17日目 昼 防衛大臣と動き出した組織

ーー彼が亡くなるまであと2年



彼が大臣に就任してから1年ちょっとが経った。彼はあの日から、極秘で国際警察と連絡をとり続けていた。「もしもし、夕神さんですか?希島です」「希島さん、今お時間の方よろしいでしょうか?」「今は周りに誰もいないですし、大丈夫ですよ」「希島さんに相談されていた物をこちらで開発する計画が決まりまして」「そうですか、ありがとうございます」「その報告も兼ねて、こちらにお越しいただきたいのですが…」「かしこまりました、でしたら駅前で待ち合わせでよろしいでしょうか?」「了解です、それでは時間がある時を連絡して貰えれば迎えにあがりますので」「ありがとうございます、それでは後ほど連絡します」彼は国際警察に何かを頼んでいたのだった。その夜、彼は本部に行く日を決めて連絡し、家に帰る事にした。




「ただいま明香里、今日も疲れちゃって…」「あなたおかえりなさい!それより嬉しい報告があるの!」「どうしたんだい?急に」「私たちに子供が出来たの!」「え!本当か?子供が産まれるのか?」「そうなの!あなたに早く報告したかったから、帰ってきてくれて良かった…」念願の二人の間に子供が産まれたのだ。「急な事でびっくりしたけど、これから一人じゃ大変だと思うから休みを取るね?」「ううん、あなたは仕事があるんだから大丈夫よ、私はお母さんとかに家に来てもらうから大丈夫だよ」「本当に平気か?」「それに休みを取るなら、産まれた後がいいかな?」「そうだね、明香里が寂しくならないように連絡はなるべくするからね?」「ありがとうね?お互い頑張ろうね!」二人は互いに頑張ることを誓った。そして日が経ち、彼は国際警察へと向かった。




国際警察に向かう車内で、彼は夕神に妻との出来事を話した。「夕神さん、私にも子供が産まれるんですよ」「そうなのですか?良かったですね、希島さんにもお子さんが産まれるのですか」「そうなんですよ、まだ性別はわかりませんが名前は自分の中で決まってるんです」「どんな名前なんですか?」「男の子なら隼人、女の子なら花蓮って名前にしようかなと…」「良い名前じゃないですか、お子さんや奥さんが安心して暮らせるように私たちも頑張りますよ」「その為にアレを夕神さんに頼んだのですからね」初めて国際警察に向かった時の車内の会話とは違く、二人の会話はとても明るい会話だった。




二人は国際警察に着くと、チェックを済ませ中に入っていった。中に入ると、彼は新しく建設された研究所に案内された。「夕神さん、この研究所はなんですか?」「ここは高度技術開発センターです、私たちはHTDCと呼んでいます」「HTDCですか…」彼は目の前にある光景が現代の物ではなく、未来の光景を見ているような感覚だった。「これが希島さんに頼まれていた物です」夕神に渡された物はホログラムの剣だった。「これが私が頼んだ物ですか?」「そうです、希島さんに依頼された人を傷つけない為の武器になります」「なるほど…これがですか…」「はい、この剣はサイバーソードといって人を気絶されることは出来ても、死なすことはないです」「仮に奪われたりした場合は大丈夫なんですか?」「奪われた場合も問題はないです、サイバーソードについてるセンサーで使用者を承認し、登録者以外には使用できないようになっているんです」「なるほど、登録者ってのは偽装工作とかされたりはしないのでしょうか?」「偽装工作やハッキングなどされる事はないです、基本的に国際警察本部の人間しか使えないようになっています」「なるほど…無理なお願いかと諦めていましたが、これほどの物を作っていただけるとは…」開発された物は彼の想像していた物を遥かに凌駕する物だった。「しかしながら、こんなに早く開発して頂けるとは思いませんでした」「早く開発したのには理由があるんです…」「理由ですか…?」「はい…NWが日本で活発的に行動しているのです」「活発的と言いますと…?」「奴らが日本で事件を起こす可能性が出てきたんです」「事件ですか…?」「大規模な事件…テロのを起こすかもしれないのです」遂に動き出したNW…国際警察と防衛大臣はテロを阻止することが出来るのだろうか…?一方その頃、国会の防衛大臣室では……「なるほど…奴と国際警察には繋がりがあるのか…パソコンのデータの内部まで正解だったな…」何者かが彼の周りを調べていたのだった。




ーー彼が亡くなるまであと10ヶ月

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あと100日で終わる世界 KAITO @kaito_4989

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