第34話 幼馴染、刺激!



「あの……ペトラ」

「なに?」

「今更聞くのも変な話なんだけどさ、他に方法ってなかったかな……?」

「翔也も私もどっちも譲らないから、ない」

「そうですか……」


 一応ペトラの為を思って、そんでもって俺自身が恥ずかしいって気持ちもあって、お互い横並びで視線は外している。それでも、ペトラが自分の肩にお湯をかけてる音とかが妙に生々しい。見えてない分、音とかそういった部分で妙に想像してしまう……見ていてもアレだし、見ていなくてもそれはそれでアレだな……


「私と一緒じゃ、嫌だった?」

「嫌ってことは無いんだけどさ……流石に恥ずかしいってゆーかさ……」

「昔は一緒に入ってた」

「む、昔はそうかもしれないけどさ、今はお互いに成長してるし……」 

「成長してても、翔也は翔也。私は私」

「あははは……」

 

 やっぱりペトラは相変わらずのペトラだった。昔の幼い頃なら女性って意識なんてないからそういう事もできたけど、今は違うからさ。別にそういう事をしたいとか見たいわけじゃないけど、やっぱり意識は持ってかれちゃうってゆーかさ。


「昔みたいな関係も、たまにはしたい」

「ペトラ?」

「翔也、後ろ向いて」

「え? う、うん」


 そう言ってペトラに背中を向ける。そして俺の背中に柔らかい何かが触れてきた。流石にペトラのおっぱいではなくて、これはペトラの手のひらだった。


「どしたの?」

「確かに、成長してるなって」

「う、うん?」

「翔也の背中、大きくなってる」

「まぁ、そりゃ当たり前だけどね」

「当たり前でも、それはとても特別」 

「特別?」

「私はこの背中に。翔也の背中に触れられるか分からなかったから。留学できない可能性もあったから」

「そうなんだ」

「だから翔也が成長してても、それを感じられない可能性があったから、私にとっては特別」


 そう言って今度はペトラの身体が全体が……それこそペトラのペトラが俺の背中に触れてきている。ペトラの腕が俺の胸に回されて、軽く抱きしめられる状態になっていた。


「あ、あの……ペトラさん……」 

「ドキドキ、する?」

「そりゃ……ね……」

「うん。すごいドキドキしてるの分かる」 

「…………」

「私もすっごいドキドキ、してる」


 聞いてもないカミングアウト。当然、ここからは俺と理性との戦いだ。ペトラって確かCカップだったよね? こんなに柔らかいんだ……って、そんな事考えてる場合じゃない。このラッキースケベ拷問に耐えなければ、俺に明日は無い……!


 そうしてお互い無言のまましばらく過ごしてから、ペトラが自然と俺から離れて、もう上がるって言って先に上がっていった。


「た、助かった……」


 理性はなんとか保てた。でも俺には充分過ぎる程の刺激で、ペトラの事をより意識させられてしまっている。これをペトラが意図的に行っている作戦なのかどうかは分からないけど、どちらにせよペトラの魅力を存分に発揮してる事には変わりなかった。





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《令和コソコソ噂話》


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1人暮らしを満喫しようと思った初日に、幼馴染に凸られました。 能登 絵梨 @yuigahama

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