第69話

家に帰ると、ただいまーと言って家に入る。いつもはドタドタと優香がやってくるが来なかった。俺はラインを確認すると優香から今日は観客席であった子と食べてくるねと書いてあった。


高校野球だとすると大抵は男だ。つまり男と食べに行くってことだ。誰だ?俺の可愛い妹に手を出す害虫は。すると、俺がその害虫を捕まえに行こうと外を出るタイミングで優香からラインが来た。


『お兄ちゃん安心して相手は女子だから』


....なんでこんなにタイミングがいいんだ?もしかしてどっかで見てる?


『お兄ちゃんのことは何となく予感がするんだー』


その予感怖いんだけど、お兄ちゃん恐怖で震えてるよ。さてどうするか、自分で料理を作ったことないし、かといってねるを呼ぶのは申し訳ないし。お金がもったいないが決勝まで行ったことで親からもらったお小遣いでラーメンでも食べに行くか。


俺はそう決めると、家から出ると、北松戸にある雷に行くことにした。あそこのラーメンはこってしていて美味しいんだよな。この距離だし自転車で行くか


俺は家に引き返し、自転車の鍵をもって家を出た。自転車に乗りながら久々のラーメンにワクワクしながら、雷に向かった。


それにしても優香が球場であった人と出掛けるなんて珍しいよな。やっぱり同姓だからか。恐らく異性だと出掛けないだろう。普段から男とは出掛けないし。そんなことを考えてると雷に着いた。


俺は自転車を止めて、並んでいると後ろから聞いたことある声で楽しそうに会話しながら後ろに来た。この声どっかて聞いたことあるような。優香の声に似ているな。


俺は後ろを振り向くとこっちを驚いた顔で見ている優香がいた。


「お兄ちゃんここに食べに来たの?」


「ああ、久々にラーメン食べたくなってな。それより女子二人でラーメンを食べに来ていることに驚いたんだが」


というか、ラーメン食べるにしも場所が被るなんて普通あるか。いやないよな普通。しかもここ結構こってりだぞ。まぁでも優香も来たことはあるはずだから友達も分かってきているのだろう。 


優香の友達だし一応挨拶しておくか。俺は隣にいる女子を見ると、驚いた。まさか森田の妹がいた。うちの高校の試合見てくれていたのか。まぁ信州大学松戸かまけた高校だから最後まで見納めようとしたのだろう。


「久しぶりだな。森田の妹」


「お久しぶりです。うちの学校との試合は感動をしましたよ。思わず最後の方は竜山高校を応援してしまいました」


それってあの兄よりもうちを応援したってことか。てことは今日試合を見に来たのって本格的にファンになったのか。それは嬉しいな。あの試合に投げた甲斐があった。


「信州大学松戸との試合でお兄ちゃんのファンになって、最後まで応援してたんだよ。すごいテンション高く応援してたぐらいだよ」


「恥ずかしいよ~優香」


でも珍しいな。優香が俺のファンと呼ばれる人間と意気投合するなんて、大体中学の時のファンとは思いっきり対立してたのにねるといっしょに。ファンと話しているときのねるの表情は長い間一緒にいた俺も怖く感じた。


「お兄ちゃん不思議に思っているでしょ。霊華はファンだけど別に恋愛的な感じで好きな訳じゃないんだよ」


ねぇそれってあのファンの子達は恋愛的な意味で俺のことを好きだったてことだよね。何て遠ざけるの、お陰で今まで彼女はおろか告白すらされたことないんだけど。それてて優香たちの影響かよ。まぁいいやもう過ぎたことだし。


「あのサインをくださいますか、家に飾りたいので」


そんなことして大丈夫なのか。兄と呼ばれる存在は皆シスコンである。つまり森田に知られると俺は鬼の形相でうちの妹をたぶらかせていわれる。少なくとも俺だったら言うな。


「お兄ちゃんかいてあげて、あの熱狂的な応援を見てると、本当にファンなんだなーって感じたから出きるだけ接触してほしいんだ」


「いや別に書くのはいいんだが、森田怒ったりしない?」


「大丈夫ですよ、うちの兄は血の繋がっていない女子しか興味ないんで、この前のは朝起きるのが苦手なので一緒に行っただけなので」


てことはシスコンじゃないってことか。それって千葉に住む兄弟としてどうなんだ。千葉の兄妹は妹を可愛がるものじゃないのか。


「それならいいんだが、どこに書けばいいんだ?」


「ここにお願いします」


すると霊華はハンカチを出した。しかもなぜか俺達の学校のマークが入ったハンカチだ。これって自分で編んだってことか。なかなかのできだな。俺が頼んで作ってもらいたいぐらい。


俺はマジックペンを受けとった。さてサインなんて始めて書くから何て書いたらいいか迷うな。英語の名前を崩してもうちの学校のマークをしたに描くか。


すらすらっと描いた。なかなかできじゃないか。プロのサインぽく描けたな。俺は際声の笑顔てハンカチを渡した。


「好希先輩のサインだー。家宝にしますね」


家宝ってそんなに貴重なものじゃないんだが。

喜んでもらえたようで何よりだ。まあま俺はサインとかには興味がない。むしろ好きな人が使っていたやつが欲しいタイプだ。


霊華はハンカチをバックに大切そうにいれた。


「お兄ちゃん順番回ってきたみたいだよ。しかもちょうど三人分」


「じゃー入るか」


俺達はドアを開けて入った。

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俺は過去に戻り青春をやり直す 作家目指すもの @Ronisei

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