#1 第一層 進むべき道

「レディースオアジェントルマン……」


迷宮の地獄が始まった。

「さぁ、皆さんにはこの迷宮のルールを教えようじゃないか。」

「そうした方がいいか。」

「そうね、めんどくさいけど仕方ないわね。」


男鬼と、

男口調の女鬼と、

貴族口調の女鬼がモニターに映りそこで話す。


そして男鬼は言う。

「ではでは改めまして、我々、悪鬼3人、この迷宮の主でございます。」

とにこにこしながら頭を下げる。


『ふざけんなー、ここからだせー』


荒れ狂う罵詈雑言の中、男鬼が言う。


「あのさ、うるさいんだよカス共が。

お前らはゴミクズにもなれなかった獣なんだよ。俺の言うことを聞けよ。そうしたら嫌な気分にならないんだからよ。」

「いい気になるなよ下郎共。」

「調子乗ってると1人ずつ殺すよ?分かったかい?」

圧倒的な殺気に6億人全員が頭を下げる。


「返事は無いのか返事は!!」


気分が優れなくなり怒る男鬼。


『はい!!』


6億人が声を合わせて言う。


「では、簡単に説明しよう。

まず、この迷宮の題材はゲームだ。

死んでも生き返るし、大抵の物はゲームで作られている。痛みや疲労、空腹等のバッドステータスは、ちゃんと感じるし、切った時の手応えもある。まぁ感触等は現実で非現実的なのはゲームと考えよ。そして、今の君たちには、一人一人ステータスが違う。全員の人生の中で1番ステータスが高い時、まぁ、全盛期とでも言うのかな?それは変わることは無い。ずっと全盛期の状態で入れる設定にはしてある。空手家には空手家を、刀鍛冶なら刀鍛冶を。皆のLvはもちろん1からだ。1レベ上がる時にスキルポイントが1加算される。それで頑張って自分を鍛えるといい。モチのロンこの迷宮はクソゲーだ。なんせ私たちは加減を知らない。結構まじで作ったから本気でかかるといい。出ないと『壊れてしまう』からね。皆の衆、分かったかな?」

返事を要求し

『はい!!』

と答える6億人。

そして、この物語には主人公はいない。

誰も彼も主人公では無い。主人公はみなが決めるからこそ主人公はいないのだ。


「よし、では続いてこの場所、

第1階層「シュテルベーゲン」

に着いて話そう。

この1階層では、外に出れない。

半径100億キロメートルの円盤状の街だ。

街の外には出れず、街のの真ん中に1つ、大きいボス部屋がある。そこをクリアしたら、第2層に行けるさ。Lvや金などはその街のクエストをクリアすると経験値と金が手に入る。その金で雇うなり、武器を買うなりするといい。君たちの所持金は現実世界での持っていた金を導入した。その金で武器を買って戦うのもいいだろう。ただし、武器はLvに合わないと装備できない。頑張ってLvを上げよ。

あと、この迷宮にいる人達は全員この場に住んでいる人達だ。君たちと違って殺されたら死ぬし、リスポーンもしない。ちゃんと働くことも出来るし、子供だって作れる。せいぜい、身を粉にして、働くのもありかと。

まぁ、結構長くなったけど説明はこれくらいだ。ヘルプにも書いてあるから分からないところがあればよく読むように。以上。」


指を鳴らしてモニターが消える。


勿論、その鬼が言った通りの街だった。

その場は活気ずいていた。

そして、外には出れず、街の真ん中には、

ボス部屋と思しき扉があった。

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〜迷宮〜 人ならざる者達の美学 曲家 ユウキ @magariya

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