも、宙に浮いているから自分の手では動かせないし……。とりあえず、これを動かせそうな物が置いていないか探してみるか』
と言って、部屋を探索し始めた。だが、この部屋には、物が4つの歯車以外、何も無く、どうするかを考えると、ふと、ゲームの謎解きゲームでたまにあるトリックを思い出した。
『そう言えば、壁に扉が隠れている事がある時があるんだよな。もしかして、それか?』
そして、注意深く、壁を見つつ、歯車を見ていると、
『あれ、ちょっと待てよ、歯車の長い角の部分、全部、右の壁を指していないか?』
と言う事に気付き、
『もしかしたら、右側の壁に何か?』
と、右の壁を重点的に見るようになった。そして、
『あれ?なんかここだけ切り込みが入っているような?何か怪しい』
と言って、右側の壁の真ん中らへんに見つけた壁に、思いっきりタックルすると、その壁は、バキバキッ!と、砕け、通れるようになった。
『ふー、壁と歯車2つを確認しといて良かった。おかげで時間もそこまでかけずに見つける事が出来たよ』
なんて言いながら、進むと、レバーが出てきた。
『何だこれ?これを動かしたら何かあるのか?』
と言いながら、レバーを奥から手前に倒すと、ドカン!と言う大きな衝突音の様なのが聞こえたので、
『何だ!』
と言って、元の部屋に戻ると、4つの歯車が、床に落ちていた。
多分、糸か何かで吊るされていて、それと、レバーが連動して、レバーを手前に倒すと、落ちるようになっていたんだろうな。仕組みは分からんが。
と、考えるのと同時に、これで、歯車の向きを揃えることが出来ると思った。そして、歯車を持ち上げると、
『ふー、大きさからして重いと思っていたんだけど、意外と軽いな』
と、言いながら、4つの歯車の角の長い部分を、右上、左下、右、左。に向きを揃えると、ドドド!と、何かが開く音がしたのでもしかして!と思い、この部屋を出て、廊下を進み、玄関に向かうが、やはり開いていない。なので残念そうに顔を下げて
『ちぇ』
と舌打ちをし、
多分、黄泉に行く前に行った、あの扉だろうな。
と思って、反対の方向に歩き、一番奥にある扉に手を掛けてドアノブを回すと、ガチャッ、と開いた。すると、上へと続く階段が、出てきた。すると、あの、姿の見えない地縛霊らしき人形?が、
『多分、ここを登ったら、何かしら手がかりが掴めると思うよ』
と、言ったので、
『何でそんなこと分かるの?もしかして、この屋敷の中を全部見て廻って、ここから出るための仕掛けを知ってるの?だったら、自分で解けば良かったのに……』
と言うと、
『まぁ、そうしたかったんだけど、なんせ霊体だからものに触れないんだよね……』
と言われ、
『そっか、そうだよね……。それじゃあ、階段を昇るか』
と言って、昇り始めた。そして、2階に着いて、辺りを見渡すと、廊下は横に伸びていて、左側に5個、右側に5個、扉が並んでいて、左側の扉にだけ、表札が付いていた。
『左側にだけ表札が着いているのって、なにか意味があるのかな?もしかして、自分がこの屋敷から出る時に、全部屋を廻るのは大変だから、左の部屋にだけ、仕掛けを作ったのかな?それじゃあまず、階段から近い方の部屋から行こうかな?』
なんて言って、1つ目のドアの前に立つと、その表札には、
『除霊の間』
と書かれていた。
『何だそれ?まぁ、よく分からないけど、入って見るか』
と言って、ドアを開けて、中に入ると、そこには、黒くなった何かが床にぶちまけられていた。
『何だ、これ?』
と、少し恐怖を感じた僕は、こう口に出すと、いきなり、僕の近くに居る?人形の霊が、
『うぉ!なんか、嫌な感じがする。まさか、これって、塩か?流石に、こんな場所には居られない!一旦別の場所に行くからその部屋を、探索出来たら大声で、呼んでくれ』
と、言われたので、
『うん。分かった』
と言うと、すぅーっと、気配が消えて無くなった。
『まぁ、あいつを早く外に出して、解放してもらうために、頑張るか。とは言っても、どこを探索すればいいんだか。ここには、黒い塩?くらいしか無いし……』
と言って、その場所まで行き、その塩?を手に取ると、黒い紙が隠れていた。
『何だこれ?こんなの、こんな所にあったら普通、気付かないよ。で、なんて書いてあるのかな?』
と言いながら、それをめくって、見ると、そこには、
ここに来たれし者よ、
闇に惹かれし呪いの
瓶を、合う窪みに入れたし。
