第116話:製塩と家族

 リカルド聖帝は子供達に海の恵みを与えたかった。

 塩に困ることのないようにしたかった。

 草木を燃やして塩を手に入れる方法はリカルド聖帝が手本を示した。

 だがその方法では豊かになった国民が望むだけの塩を作り出すとなると、莫大な労力が必要になる。


 そんな事は魔境と領地を接していなければ実質的に不可能な事だった。

 だからリカルド聖帝は海岸線を含んだ国割を考えていた。

 これから生まれてくる子供の事を考えれば早急に確定する事もできない。

 だからレイラ、ライラ、ローザに海岸線の境界が曖昧になる理由を伝えていた。

 そのうえで塩を代表とする海産物の確保方法を考えていた。


 まずは一番よく知られている塩田を伝えた。

 リカルド聖帝の前世の記憶にある方法の内、イオン交換膜と電力を利用して鹹水を作ってから真空式蒸発缶で煮つめる方法は使えない。

 今この大陸で主流となっている揚浜式塩田法では、労力に比べて作り出せる塩の量が少なすぎる。


 そこでリカルド聖帝はまだこの大陸では考えつかれていない、入浜式塩田法と流下式塩田法を教えて製塩量を増やそうと考えていた。

 ただ入浜式塩田法と流下式塩田法は揚浜式塩田法よりも場所を選ぶし、導入するための初期投資と初期労力が大きい。

 だからその辺も考えて国割をしなければいけないし、最初に必要な費用と労力はリカルド聖帝が負担する心算だった。


「今まで説明したのが、魔力がなく魔術も使えない人間だけで製塩する方法だ。

 だが私は、子供達に魔力を与え魔術が使えるようにする心算だ。

 その魔術を使って塩を作る方法を教えておく。

 レイラ、ライラ、ローザ、君達も覚えておいてくれ」

 

『リカルド聖帝の妻妾』

「レイラ王家」

レイラ聖妃 :セント・ジオン皇国第三皇女

アルフレッド:二歳・リカルドとレイラの間に生まれた正長子

グレアム  :一歳・リカルドとレイラの間に生まれた正次子

ウイリアム :〇歳・リカルドとレイラの間に生まれた正三子

「カウリー伯爵家」

ライラ   :傭兵上がりの女騎士だったがリカルドの側室に

「アイザックス王家」

バートランド:五歳・リカルドとライラの間に生まれた庶長子

ヒューイ  :三歳・リカルドとライラの間に生まれた庶三子

エリオット :〇歳・リカルドとライラの間に生まれた庶五子

「ダドリー伯爵家」

ローザ   :傭兵上がりの女騎士だったがリカルドの側室に

「ゴードン王家」

コンラッド :五歳・リカルドとローザの間に生まれた庶次子

ボライソー :三歳・リカルドとローザの間に生まれた庶四子

オーランド :〇歳・リカルドとローザの間に生まれた庶六子

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