1日目 「窓の外②」
窓の外にあいつがいる。
すぐに気がついた。禍々しい重い空気が流れ込んでくる。吐き気がした。
家族は気づいてない。
見ちゃダメ絶対見ちゃダメ。
早くカーテンを閉めて、でも目を合わせてはいけないよ。
もしあいつが家の中に入ってきたら?
今の自分に追い返せる自信はないよ。
とにかく家中のカーテンを閉めよう。
テレビからはゆかいなタレントの声がしていた。こっちはそれどころではないというのに。
最後のカーテンを閉めようとした時。
油断していたのだろう、あいつが不意に現れて、目が合ってしまった。ぽっかりと空いた、吸い込まれそうな真っ黒な目。ぱっと目を逸らした。間に合わなかった。あいつの勝ち誇ったような笑い声が近づいてくる。きっと不揃いの顔を歪めて不敵に笑っているのだろう。ゾッとするような、目眩がするような声で叫びながら窓にしがみついているのだろう。見ちゃダメ絶対見ちゃダメ。絶対…見ちゃ…。
ENDなにか
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