平穏な日々によぎる、奇妙なものたちの影。静かな筆致で紡がれる情景はどれも平凡で見慣れたもののはずなのに、いびつなものたちをさり気なく、それでいてはっきりと露わにしていく。日常の皮は丁寧に剥がされ、戦慄と嫌悪をまざまざと突きつけられる。 掌編だからこその切れ味と相まって、奇妙な味わいが癖になります。