〜迷宮〜 人ならざる者達の美学

曲家 ユウキ

#0 プロローグ

西暦2330年、

日ノ本と呼ばれ栄えた国があった。

その国には、「ゲーマー」という、

暇人の集まりがあった。


国は困った。

ゲームがあるから人は働かなくなると。

国として上手く成り立たないと。

そこで、とある角の生えた少年1人と少女2人が国にとある話を持ちかけた。

中学生位の子達は長々と来た説明を省いて簡潔に言った。


「ゲーマーのことでお困りなら世界中のゲーマー全てをゲーム内に閉じ込めて現実を見せてあげましょう。[地獄]という名の迷宮(現実)を。」


そう言った後、少年は高らかに笑った。

その笑い声は、とても、気高く、恐ろしく、禍々しがったという。


そして、西暦2331年。

日本のゲーマー、約6億人が一瞬にして姿を消した。


ゲーマー達はみな、ゲームという[地獄]に落とされてしまったと、その場にいた総理がそう思った。


「いやー、あそこにいる人達全員ゲームしてる人じゃなくて良かったな。」

「そうだね。だって、見届け人がいないと面白くならないだろ?」

「全くもってその通りだ。」

「そうかしら、でも、大変よ。私たちは迷宮主なんだから、モンスターとか作らないといけなくなっちゃうわ。大変じゃない?」

「ああ、だから、これから忙しくなるよ。

覚悟しておくんだね。」

「私達は鬼だろ。忙しいのはいつもの事よ。」

「ゲームの世界がどれほど生きづらい環境なのか、知らしめないとね。」

「そうよ。それが私たちの役割なのだから。」

角の生えた少年少女達は、

平和を絶望に変える迷宮を作ってゲーマー達を待っている。


そして、全ての幕が開く。

「レディースオアジェントルメーン。

只今より、あなた方はこの迷宮をクリアしなくてはならなくなりました〜。」

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