第15話 二人の想い

二人が仲直りした事が分かり、二人のラブラブ指数は急上昇。


あいにく、隼人は留守だった為、私は近くの公園にいた。




「悠羽」



ビクッ

突然声を掛けられ驚く私。



「うわっ! ビックリした!」

「こっちが驚くっつーの!何してんだよ! 一人公園にいるなんてこえーよ? つーか危ねーだろ!」



「だって行く宛なかったから」

「えっ? 稔紀さんは? 姉貴もいんだろ?」


「二人はラブラブだったから。隼人いないって話だったし、加賀家に一人いるのは流石に出来ないし、だからって自分の部屋にいても落ち着かないから」



「あー、そういう事。二人仲直りしたんだ」

「うん…多分…キスしてたし仲直りしたのかな? って……私の個人的な思いだから確認してないから分からないけど」


「そっか。じゃあ、取り合えず部屋に戻ろうぜ。俺も帰ってきた事だし」


「うん…」



隼人は一足早く歩き帰り始める中、私はすぐに歩かずにいると。



「悠羽?」



隼人は、気付き足を止め振り返る。


歩み寄り私の手を掴む。



ドキン

私の胸が高鳴る中、隼人は私と手を繋ぎ歩こうとしていたが、グイッと引き止めた。




「悠羽? どうかしたのか?」

「…隼人…前…何を言おうとしたの? 何か言いかけてなかった?」


「…前…? いつの事? 何の話?」

「真理絵さんと稔兄が喧嘩して、ayaさんとの事は誤解だって言った日」

「あー…忘れた」

「…そっか…」


「………………」



私は掴まれた手をゆっくりと離し歩き始める。



「でもさ、悠羽。好きでもねーのにキスなんかしねーって言ったら大体、予測はつくだろう? 分かんねーなら馬鹿だ! 大馬鹿だ!」



ムカッ



本当、一言多さに腹が立つ。


こっちは真剣に今後の人生に左右されるっていうのに……



足を止め、バッと振り返る。



「あー…じゃあ私、馬鹿だから全然分かんないや」

「…あー、そうかよ!」


「………………」



私達は帰り始める。




≪ハッキリと伝えてくんなきゃ≫

≪私も自信なんてないのに≫

≪どうすれば良いか分かんないじゃん隼人…≫




私達は加賀家に移動する。




「シャワー浴びてくるからのぞくなよ!」

「のぞきませんっ!」



隼人はシャワーを浴びに脱衣場に向かう。



「隼人テレビつけるね」

「ああ、どうぞ。後で電気代頂くから」

「はいはい」



いつもと変わらない私達の会話。

だけど、今日は何か起こりそうな気がするのは何処か胸の奥で感じていた。




~ 加賀 隼人 side ~



シャワーを浴びリビングに戻る。


テレビを見ている悠羽を背中を見つめながら、俺は告白のタイミングは今日しかないのでは

ないかと思っていた。


だけど、どう言えば彼女は信じる?


普通のありきたりな告白にプラスして告白に挑まなければ彼女は絶対に信じる訳がないと……


チャンスは1回。


そのチャンスに人生全てを捧げる想いで俺は悠羽に気持ちを言わなければいけないだろう?




~ 藍上 悠羽 side ~



私は、隼人が既に戻っている事に気付かずテレビを見ていた。


テレビを見終わり他の番組でもないだろうか?


そんな事を思いながらもリモコンに手をかけた時、私の手を掴み重ねる別の片手が背後からあったかと思ったらもう片方の手でフワリてた優しく背後から抱きしめられた。



ビクッ

驚く私。



「ビックリした……隼人?」



振り返る私にキスをする隼人。



ドキン



「隼人?」


「なあ、悠羽……お前にとって俺ってどれ位の存在な訳?」


「えっ?」


「どうしたらお前に俺の想い伝わんの?」


「隼人…」



ドキン



「お前にただ好きって言った所で伝わんねーじゃん」


「私の事が好きだっていう確信がなきゃ多分無理だと思う……ありきたりな言葉じゃ」





私達は向き合い隼人はテレビの電源を消し私を振り向かせるとオデコ同士をくっつけると私の首回りの後ろに手を回す。



ドキン



≪ち、近い……≫



そして、一旦オデコから離すと再びキスされた。



「………………」



至近距離で見つめられるいつになく優しい眼差しの隼人に胸がうるさい位ドキドキ加速していく。


両頬を包みこむように触れると再びキスされた。


角度を何度も変え優しく長いキスされた。




≪ヤバイ……このキス……こんなとろけるようなキス頭がおかしくなりそうだよ≫



ドサッ

私達はソファーに倒れ込み、上から眺めるようにする隼人の眼差しが優しくて目を反らしたくても出来ないでいた。



「悠羽……俺はお前が好きだ! 初めて会ったあの日から……」



ドキン



「隼人…」

「俺の傍にずっといてほしい悠羽」

「それは……」



グイッと私は隼人を抱き寄せる。



「悠、悠羽?」

「その言葉信じて良い?」

「えっ?」



体を少し離す隼人。



「私……隼人の傍にずっといて良い?」

「い、良いに決まってんだろう?」



バッと離れる隼人。


起き上がる私達。

隼人は背を向けている。



「隼人?」




私は隼人の顔をのぞきこむようにすると隼人の顔が赤いように見える。



「見んな!」

「可愛い♪」



グイッと私の後頭部を押すと隼人は強引に近いキスをした。



「隼人…好き♪」

「あーもうっ! お前可愛い過ぎだから!」



オデコ同士をくっつけると、私達は再びキスをした。



愛を誓うかのように長いキスを ――――















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隣人~2つの部屋がつながる扉~ ハル @haru4649

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