第6話:殺人?
「やれ」
外道共の頭が配下に命令する。
「「「「「死ね」」」」」
手下共が剣を抜こうとするが、それを許す俺ではない。
「麻痺」
俺は外道共に意識を向けていたので、そのまま麻痺の魔術を叩きつけてやった。
比較的簡単でレベルの低い麻痺の魔術書は、トルケルが持って来てくれていた。
そのレベルの低い麻痺魔術も、大蟻一万匹を斃して高レベルのなった俺が使えば、百発百中の最強魔法になるのだ。
「じいちゃん、身ぐるみ剥いで」
俺は側でこの時を待っていた祖父に頼んだ。
「まかせとけや、われ」
祖父が村の男達を率いて、ピクリとも動かなくなった外道共を裸にしている。
剣も防具も衣服も、粗悪品が多いが、ないよりはましだ。
大蟻の大顎や大猪の牙を竹の先につけた手製の槍の方が、鈍ら武器よりは攻撃力がるのだが、解体や料理には鈍らでも剣の方が使い勝手がいいのだ。
「おわったぞ、われ」
祖父達が、村特製の縄で外道共を後ろ手に縛ってくれている。
当然だが足も厳重に縛っているので、逃げるどころか起き上がる事すらできない。
布の材料には使えないが、縄にするなら丈夫な草で編んでいる物だから、どれほどの怪力でも力任せで切る事は不可能だ。
「じゃあ捨ててくるわ」
俺は自分の手で人間を殺したりはしない。
全ては神様が決める事で、運がよければ、いや、神が生かしたいと思うものなら、麻痺が解けて縄も切られて魔獣が襲ってくる事もないだろう。
神が殺してもいいと思う程度の人間なら、神の側に行って性根を叩き直してもらえば、次は真っ当な人間に生まれ変わって来れるさ。
俺は塵を全部魔境に捨てて、新たに村の住人になる少女達に話をした。
「君達は今日からこの村の住民になる。
話は聞いているだろうが、一日三食の食事を与える代わりに働いてもらう。
俺が気に入った子は身体を提供してもらうが、それ以外の子は最初雑用だ。
徐々に編物や機織りも覚えてもらうが、それは急がなくていい。
ああ、それと、年二回服も提供するからね」
不安な表情をしていた少女達だが、一日三度も食事が食べられると聞いて、歓喜の表情を浮かべていた。
でも、身体を提供してもらうと聞いた年上の少女達は、諦めの暗い眼をしていたが、年下組は意味が分からないようだった。
御仕着せの服の話をすると、やはり女の子だ、これから自分達が着れる服の事を思って、嬉しそうな表情に変わった。
今回は大人しい牛や驢馬を選んで荷物を運ばせてきた。
その中には、古着ではあるが、ハーレムに相応しい赤い服を買ってきてもらっているが、彼女達はそれが自分達に与えられるのを知っている。
金で売り買いされた奴隷ではあるが、最低限の生活を保障するのが、奴隷主の責任だと思っている。
特に自分のハーレムで働く性奴隷は、できる限る幸せにしたい。
「さあ、まずは腹ごしらえだ。
肉たっぷりのシチューを用意したから、好きなだけ食べてくれ」
異世界転生したらハーレムでしょ 克全 @dokatu
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