死にたい君は僕の姉。
梅雨
プロローグ
「そっか。君もボクと同じなんだね。なら、こうしよう?ボクが君の姉になろう。そして、君はボクの弟になる。そうすれば、きっと、寂しくないよね。」
「あぁ、そうだな。それがいいさ。そうしよう。これからよろしく。姉さん。」
この子はいきなり何を言い出すんだろうか。そう思った。
でもそれよりも先に俺の手は彼女の手を取り、賛成の声をあげていた。我ながら馬鹿らしいことをした。だが、後悔はしていない。彼女の手は、どこか懐かしい温もりを感じるんだ。僕の大好きな、あの人に。
だがきっと、彼女もまた、僕の元から消えてしまうのだろう。僕が産まれ持ったこの"能力"のせいで。
でも、こんな形で俺に手を差し伸べてくれたのは彼女が初めてだ。どうか、しばらく彼女に興味を持つことを。許してはくれないだろうか。僕の能力を封印してはくれないだろうか。少しでいい。少しでいいから。頼むぜ。神様。
死にたい君は僕の姉。 梅雨 @Rori_tyan
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