飴買いGHOST

やっとみつけた紅い花

私を殺してくれる毒

どんな蜜より甘く匂わせ

視界の片隅に貶められる

二匹目の猫の解体に

疑いを免れた三つ耳のバジルも

一瞬の刹那を嗤った後

慈しみの化け物に食い殺され

何一つ感じられることもないまま

私の前でこわれてみせて


幽断のなかで一生潰えぬジャック・ライト

積み木の上に目隠しされて

崩れていくカラダを永遠に抱き続ける

終わりのない戯れに溺れ

いつまでも覚めぬ嘘に

喜びを与えられるくらいなら

たった一つの真実を残して

今すぐ目の前から消えて

二度と歩みの叶わぬほどに傷つけた後で

永久に地上の全ての光を奪って

いつか夜明けの間近に俯き

夢を語り聞かせたように


やっと掴んだ糸口で

いつかのように私を縛って

約束の前で堕とした全てを

ビー玉のように冷たく壊して

残した爪の全てを剥いで

しらんぷりして笑っている

紅い口の中に

私が流した涙を垂らして

あなたの最後の嘘を

残して

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