さすれば扉は開かれる。
と、書かれてあった。
『何だこれ?』
と、何が何だか分からず、困惑したが、何となくながら、このバッグの中に入っている瓶を、どこかの穴に入れれば脱出出来るのかと思った。
『とりあえず、これで、脱出への手がかりも手に入ったし、この部屋を出るか』
と、外に出て、
『そう言えば、外に出たら、呼んでくれって言ってたな。おーい!終わったよ!』
と、声をあげて言うと、
『そう。そっちに行く。着いたら声を掛けるから』
と、言われたので待っていると、
『来たよ』
と、言われたので、
『それじゃあ行こうか』
と言った。
そして、次に、黒い塩のあった部屋の、隣の部屋に向かった。
『ここには何があるかな?あの塩に埋もれていた紙に書いてあった事と、瓶の裏に書いてあった事についてのヒントがあれば一番いいんだけど……』
なんて言いながら、ガチャ!ギィィー!と、扉を開けると、レンガのような物で、右側がおおわれていて、左側に、人が1り通れるくらいの隙間が空いていた。
『なんだここ?この狭い所の中に入れって事か?まぁ、通れないこともないけど、きつそうだな』
と、言いつつ体を横に向けて、ゆっくりと、その隙間の中に入って行った。
そして、その隙間を抜けるとすぐ、扉が現れ、その扉の横には、さっきと同様、看板があった。そして、その看板には、
悪魔の間
と、書かれていた。
『何だろう?』
と、疑問を口にして扉を開けると、その部屋には、丸の中に、星を入れたような、魔法陣のような物が書かれていて、その前に、魔法陣の様な物と、向かい合う様に白い髭を生やしたおじさんが立って、顎に手を当てながら、何か、困っである様子でいた。
そして、何かを喋っていたので、聞いてみると、そのおじさんは、
『いやぁ、困ったな。魔法陣を起動させるにはムカデの入った瓶を、4つ用意しなきゃいけないなんて。そんなもの、どこにあるって言うんだ……』
と、言っていたので、
あれ、そう言えば、ムカデの入った瓶、丁度4つ持ってたよな?それを渡せばもしかして、ここから脱出出来る、ヒントを貰えないかな?そんな、偶然こんなところでこんな人と会えるわけないし、物置部屋になんでムカデの入ったびんが4つあるのか分からなかったけど、もしかしたら、この人に渡せって意味だったのかもしれないし。物は試しに渡してみるか!
と、僕は考え、そのおじさんに、
『あの、すみません』
と、声を掛けた。すると、
『何だ?今、魔法陣を起動させるにはどうすればいいか考えているんだ。だから、要件は短めで頼むよ』
と、言われたので、僕は話を続けた。
『あの、ムカデの入った瓶が欲しいってさっき言っていましたよね?』
『聞いていたのか?あぁ、そうなんだ。その瓶がないと、これを起動させることが出来ないらしいんだ。だから困っているんだ。全く、そんなの、どこにあるんだか……』
と、言われたので、
『それなら、僕のバッグの中に、入っていますよ!』
と、いうと、
『それは、本当か?』
と、言われ、コクっと、頷くと、
『それをくれないか?』
と、言われたので、
『良いですよ』
と、言って、バッグの中に手を突っ込み、1つずつ瓶を取り出して渡した。
すると、
『ありがとう。それじゃあ早速この魔法陣を、起動させようかな?』
と言って、魔法陣の端の方に、四角形になる様におじさんは並べた。すると、その魔法陣は、急に、赤色光り始めると同時に、人の形をした、黒い影が出て来た。
なので僕は、
『げ、もしかしてこれって、触ったら自分が影になるってあの紙に書いてあって、一階で、あの人形に解除してもらったあの呪いの影?やばい、逃げた方がいいか?』
と、考えていると、後ろから、
『いや、あの呪いは僕にしか使えない、固有の呪いの筈だから、僕が解除したら、もう出てこない筈だから、大丈夫だよ』
と、言われ、
『そうなんだ。良かった……』
と、ほっとした気持ちでいると、
赤色の光がゆっくりと消えだし、その赤い光が消えるのと、同時に、人の形をした、黒い影が丸まり、部屋のあちこちに、泡の様に弾け飛んだと思ったら、黒い影の様だった物から棒状になり、部屋に弾け飛んだそれらが、全て繋がって、テントの様な形になった。
『何だ、これは?』
と、困惑した表情で僕は、言うと、突然これを召喚したおじさんが、
『ふはははは!成功したぞ!ここの支配者の召喚に!これで、ようやっとここから出ることが出来る!』
