Bad Game

垂直の階段を駆け下りて

淀みに茂る水中花の蕾を踏みしだく

ビル風たちが追い抜き様に残していく

遠くへと響く口笛メロディーに

思わず足が竦んでしまうけれど

デッドラインを大衆の目前で突き破ることのみが

奴ら全てに対抗する 残された最後の手段だ


俯きに費やされる一瞬の行く末を鮮やかに彩って

鬱陶しく纏わりつく得体の知れない昨日までの足枷に引き摺られ

日の出と共に 今日の私は殺される

脱ぎ捨てることもできずに ただ

眩い逆行の背後に伸びる影法師だけが

自分に許された唯一つの退路だ


追い詰められた放課後のゲートの隅で

灰色の虚無の上っ張りに軽薄に塗り固められた

いつ果てるとも知れない嗤い哂い嘲いの温い渦巻きに巻かれ巻かれてずたずたに突き刺されながらも

同じように同じ笑みでもって澱みの渦に飲まれていくことだけが

急場の連鎖を凌ぎ切る最良のルールだ


出窓の裏から描かれたような

そんな日々はまるで悪戯のよう

タチの悪いゲームのよう

そんな悪い遊びをしよう


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