3日目 「流れる」
何かが流れている。ベルトコンベアの上をゆっくりと。
なんだろう。あたりは暗く、よく見えない。
何かが、流れ着く先の硬いコンクリートの上で山を作っている。そこからは酷い腐臭がし、肺をいっぱいにする。べしゃ、べしゃと不愉快な音がする。
流れている何かは弱い月明かりを浴びててらてら光っていた。もっとよく見ようと目を凝らす。
自分の目がそれを捉えた時、ゾッと肌が粟立った。死体だ。人の死体が流れているのだ。
(ああ、なんてことなんだろう。)
恐怖で足がすくむ。
ふと、その山のそばで何かが動き始めた。嫌な予感がする。
人の形を成したそれはぐんとこちらに近づいてきて、月明かりを浴びてぎらりと輝く刃物を振りかざす。悲鳴が当たりをつんざく。
悲鳴が途切れたあとは、ただ、ベルトコンベアの音と、死体が落ちる音だけが響いていた。
自分が見た夢 夢野ばく @baku_7
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