と、体を反り上げながら、喜びの声を上げていた。そして僕は、そのおじさんに、
『あれは、何だ?』
と、困惑して聞くと、
『あぁ、あれか?あれはな、君が持って来てくれたムカデの入った瓶を使って召喚した、この場所、黒影の屋敷や、悪魔の屋敷と呼ばれた支配人だ。そして僕は、10年前くらい、ここは黒影の屋敷と言われていたんだが、本当は、この国を支配している悪魔の内の住処のひとつがここで、当時、俺はその事を知らずに、この、黒影の屋敷と言われていた場所を気になり、入って見た。そこからはお前もここに来たのなら分かるだろう、黒い、影のような物が、一箇所の部屋に溜まっていたんだ。それに気づいたわしは、ドアから逃げようとしたが、何故か、玄関のところのドアが閉まっていて、開かなかった。それに焦ったわしは、何処か、出口は無いかと廊下を走り回ったわしは、ひとつのドアを見つけた。何だろう?もしかして、この中に入ったら、外に繋がる場所があるかもしれないと思い、ドアノブを回したが、開かず、何でだよ!と、切れてドアを思いっきり叩くと、脆かったせいもあってか、壊れて、進めるようになった。本来は、やばい!どうしようと思う所なのだが、ここから出られないかもと言う焦りもあってか、やった!先に進めるぞ!と言う気持ちが強く、先に進んでしまった。そして、その先に階段があったので、それを登ると、部屋が右に二箇所、左に二箇所あった。そして、それらの部屋のどこかに外に繋がる場所があるかも。と思った僕は、その全ての部屋を探索して、今いる部屋、悪魔の間に入ると、そこには、羽を生やした紫色のドラゴンのような生物がいた。そして、そのドラゴンのような生物は、動物の生死を司る悪魔と名乗り、今までのわしの行動は、全て見られていた。そして、勝手にこの屋敷に入った事も言われたが、それ以上に、この屋敷のドアを破壊した事が引き金となり、この屋敷にあるムカデの入った瓶を4つ集めてこの魔法陣を解放しないと出られない。出ようとしたら、黄泉の世界に送られてしまう呪いをかけられてしまった。そして、その悪魔は、階段のところにあるドアを、やれやれ……。と言って修理をしてから消えてしまった。そして、今、召喚しているのが、その、生死を司る悪魔だ。そして、それを召喚する事によって、脱出の鍵となる!』
と、長い話をされた。なので僕は、
『そうなんだ。10年間もここで……。大変でしたね。』
と言うと、
『そうだよ。まぁ、わしが悪いんだけどな後、君にもお礼を言わないとな。ムカデの入った瓶をくれて、有難う。』
『でも、一回の物置部屋の棚に、ムカデの入った瓶が、置いてあったのに、何で気づかなかったんですか?』
と、聞くと、
『あぁ、それはね、扉が直されてしまって、ここから一階まで、行けなくなってしまったから、1階は、探索できなかったんだ』
と言われた。それに対し、僕は、
『そうだったんですね?』
と、返した。
そして、そんな話をしていると、召喚が終わったのか、このおじさんの言った通り羽の生えた紫色の、ドラゴンが生成された。
『おぉ、我を解放できたか。本当は、汝をずっとここに閉じ込めて置こうとしたんだかな。まぁ、良い。多分、あいつに召喚された人間が、持ってきてお前にその瓶を、渡したのだろう。でもこれで、我も、自由に動ける!あっ!そうだ。汝と、我を解放出来たらここから出してやると契約していたな。ほれ、ここから出るのに必要な、呪われた瓶だ』
と、おじさんにその瓶を渡した。
『ついでに、その瓶は、2つあるから、汝を助けた、お主にもやろう!』
と、僕にもその瓶を渡してくれた。
『じゃあ、約束は果たしたぞ』
と、その悪魔は、どこかへ消えて行った。
『それじゃあ、この場所から脱出しようか』
『うん』
と、人形に憑依していた霊と、話して、悪魔の間から、僕達は、出た。
『それじゃあ、多分、除霊の間にあった、呪いの瓶を、合う窪みに入れたし。て、書いてあったから、多分どこかの部屋にそれがあるんだろうな。取り敢えず、まだ行ってない、右側の左端の部屋から行って見るか』
と言って、その場所まで移動して、部屋に入ると、
一見、普通の寝室みたいな感じだった。
『なんか何も無さそうだね』
『うん。』
と、話しながら、一応部屋を探索したが、やはり何も無かった。
それじゃあもしかして、仕掛けがあるのはやはり、看板が付いている、左側の扉だけか?
