確か迹見赤檮は登美のナガスネヒコの末裔で先祖が饒速日に裏切られた趣向返しで物部守屋と敵対したとかいう説を戸矢学氏か谷川健一氏(『白鳥伝説』辺り?)の著書に乗っていたような気がします(記憶違いかも知れません)が、新撰姓氏録だと登美首は和泉国稿皇別に「豊城入彦命男倭日向建日向八綱田命之後也」と書かれていて関係なさそうですね。
押坂彦人大兄皇子は「大兄」で「太子(ひつぎのみこ)」と記されていて、本来なら天皇になれる第一候補の資格があるはずですけど、何時生れて何時死んだのかすら分からない謎の人物ですよね。その後の一族の経緯から推測すると、蘇我も上宮王家も下手に手を出せない程勢力があったのかも知れないですね。
作者からの返信
レビュー、コメント等々ありがとうございます!
そうなのです······。迹見赤檮の出自に関しては、元々史書の記述が少ないこともあってかかなり曖昧な印象を受けました。
この作品は短編かつ三十分という縛りでの執筆でしたので、赤檮の出自までは深く触れませんでした。しかし私も別作品に赤檮を出すにあたって『新撰姓氏録』や太田亮氏の『姓氏家系大辞典』などを見比べながら設定を練っているところです。
しかしこの時代を舞台とした歴史小説や個人の創作などを見比べてみると、物語の展開としてまとめやすいためかナガスネヒコの末裔としている作者さんが多いようです。
そして麗玲さんがおっしゃる通り、押坂彦人大兄皇子についても未知の部分が多く、深いところまで調べるにはまだまだ時間がかかりそうです。
やはり「大兄」や「太子」との記述気になりますよね。息長真手王の女(むすめ)である広姫が母とされているので、確かに蘇我の血を引く穴穂部皇子や泊瀬部皇子、そして春日臣の血を引く難波皇子や春日皇子よりは皇位継承の優先度が高かったのだろうか······などと考えたりもしました。
そのあたりの皇子同士の関係性をどう調べてどう作品に生かしていくかがこれからの私の課題だろうなと思っております。
丁寧かつ真摯なコメント、そして古代史の自主企画への参加ありがとうございました!
私としてもとても励みになります!
とても興味深く拝読致しました。
第一印象は、綺麗な文章と言葉だなあ、ということです。
古代の風吹く山での一瞬の出来事が、目の前に現れるかのようでした。
彦人皇子、赤檮という人物を、浅学なために存じませんでした。しかしどちらも、歴史上重要な位置にいたことは間違いないようですね。
二人の主従関係が、その優しささえもはらむ関係性が、とても心地よかったです。
殺人現場なのに、不思議ですね。
古代史好きなわたしにとって、とても楽しい(というと語弊があるかもしれませんが)物語でした。ありがとうございますm(__)m
作者からの返信
応援コメント及び素敵なレビューありがとうございます!
彦人皇子と迹見赤檮は私も古代史にハマるまで全然知りませんでした······。
「恐らく知っている人の方が少ないだろうなあ。分かりにくいかなあ」などと少々不安になりながら書きましたが、二人の関係性を受け止めてもらえたようでとても嬉しく思います。
こちらこそ!楽しんでいただけたようで何よりです!
長月そら葉さんの防人のお話も楽しく読ませて頂いてます!
これからの更新も楽しみにしておりますね!