静かに祈る、空白の五分間。
- ★★★ Excellent!!!
弟が亡き兄に宛てた書簡体小説。
主人公の兄がたった十歳で一人新幹線に乗ったのは、主人公が生まれてくる日と重なったからだ。その新幹線が、事故を起こして、兄は主人公に会うことなくこの世を去った。主人公が生まれたのは、兄が死んだ五分後だった。
この五分を、主人公は祈りの時間とした。
たった五分。
されど五分。
長く、空白のままの五分間だ。
主人公の正直で真摯な姿に、心を打たれます。
是非、ご一読ください。