第33話 幼馴染、頑固!
刺激の強いペトラの行動をへて、ますます気まずい雰囲気になってしまう。常識じゃありえない行動をしてくるペトラ。そこには悪巧みや計算じみた考えはなくて、ただ素直に純粋に、ペトラらしさの表れの行動だから余計に困っている。
幼馴染の可愛さの暴力にあてられる毎日。嬉し恥ずかしいろんな思考や感情が暴れまくっている。
ペトラの胸って確か、前に友達の関本さんが来てた時にCって言ってたよな。あれがCカップの柔らかさなのか。
無言で歩いていると、先程のペトラの胸の感触を振り返ってしまう。こんな卑しい思考を取り除きたいが、隣にいる女の子とどんな会話をすればいいのかも分からないから、余計に言葉に詰まってしまう。
少し俯きながら歩き進めていた。雨の音の中に、段々と近く車のエンジン音。車が来るのは分かっていたけど、そこまで用心はしていなかった。
次の日瞬間、少し前方の水溜りを車が勢いよく通って、その飛沫が俺とペトラを直撃した。
「うわぁ……」
車は悪びれる気もなく、そのままのスピードで俺たちの後方へと走り去っていく。気分が悪くなるのと、びしょ濡れで気持ちも悪い。
「翔也、急いで帰ろう」
「あ、うん……」
ペトラにそう言われて、返事をするがてらペトラの方を見たら……白いワイシャツから透けるピンク色の下着。すぐに視線を外すが、先程は胸を触って、今は下着を目撃してしまって、理性の崩壊スイッチが既にリーチだった。
こんな時はガチムチの男のボディービルダーを思い浮かべようそうしよう。そうすればリーチは通り過ぎてまた振り出しだ。
そのまま急いで家に帰った。びしょ濡れで気持ち悪いけど、まずはペトラに先にお風呂に入ってもらってから俺が入ろうと思っていた。
「翔也が先に入って」
「いや、ペトラが先に入りなよ」
「翔也が先」
「ペトラが先だ!」
お互いに譲らない攻防。俺はペトラに風邪とか引いて欲しくない想いで、必死に説得をしていた。
「ペトラが風邪引いたら大変だよ」
「翔也も同じ。風邪引いて欲しくない」
「俺は俺、身体強いから大丈夫だから」
「そういう問題じゃない」
「本当に俺は大丈夫だから」
こんな感じで言い合いは止まらない。俺はペトラの事を思って、ペトラも俺の事を思ってるからこそ、こうして纏まらないのだ。
「もう……翔也は頑固」
「それはペトラもだろ」
「なら……しょうがない」
「ん?」
「しょうがないから、これで手を打つ」
「これ?」
▼
「……………」
「……………」
今、俺とペトラは一緒にお風呂の湯船に浸かっている。
ペトラが提示してきた解決策は、いっその事こと一緒に風呂に入ろうって方法だった。
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《令和コソコソ噂話》
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