エピローグ


  ホームの端、列車の乗車口が無い場所には、雪だるまが作られていた。数は六つある。大きさはそれぞれ一つずつ違った。


 前に二つ、小さい雪だるまがある。一つはもう片方より小さく、雪だるまの中で一番小さい。そしてその横には二つの中ぐらいの雪だるまがあった。その二つのうち片方は車掌の帽子をかぶっている。中くらいの雪だるまはどちらも一番小さい雪だるまの方を向いていた。


  そして後ろの二つのうち、大きい方の雪だるまの頭にはクマのストラップが乗っていた。


  六人の雪だるまは、これから決して来る事の無い列車を待っていた。 

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汽車雪〜雪の日、おじさんは少女に出会う〜 金魚屋萌萌(紫音 萌) @tixyoroyamoe

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