『小さなお話し』 その203・・・『投票』 

やましん(テンパー)

『投票』

『これは、あくむによる、フィクションである。』 



『民主的』な長期独裁政党政権が誕生して以来、小さな自治体では、首長に立候補する人が、いなくなってしまった。


 なんせ、失敗すると、わるくすると、即、死刑である。


 多少、給料が良くても、やりたいはずがない。


 多いといっても、一般的なサラリマンが、月収15万ドリムのところ、20万ドリム程度である。


 しかも、休日は、あっても、返上が普通。


 市民や議員は、言論の自由が認められているから、言いたい放題である。


 ただし、中央では『ごき翼賛万民党』以外は禁止である。


 地方では、無所属は可能である。


 中央政府は、『民主的独裁ごき傀儡政権』である、絵絵府首相の長期政権が続いている。


 いっぽう、地方は、あまり、力がない。


 そこで、始まったのが、不人気投票である。


 市民のなかで、一番人気がないひとを、市長さんに選ぶのである。


 こうなると、選挙運動は、立候補ではなくて、推薦になる。


 クラス委員みたいなものだ。


 で、いちばん、力のない、いじめたいひとが、選ばれるのである。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・



弟子


『いまの、市長選挙は。正しいか?』



師匠


『しかり、そなたが、選ばれないところをみると、必ずしも、適切ではない。』



弟子


『そりゃ、お師匠さまのことですか?』



師匠


『晩飯、抜き。』



弟子


『では、市長さんに押しましょう。』



師匠


『今夜は、火星邸のカレーライスにしようか。』



弟子


『いいですな。推薦は、またにしましょう。』



師匠


『たしか、そなた、管長どのから、推薦予定 になっておったような?』



弟子 


『え〰️〰️〰️〰️〰️‼️ たいへんだ。不思議が池お気楽饅頭買いに行こう。』



 こうして、さっぱりと、訳がわからない社会になっていったのだが、宇宙ごきにとっては、ゲーム、いや、社会実験みたいなものである。


 どの人間が、人気がないかが、浮き彫りになるからだ。



・・・・・・・・・・・・・・・・・🛸



 


 





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『小さなお話し』 その203・・・『投票』  やましん(テンパー) @yamashin-2

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