「売れるものを作るべきか? それとも、自分のやりたいことをやるべきか?」
創作をしているほとんどの人が一度は当たるであろう永遠の課題に真っ向から挑んでいる作品です。
やりたいことだけでは売れるきっかけの掴めないミュージシャン・ユーマの悩み。
変化を嫌う古参のファンすばるんの思い。
それぞれの形で夢を追う仲間たちの決意。
ユーマを慕ったり気に掛ける周りの人々の視線。
そんな一つ一つの心情が隅々まで非常にリアルに描かれています。リアル過ぎて、毎話のように胸がちくちくと痛むくらいです。呼吸が苦しくなる時さえあります。
すばるんをプロデューサーに迎えた日々を経て、ユーマの出す結論が正しいかどうか、それは人によっていろいろな意見があることでしょう。
ただ、それが正解だとしても間違いだとしても、一人の売れないミュージシャンが出したどこまでも清々しいたった一つの答えを見届けてもらえたらな、と勝手ながら思います。