支援職としゅうどうふく

 おはようございます。起きたら昼でした。


 昨日、夜更かしして本を読んでいたのが良くなかったのかもしれない。

 読んでいた本は冒険もの。そこそこの生まれの人が、そこそこ頑張って、そこそこ生きて死ぬ見たいな本だった。

 面白いかと聞かれると微妙だけどぼーっと過ごすよりは楽しかったからなんともいえない。


 洋服を着替えて、朝ごはん……兼昼ごはんを食べるために教会をでる。


 昨日よりも人が増えた気がする。旅人の人が多い。忙しなく移動してるから、どこかに急いでるのかもしれない。


 ん……? 地味に視線を感じる。まあ、前世でも視線を感じることはあったし、そこまで気になる程の物でもないけども。


「君きみ、パーティーを組まないかい?」


 後で誰かが喋ってる。パーティー? 旅人さんでも固まって行動することがあるんだ。

 あーそっか、成長しやすいだけで最初は弱いもんね。それに、エリアを越える度にモンスターのレベルも高くなるし。


 いいなぁ、そこから恋が生まれたり……いやでも、旅人さんはどこかに行っちゃうんだし、それもないのかなぁ。


「ちょ、君だよ、修道服を着たきみ!」


 しゅうどうふく? 良くわかんないなぁ、周りを見回してみても……旅人さんしかいないし、そのしゅうどうふく? っぽいものを着た人もいないし。


 あ、さっきから喋っていたのはこの旅人さんかな?

 うーん、人探しは手伝いたいんだけど、ご飯も食べたいんだよねー。


 でも、困ってるみたいだし助けてあげようかな? 昨日助けてくれた魔女っぽい人も、困ったときはお互い様、って言ってたし。


「どうしました?」


 よし、いいね私のコミュ力。なんとかなりそう。


「あ、あぁ、うん。パーティーを組んで狩りをしない? 今、アタッカー2、タンク1で狩りをしているんだけど、支援職が足りなくてね」


「なるほど……」


 狩り……貴族の遊び? アタッカーは攻撃する人で、タンクは、守る人? それで、支援職というのが必要……。

 ふむ、ふむ。つまりは、しゅうどうふくの人じゃなくて、支援職の人を見つければ良いんだね。


「ん、わかった。任せて」

「おお! 助かる!」

「探してくるね」

「それじゃあパーテ……え? 探し?」


 とりあえず、教会に行ってみよう。司教さんとか、バフ使えそうだし。


 来た道を戻って、教会の掃除をしていた司祭さんを見つける。


「司祭さん、旅人の方が、支援職の人を探しているみたいで。司祭さんは支援職ですか?」

「そうですね、私は支援職ですよ」

「そっか、それなら、司祭さん、旅人の方と狩りに行けますか?」

「ふむ……私には教会のお仕事があるので、出来ませんね」

「そっか……無理言ってごめんなさい」

「いいんですよ。また聞きたいことがあれば、聞いてください」

「はい」


 そうだよね、お仕事あるもんね。あとは私の交流は……ないなぁ。


「あ、旅人さん、ごめんなさい、支援職の方でご紹介できる人はいませんでした」

「えーと、え? もしかして、NPC?」


 NPC?

 ……あぁ、ゲームで聞いたことある。ノンプレイヤーキャラクター、だっけ。


「いえ、違いますよ」

「え……え?」


 あれ、旅人さん固まっちゃった。なにかしちゃったのかな……あ~、支援職を見つけられなかったからがっかりしてるのか……。


 まあでも、私がいくら頑張っても出来ないからなぁ。


「旅人さんお力になれず、ごめんなさい」

「え、あ、い、いえ! こちらこそありがとうございました……?」


 うーん、私は力になれなかったけど、支援職の方が見つかりますように……!


「えっと、それでは、私は用事があるので、これで」


  うーん、お腹すいた。旅人さんは、他の人と話してるけど、コミュ力高そうだったし大丈夫でしょ。


 それにしても、しゅうどうふくを着たっ人て、誰だったんだろ?


 考えてもわかんないし、放置でいいや。


 朝兼昼ごはんのパスタみたいなものは、とても美味しかったです。

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ゲームのNPCに転生してました 凍てつけ @pocarice0228

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