と、考え、
『それじゃあ、やはり、左側の看板の付いている部屋を探索して見よう』
と、話した。
そして、部屋を後にし、悪魔の間の、隣の、まだ入って居ない部屋まで、移動し、扉を開けて、入って行った。
入口の看板には、呪いの間と、書かれていた。
そして、中に入ると、ワンルームで、五畳位の広さで、一番奥の壁に、いきなり、それらしき窪みがあった。
『もしかして、この窪みじゃない?』
と言って、その場所まで移動し、生死を操る悪魔からもらった瓶を、窪みにはめると、
ガチャ!と、扉が空くような音がした。
『どこかの扉が開いた。多分、この隣の部屋かな?』
と言って、移動すると、やはり、扉が空いていたので、
鍵の間
と、看板に書かれた、看板のある最後の部屋に入って行くと、一畳ほどの部屋で、奥の壁にはレバーが着いていた。そして、
『なんだろうこれ?』
なんて言って、そのレバーをONと書かれている、上へとレバーを持っていった。
『うーん?何も変わらないし、音もしないな。とりあえず、他にやる事も無いし、一階に降りて、玄関まで行って見るか』
と言って、鍵の間を後にし、一階に続く階段まで移動し、降りて、ドアを開け、一階廊下に着くと、
『あれ?なんか黒いのがうにょうにょ動いてる。何だあれ?』
と、僕が言うと、
『まさかあれは、触れると自分もあーなってしまう呪いに掛かってしまうとされている、霊体じゃないか?』
と、人形に憑依した霊は、言った。
それを聞いた僕は、
『何だよそれ。この廊下に20位居そうなあれを避けてけって言うのかよ……』
なんて言って、もう無理じゃね?と、半分諦めていたが、
『もう、こうなったら、やけくそだ!』
と言って、感覚を頼りに、影の様な霊体を、次々に避けて行った。
そして、運良く、全てを避けきる事が出来た僕は、玄関の扉を急いで開き、脱出した。
そして、外へ出れた僕は、
『それじゃ、僕は、約束を果たしたから、元気にやるんだよ』
と、人形に憑依した霊に挨拶をすると、
『うん。そっちも元気でね』
と言って、声も気配も無くなった。
そして僕は、こんな山奥の廃墟で、意識が薄れて行った。
『……む。……くむ。悪夢!』
そして、目を覚ますと僕は、僕の部屋のベッドの中に居た。
『悪夢。凄いうなされていたけど大丈夫?』
『うん』
と、少し、お母さんと話をした後、起き上がり、ベッドから降りた。
END
このゲームの、一章目が終わると僕は、
『いやぁ、長かったな。疲れた』
なんて言って、手を後ろについて、あくびをした。そして、それから、
『いやぁ、そろそろ疲れたし、寝ようかな?』
なんて言って、ゲームをそのまゆかに置きっぱにして、ベッドへ戻り、寝始めた。
そして、僕は、黄泉の世界で目が覚めた。
『あ……れ……ここは?そうか。僕は、黄泉の世界で生き返られるように、黄泉の世界に来てるんだっけ?それじゃあ、四季巡りをまた始めないとな』
と言って、歩き始めた。5時間ほど、歩き続けると、鉄格子で、道が塞がれていて、扉のところには、南京錠が掛かっていた。
『やっと春を制覇出来るか?疲れたよ。もう』
なんて言って、鉄格子に付いている南京錠を見た。
『うーん?でも、これを開けられないとな。なんか、番号が書いてあって、ダイヤル式になっているけど、あれ?なんか、これ、夢の中でやった、ゲームに出てきた様な?』
と、少し考えると、
『あ!やったはこれ。夢の中のゲームで。もし、それ通りだとしたら。分からないから、夢の中でやった番号を、そのまま合わせちゃお。えっと、確か、1.3.2.2だったかな?』
と言って、入力すると、ガチャッと、南京錠が外れ、鉄格子の扉が開いた。
『よっしゃ!春を、クリアしたぞ!』
と、喜び、今度は、夏編をスタートさせた。
天地夢巡 ナイトメアン @naitomeann
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