「イヤッホイ」


 イヤッホイ。元気? 私は元気。

 ・・・は元気? じゃね!

 メールを送信する ポチッ


〜ヤッホイ目線〜

「あけみちゃん、あけみちゃん」

 ?

「ぼくはね、あけみちゃんと出会って、人生が…」

 ??

「それ日本エレキテル連合だろっ!」

「わあ、ダメよーダメダメ以外の言葉しゃべった!」

 うわあん、うわあん、子供のなき声聞こえる。そのなき声は、どんどん大きくなっていく。

 もしかして……わたしのせい?

 ここはぶたいの上。私はあけみちゃん……。

 いったいどうなってるの?


 元気だよっ。ねえ、今度遊ばない? アハハハハ! イヤッホイ!



〜ヤッホイ目線〜

「おーい、起きてる? ねえってば〜」

 ううう、ん?

 ここは学校だ。新しく入った、中学校。

 私たちは、中1だ。

 中学生になって、友達がたくさんできた。

 みんないい人ばっかりだ。こうやって、私を起こしてくれるし。


〜あいの友達目線〜

「ヤッホイのやつ今日もねてるよ!」

「本当だ〜」

 ヤッホイっていうのはニックネーム。

 メールで「イヤッホイ」ばっかり使うからそう名付けた。ヤッホイの本名は、みほ。

 私の一番の友はあい。あいは小学校の頃からよく遊んでたんだ。

「ねえ、ヤッホイってちょっとめんどくさくない?」

 あいがとつぜん言ってきた。

「どうして?」

「だってさ……」

 私はイヤだ。みんなと仲良くしたい。

「やめようよ、人の悪口言うのはよくない!」

 そしたらあいは、なぜかなみだ目になりながら、

「わかってるよ」とつぶやいた。

 あいは実は、人を殺してる。

 あいがなぐったりしたわけではない。

 その人は、自殺したのだ。

 あいは中学でそのことをひたかくしにしてすごしてる。

 でもやっぱり、うわさがながれていつかはバレる。


〜あい目線〜

「あいちゃん、自殺させたって本当?」

 うわさをききつけたのか、ヤッホイが言ってきた。

 もちろんさけんで聞いてきたのではなく、小さい声。そういうところはヤッホイのいいところだ。

「うそじゃない」

「ふ〜ん」

 ヤッホイはそう言ったあと、誰?ときいてきた。

 私はわかんないだろうから、名前を言った。

 そしたらヤッホイは、大つぶのなみだをながして、ろうかににげた。

 なぜ?

 その人の名を知っているの。

 その人のことを知っているの。

 その人が好きだったの。

 なぜ? なぜなの。なぜ泣くの…




「私、あんたのこと好きじゃない」

「……え?」

 これは小学生のときの話。消しさりたい小学校の話。

「クラスのみんなもそうでしょ? こいつのことなんかきらいだろう?」

 あたりを見回した。みんなうなずいてた。

「やめなよ」そう言う人はいない。

 だって私は何でもできる、スーパーゆうとうせいとして、クラスのトップについてたから。

 私はあの人の何が気にくわなかったんだろう。

 自分でもわからない。

 私は最低だ。

 あの人は天国で許してくれるだろうか。

 何を考えてるんだ。許してもらえるはずがない。

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幼稚園児と小学生が書いた小説。 ナノハナ @claririri

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